鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
「お前は戦わねーのか?」
なのはさんたちを(どこにだか知らんが)送り出したあと、猫耳つけた変なショートカット女に絡まれた。
「ダメだよ、ロッテ。確かこの人、非戦闘員の……」
猫耳のロングヘア女がそれを嗜める。
顔が似てる……姉妹?
「まぁ……魔法使えないですし」
「なんだ。ただの役立たずか」
「ロッテ! ……ぷふ」
……いいだろう。
てめーはおれを怒らせた。
「ふにゃぁぁぁ……こ、こしがぁ…………っ!」
「ひにゃぁっ……ぬけちゃったにゃぁ……!」
「せ、先輩……何してるんですか?」
「ん? おぉ、ヴィヴィオちゃん、おかえり」
数時間の間、生意気な猫姉妹を撫でくりまわしているとヴィヴィオちゃんたちが帰ってきた。
『 さすが先生……ナデラー界に轟く“腰砕きチー”の二つ名は伊達じゃない……!』
「待ってリリィ、初めて聞いたんだけど何それ」
……なるほど、未来でも俺のナデラーっぷりは健在か。
「……あ、アリア……ロッテ……?」
何か変な黒いガキが固まってるけど…………ま、いいか。
俺のナデテクを食らって蕩けている猫ども捨て、ヴィヴィオちゃんたちのもとへ。
「ふにゃっ……も、もっとぉ…………!」
「やめちゃやぁにゃぁぁ…………!」
ええい、やかましい。
「羨ましい…………! ダーリン、私にも……」
「お前にやったら変なこと言うからヤダ」
「……ちっ」
舌打ちすんな。
「えっと……」
「ん? あぁ……気にしないでくれ」
帰ってきた面々を見回す。
なんかボロボロだなぁ……あちこち汚れてるし。
……ん? 見慣れないヤツが……って、あれ……?
「お前は……」
「あ、そうだった! 先輩、この人は……」
数時間前に出ていった面々にはいなかった人物。
数時間前に俺と話をしていた人物。
「ーーーーユーリ・エーベルヴァインです」
金髪娘ーーーーユーリは微笑みを浮かべると、俺に言った。
「カレー、ちゃんと取ってありますか?」
「あむ……」
ユーリは俺の隣に座り、俺に取っておくように言ったカレーを食べている。
「……ねぇねぇ、ヒロヒロは何でユーリのこと知ってるの?」
「まぁ、色々あってな」
話を聞いたところ、どうも
知らぬうちに俺は危機的状況にあったようだ。
「……本当にこんなヤツがラスボスかよ?」
むにむにとユーリの頬をいじる。
「だ、ダーリン! そういうのは私に……!」
「……本当はコイツがラスボスなんじゃねえのか」
少なくとも俺にとっては間違いない。
「……あむあむ」
ユーリはもくもくとカレーを食べている。
うむ、いい食べっぷりだったぜ。
「なぁ、うぬ……」
「……ん?」
ひたすらカレーを貪るユーリを見ていると、誰かに話しかけけられる。
確か……『王様』だっけ?
「少し話をせぬか?」
「え? 疑問系ってことは拒否権あるんだ? じゃあやだ」
おまけ
《襲い来る、新たなる試練 ※委員長視点》
私は今、ある公園に来ている。
妹さんの情報が正しければここに……いた!
「ったく……何なのよあの女! こんなメール送ってきて…………あぁイライラするぅぅううう!」
ちょっと前に私を襲ってきたツインテールの人。
うぅ……すっごく怒ってるよぉ……。
「だいたいチヒロもチヒロよ! アタシというものがありながら……って、あ、アタシは別にチヒロのことなんて何とも思ってないんだから! お、幼馴染みとしての義務? 責任感? みたいなものよ!」
……何だか忙しい人だなぁ。
その時、私は足元にあった小枝を踏んでしまった。
ぱきり、と乾いた音が鳴る。
「ハッ!? だ、だれっ!?」
しまった!
「出てきなさい! じゃないと……」
こちらを見て手元に炎を出現させるツインテールさん。
……大人しく出るしかないようだ。
「あ、あんたは……ッ!」
「こ、こんにちは……」
to be continued……