鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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今回は読者様方に言われ続けたことをネタとして書きました。

もう一度言います。今回は色んな意味でネタ回です。
ネが申す回ではなく、ネタ回です。

ネタ回なんです。










意外と早く終わったDIもうとの天下(笑)





四十三話

《ファースト・コンタクト委員長編……だと思った? 残念! 最終回『遥かなる旅路、さらばデコ助よ』(俺たちの戦いはこれからだ) ※委員長視点》

 

「はぁ……はぁ……勝った……の?」

「ま、まさか……この私が……この私が負けるなんて……!」

 

やっと……やっと篠崎くんの妹さんに勝てました……!

これで……!

 

「私を……認めてくれますよね?」

「えっ……デコ助さんの敵討ちじゃ…………あ、いや何でもないです 」

 

何でしょうか?

 

「……まぁ、いいでしょう。貴女を認めましょう、義姉様(ねえさま)

 

……やった!

これで篠崎くんと……!

 

 

「ーーーーただし、『私は』だがなァ!」

 

 

「ど、どういうことですか……っ!?」

「フッ……フハハハハッ! 兄様を手に入れるための障害が私だけだといつ言ったッ!」

 

なっ……!?

 

「あの人に掛かればあなたなんて……ッ!」

 

 

「ーーーーそこまでよぉ~。ちょっと喋りすぎじゃないかしらぁ~?」

 

 

突然、やけに間延びした声が響く。

 

「なっ……お、お母様……!? なぜっ……!?」

「あなたが不甲斐ないからでしょぉ~?」

 

篠崎くんの妹さんが顔を真っ青にして見ているのは、朗らかな笑みを浮かべた女性だった。

お母様って……。

 

「篠崎くんのお母様……ですか?」

「うふふ~、そうよぉ~」

 

この人が……!

 

「もぉ~……あなたはお小遣い減らしちゃうんだからぁ~」

「なっ、何ですと!? 私、お小遣い月に300円ですよ!? これ以上どう減らすと……」

二月(ふたつき)でぇ~……150円よぉ~」

「そんなご無体なっ!?」

 

えっ……えっと……?

 

「ん~? あらあらぁ~……ごめんなさいねぇ~?」

「い、いえ……」

 

ま、マイペースな人だなぁ……。

 

「あなたが、委員長ちゃんねぇ~? 息子からよく聞いてるわぁ~」

「あ、ど、どうも。初めまして!」

「はい、初めましてぇ~。それでぇ、あなたはうちのチヒロが欲しいのかしらぁ~……?」

 

ち、直球!

ド直球すぎるよぉ!

 

「ほ、欲しいと言うか……むしろ貰って欲しいと言いますか……」

「なるほどぉ~……」

 

あうぅ……恥ずかしい……!

きっと私、顔真っ赤だよぉ……!

 

「ならぁ~……あげちゃう~」

「えっ!?」

「なっ、お母様ッ!?」

 

 

「ーーーーってぇ~、言ってあげたいけどぉ~……」

 

 

そこで篠崎くんのお母様はさらに笑みを深めた。

その笑みには神と見紛うほどの……ううん、神すら軽く凌駕するであろうほどの美しさがあった。

 

「あれでも私の大切なたった一人の家族だからぁ~……」

「お母様、私とパパンは!? 私とパパンを忘れてないですか!?」

「簡単に“あげちゃう”って言うのはぁ~、何か違うと思うのよねぇ~……」

「スルーされたっ!?」

 

つまり……。

 

「どうしろと……?」

「簡単よぉ~……ーーーー私を倒しなさい。そうすれば認めてあげるわ」

 

篠崎くんのお母様を中心に鋭い風が吹き荒れたように感じた。

これはーーーー殺気!?

 

「む、無理です、義姉様! あの人は言うなれば強制負けイベントの敵キャラ……! 攻撃は悲しみ背負うことで習得できる奥義でも回避は不可、逆にとっても!ラッキーな攻撃ですら当たりません……」

 

なん……だと……!?

