鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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おまけが本編な気がしてしょうがない今日この頃。

今回のおまけは本編には関係ないのであしからず。



三十三話

「なぁ……ファ〇リーズ」

「ウェズリーです。先輩、“リ”がつけば何でもいいって思ってないですか?」

 

なんだか久し振りな気がするウェズリーとの登校。

引っ越してもこれは変わることがなかった。

 

「俺さ、ふと思ったんだ……」

「何をですか?」

 

まずは確認しよう。

 

「ちょっとほっぺた膨らませてみて」

「……は、はい?」

「ぷくーって。ほら、漫画とかで怒ったキャラがやるみたいに」

 

いいからさっさとやれ。

 

「ほーら! はーやーく!」

「い、いいですけど……?」

 

ウェズリーは困惑した表情を見せながらも、俺の言った通り頬を膨らませる。

……やはり…………これは……!

 

「おおぉぉっ!」

「な、なんですーーーー」

「ーーーーそのままだッ! そのままでいろッ!」

 

突然叫んだ俺にびくっとしたウェズリーは再び頬を膨らませた。

それを両手で包み、あまり力を入れないように注意して揉む。

 

「……ふぉぉぉ!」

「ん!? んーんー!」

 

ぷにぷにしている。

すっげーぷにぷにしている。

 

「はぅぁぁぁ……!」

「んーっ!」

 

ウェズリーが俺から勢いよく離れた。

あぁぁぁ……ぷにぷにが……。

 

「な、何するんですか!?」

「……シー〇リーズ。俺は思ったんだ」

「……話を切って悪いんですが、一応言っておきますね。ウェズリーです!」

 

本当にな。

良いところなんだから流せよ。

 

 

「ウェズリー……君は“膨れっ面”が一番可愛いッ……!」

 

 

「……はぁ?」

 

おい、何だその反応は。

せっかくジョ〇ョ立ちまでしたのに。

 

ーーーーど~んっ……!

 

効果音ありがとう、金髪幼女よ。

愛してるぜ。

 

ーーーーじゃあしんで~♪

 

二言目にはそれかよ、お前。

 

「……あの」

「何さ?」

「……意味が……分からないんですけど」

 

どうやら説明をする必要があるようだな。

……めんどくさ。

 

「この前、俺のアパート火事になったろ?」

「は、はい……」

 

あの時、運が悪ければ死んでいたかもしれない。

そして……いつまたそんな目に遭うかも分からない。

そんなことを考えいたら……

 

「お前の顔が浮かんだんだ」

「えっ!? わ、わたし……ですか!?」

 

名前は出てこなかったけど。

 

「そう……そして思ったんだ。『八重歯へし折りたい』と」

「先輩のばかぁ!」

 

そこでウェズリーの膨れっ面が思い浮かんだんだ。

俺は衝撃を感じたね。

 

「途端にお前に会いたくなった。唐突に愛おしく思えてきたんだ」

「い、いとっ……!?」

 

しばらくはウェズリーの膨れっ面が頭から離れなかった。

……今はジークが頭から離れないけど。

はぁ……ジークいじ……会いたいなぁ。

 

《それ……この娘には言わないであげてくださいね》

 

おや謎の声さん。

そろそろあなたが誰だか教えてくださいな。

 

《フフ……まだ秘密です♪》

 

このクソアマッ!

人が下手に出てれゃあ図に乗りやがってッ!

 

《性格激変し過ぎじゃないですか……?》

 

ったくよー。

大事なとこなんだから邪魔すんな。

 

「あー……気を取り直しまして……」

 

深呼吸。

 

「気付いてしまったんだ……この感情に」

「ど、どんな……感情ですか……?」

 

ウェズリーの顔ーーーーその頬が真っ赤になっている。

……何て可愛いんだ。

 

「きっと、これは恋だ。……大好きなんだ。愛してると言っても過言じゃない」

「ーーーーひぅっ!?」

 

だから……

 

 

 

 

「俺のものになってくれ……ほっぺたちゃん!」

「先輩のばかぁぁぁあああっ!」

 

ウェズリー(本体)はそこまでいらん。

 




久し振りにほのぼのとした日常書けて満足満足。


おまけ
《Q.この人だーれだ?》

よう。
あ? 何でいるのかって?
……別にいいだろ、そんなこと。

それよりさっきの何だよ。
……とぼけるなよ、アイツのことだ。
楽しそうに喋ってたよなぁ……誰だよアイツ。
え? ただの友達?

嘘吐いてんじゃねぇッ!
ただの友達が手を取って仲睦まじげにするか!?
するわけないだろっ!

もう怒った。
来いっ!

あ? どこに行くのかって?

決まってるだろ、うちに連れて帰るんだよ。
これ以上変な虫がついたら困るからな。

大丈夫だって。
ちゃんと面倒は見るからさ。

お前は誰にも渡さない。



渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない渡さない誰にも渡さないよーーーー




ーーーー俺のジーク。


A.篠崎チヒロ

ジーク:これ“あり”! 断然“あり”やっ!
チヒロ:ありなわけねえだろ。頭湧いてんのか。

後輩ちゃん:[壁]∧〈・〉)<センパイ……?

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