鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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まさかまさかの迂回ルート突入(笑)
デコ助VS番長の試合が開会式当日だったのか別日だったのか記憶が曖昧だったため別日にすることにしました!
……いいよね?

《40話(本当は41話だけど)記念! チヒロの妹に関するインタビュー》

【篠崎チヒロからのタレコミ】
・中学二年生。両親と暮らしている。
・昔からお兄ちゃん子で、今でも会うと「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と後ろをついてくる。
・最近くまちゃんのプリントぱんつを買ってあげたら顔を真っ赤にしながら「あ……ありがと…………!」って言われた。
・常々将来を心配され、「お嫁さんは私が見つけてあげるから!」と言われている。
・可愛い。とにかく可愛い。兄の贔屓目なしで可愛い。



四十話

“亀裂”というものをご存じだろうか?

……まぁ、知らないわけないよな。

 

それ(・・)がある場所によっては名前が変わる。

 

地面なら『地割れ』、グラスなら『ひび割れ』、恋人間なら『破局』。

その他にも色々名称はある。

 

じゃあ、ここで問題。

 

「……何だよコレ?」

 

空中にある“亀裂”とは何でしょうか?

俺には分からない。

 

「……亀裂……だよな?」

 

インターミドル会場からの帰宅中、変なものを見つけた。それがこの宙に浮く“亀裂”だ。

どうしよう……間違いなく面倒事だよな。

何かの大事件に関わってるよぉ……これ。

 

「ここはスルー……というのが今までの俺。しかし俺は常に進化し続けているのだ」

 

というわけでなのはさんに連絡しよーっと♪

端末を出してコールを……。

 

「ん……?」

 

と、背中を何者かに引っ張られる。

振り向くがそこには誰もいない。

 

「何だ……あ」

 

わかった。

吸われてるんだ、あの亀裂に。

 

「あー……経験則でわかる。これ抵抗しても無駄なやつだ」

 

ため息を吐くのとほぼ同時に亀裂の吸引力が強くなった。

あ、もう駄目だ。

 

吸い込まれーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「ハッ!」

 

気が付くと知らない場所にいた。

住宅街みたいだが……どこだここ?

ミッドじゃないぞ。

 

「……ん?」

 

周りを見回しているとあるものが目に入る。

表札だ。

 

「……漢字?」

 

『山田』と書いてある。

ってことは……ここ日本か?

どういうことなの。

 

「ふむ……」

 

整理しようか。

散歩してたら変な亀裂を見つけて、吸い込まれて、知らない場所(たぶん日本のどこか)にいた。

駄目だ、ぜんぜん分からない。

 

「とりあえず……歩くか」

 

今は夜みたいだが……歩けば誰かしかには会えるだろ。

……会えるよね?

 

「…………さっぶ」

 

今って夏のはずだよな?

 

 

 

 

 

 

さて、あれから歩き回ってみたけれど誰にも会えていない。

それどころかいつも側にいるはずの金髪幼女までいなくなっていた。

 

「さすがに不安になってきた……」

 

思わず駆け足になる。

 

「寒いしここがどこだか分かんないし……最悪だ……!」

 

この際誰でも……例えハラオウンさんでもいい。ごめん嘘、それだけはない。

ハラオウンさん以外なら誰でもいいから助けーーーー

 

「わっ……!」

「あっ……!」

 

曲がり角を曲がろうとしたら何者かにぶつかってしまった。

俺はよろめいた程度だったが、相手は尻餅をついたようだ。

 

「ーーーーっと、悪い! 大丈、夫……か…………」

「…………」

 

ぶつかった相手は小学生くらいの女の子だ。

何で夜に小学生が、とは思ったが……それよりも気になったことがあった。

それはーーーー

 

 

 

「……なのは、さん?」

 

 

黒いバリアジャケットのようなものを着たロリロリなのはさんがそこにいた。

 

 




というわけで、GOD編突入。

第四十話本編(おまけ)
《40話(本当は41話だけど)記念! ファースト・コンタクト ※後輩ちゃん視点》

「貴女が……あの(・・)『後輩』さんですか……」

それは私が移動教室のときだった。
次は理科の授業で、上の階に実験室があるために階段へ向かい数段登ったところで声をかけられた。

「……誰ですか、あなたは?」

階段の最上段で腰に手を当てて立っている声の主に聞く。
スカートからはくまのプリントぱんつが覗いていた。ダサい。

「……初めまして、篠崎チヒロの妹です」
「……先輩の……妹?」

言われてみると確かに似ているかも。
顔もそうだけど、特に彼女の纏う雰囲気が。
女の私でもドキリとするような……何て言うんだろう、魔性の魅力というか……。

「ふぅん……」

先輩の妹を名乗る彼女は私を品定めするかのように全身をくまなくじっくりジロジロ穴が開きそうな程見る。
そしてこう言った。


「ーーーー駄目ね。あなたじゃあ、兄様(にいさま)には相応しくない」


「……あぁ……ッ!?」

何を言っているんだ、このオンナは?
私が?
先輩に?
相応しくない?
バカカコイツハ?

「ーーーー失せなさい。今すぐ階段を下りて」
「あなたにそんなこと言われる筋合いはないよねぇ……?」

それに移動教室なんだけどなぁ……なんて思いながらペンケースから愛用の包丁を取り出す。
先輩の妹だか何だか知らないけど、先輩と私の間を邪魔する奴は【自主規制】してやる。

「ふん、そんな玩具(包丁)で何をする気?」
「……馬鹿な女を【自主規制】するの」
「……やれやれ、馬鹿はどっちかな」
「お前だッ!」

【自主規制】してやるッ!

「……ハァ。優しい兄様のことだからきっとこの人が居なくなったら気にするんだろうなぁ……。だから……兄様に免じてもう一度だけ言うーーーー」

階段の最上段にいるゴミクズを【自主規制】するために、私は自分がいる段の一つ上の段へ足を掛けて、そしてーーーー


「ーーーー消えろ。三度目は無い」


ーーーー階段を二段降りていた。
……えっ?

「えっ!? なん……ッ!?」

訳がわからない。
嘲笑うかのような表情で私を見る先輩の妹を名乗る女。こいつが何かしたんだ!

「……どうしたの? 何をそんなに……怯えているの?」

頭のなかがぐちゃぐちゃする。目の前にいる相手(先輩の妹)への恐怖に心が支配され、呼吸が乱れる。息苦しい。

「うわぁぁぁあああああッ!!!」

頭がパンクしそうになりーーーー気が付けば私は逃げ出していた。


























「読者……きさまっ! 見ているなッ!」






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