 

「例え攻撃が当たったとして、それが天地を乖離させるほどの一撃でもノーダメージ……。その上に真実二到達スルコトハ決シテナイ能力だろうと何だろうとあらゆる能力を無効化する……そんなチートの安売りセールのような……いえ、チートの無料配布所のような存在なんです……お母様は!」

 

「ふふふ~……かかってきなさいぃ~」

 

本当は逃げ出したい。

でも、もう後には引けない……ううん、絶対に引かないっ!

 

「行きます……!」

「義姉様!」

「ねぇ……義妹(いもうと)ちゃん。私ね……」

 

篠崎くん……

 

「この戦いが終わったら、結婚するんだ……」

「なぜ自らフラグを!?」

 

今、会いに行きます(愛に生きます)

この人を……お義母様(かあさま)を乗り越えてーーーー!

 

「ハァァァァァァァァァッッ!!!」

「うふふふふ~……!」

 

 

私の戦いは……これからだっ!

 

 

 

THE END………………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デコ助:別に私、死んでませんからね!?

 

THE MOTHER(御母様):うふふふふ~……!

 

デコ助:ハッ!?

 

 

 

 

 





おまけ
《四十三話》

「この中です」

あのあと、ロリなのはさんと共にアースラとやらに回収され、とある部屋の前に来ていた。
ついでにハニーも。

「……そういえば、まだお名前聞いてませんでしたね」
「あぁ、そうでしたっけ? 俺、篠崎チヒロっス」
「私は高町なのは!」

名前は知ってる。

「なのはって呼んでください!」
「なのはさんで」
「むっ……!」

……あんだよ。

「………………なのはって呼んでください」
「なのはさん」
「……なのは!」
「なのはさん」

半ば言い争いのようになる。

「ーーーーマイワイフ」

何か混ざってきた。
具体的には俺の背中から。

「禿げろ」
「マイワイフ」
「禿げろ」
「し、シュテルちゃん!? 起きてたの!?」

気付いてなかったの……?

「はい、少し前から」

だいぶ前の間違いだろ。

「で、何を言い争っているんですか?」
「お前まず降りろよ」
「うん……あのね、篠崎さんがね……」
「二人してスルーかよ」

息ぴったりだな。
ていうかなのはさんに『篠崎さん』とか言われると何か違和感があって気持ち悪い。

「……なるほど。結論を言いましょう。ナノハが悪いです」
「な、何で!?」

ほほぉ……たまにはいいこと言うじゃあねえか。
見直したぜ、マイハニー。

「私の旦那様を誘惑しないでください」
「見損なったわ。何だよそれ、意味わかんないんだけど」
「……おや? ナノハがダーリンを誘惑していたのでは?」
「にゃっ!? し、してないよぉ!」

……また……“にゃっ”……って。
口癖なのか……?

「とにかく! 私のことは“なのは”って呼んでください! 敬語もナシ!」
「じゃあパンツ見せてください」
「……………………えっ?」

ハニー……視界の端でスカート捲り上げるな。
やめろ。……なるほど赤か。

「嫌でしょ? だから嫌です」
「い、意味がわからないですよ!」

はぁ……わかんないのか?

「パンツ見られたいんですか?」
「い、嫌ですよ!」
「……え、何で?」
「何でって……!」

……ん?

「確かにパンツの下は隠すべきですけど……それを隠すパンツは別に見られてもいいんじゃないですか?」
「し、下って……!」
「違いますか? 俺、間違ってます?」
「間違ってますよ!」

ん~……。

「でもほら、“見せパン”なんてものもあるくらいですし……そもそも装甲レベルで言えば水着と変わらなくないですか?」
「あ、れ……? 言われてみると……」
「水着とパンツ、名称と材質以外変わらないのでは?」
「そ、そうかも……!」

なら、見せてくれてもいいんじゃ……?

「おっと、そこまでです。ナノハ……何度も言いますが、ダーリンを誘惑しないでください。ダーリンもパンツが見たいなら私のを見せますから」
「失せろハニー」
「きゃん♡」

いい所だったのに……!

「ハッ!? 私はいったい何を……!?」

ちっ。

「部屋に入ろうとしていたんですよ、ナノハ」
「そ、そうだっけ……?」
「そうですよ」

……次の機会を待つか。




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