鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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そろそろ更新速度落とすかも。



三十話

「は、始めまして! ミウラ・リナルディです! 今日はよろしくお願いしますっ!」

 

リビングに入ると、いきなり大声で挨拶された。

 

「おいミウラ、緊張してるのは分かるが少し落ち着け」

「は、はいぃっ!」

 

……玩具か?

玩具ゲッツか?

 

「チヒロ?」

「何でもないっすよ?」

 

あっぶねぇ……。

挨拶して誤魔化そう。

 

「俺は篠崎チヒロだ。よろしくな」

「は、はいっ! よろしくお願いします、先生!」

 

……なんだと?

 

「今なんて?」

「えっと……先生って…………あの、ダメでしょうか……?」

「もう一回」

「え?」

「もう一回!」

「あ、はいっ! 先生!」

 

先生……。

いい響きだ。

 

「よぉし、ミウラちゃん! 俺に任せておけ!」

「は、はいっ!」

『先生』様が色々教えてやるぜ!

 

「まずは気付かれないように人を隷属させる方法をだな……」

「おいッ!」

 

ヴィータさんに止められた。

 

 

 

 

 

「お~い、アイス買ってきたぞ! そろそろ休憩にしないか?」

 

しばらくミウラちゃんに勉強を教えていると、ヴィータさんがそんなことを言ってきた。

買い物に行ってたのか。

小さいから気付かなかった。

 

「何食う?」

「バニラ。ミウラちゃんはチョコチップな」

「えっ? ボク、ストロベリーが」

「チョコチップな」

「は、はいぃ……!」

「チ、チヒロ……お前な…………」

 

なんですか?

 

「はぁ……いや、いい」

 

ヴィータさんからアイスを受け取って蓋をあける。

バニラうめー。

 

「で、どうだ? ミウラは?」

「あ、はい」

 

正直に言おう。

 

「コイツ馬鹿です」

「それは知ってる」

「はうぅっ!?」

 

まさかここまでとは……。

 

「で、でも凄いんですよ、ヴィータさん! 先生、教えるの上手ですっごく分かりやすいんです!」

「それも知ってる。フェイトから聞いた」

 

……………………………………は、ぁ…………?

 

「いやいやいやいや、落ち着け。忘れるんだ気にしちゃダメだ気にしちゃダメだ気にしちゃダメだ気にしちゃダメだ気にしちゃダメだ気にしちゃダメだ」

「せ、先生? どうしたんですかっ!?」

 

ミウラちゃんを後ろから抱き締める。

……というか、しがみつく。

 

「ふえぇっ!? せ、先生っ!?」

「……ふぅぅぅぅぅぅぅぅ……落ち着け……素数を数えるんだ……2……3……5……7……!」

「お、おい、チヒロ! どうしたんだよ!?」

 

シャットアウトしろ。

別のことを考えるんだ……!

 

「ミウラちゃんいい匂い……!」

「せ、せんせっ、何言って……っ!?」

「本当にどうしたお前!?」

 

ふぅ……落ち着いてきたぜ。

ミウラちゃんにはアロマ効果があったのか……ミウラテラピー効果抜群。

 

「……ふぅ、すみません。取り乱しました」

「お、おう。なら、そろそろミウラを放してやれ」

 

おお、そうだ。

 

「すまんなミウラちゃん、ありがとう」

「い……いえ……! こ、こんなことでよければいつでも……」

「言ったな?」

「……ふぇ?」

「言質は取ったぞ」

 

嫌なことあったらミウラちゃんを呼ぼう。

 

「よっしゃぁ! やる気出てきた! さぁ休憩は終わりだ!」

「そ、そんなぁっ!?」

 

1日みっちりやりゃあ成績も上がるはずさ!

このままノンストップだぜ!

 




ヴィータちゃんってフェイトそんのこと何て呼んでたっけ……?
テスタロッサであってたっけ……?

※テスタロッサからフェイトへ修正しました。



あとアンケートは今日の夜23時にて終了です。
投票よろしくお願いします!


おまけ
《チヒロと委員長について聞いてみた》

証言1:男子生徒
「え? あの二人? 付き合ってるんじゃないの?」

証言2:女子生徒
「幸せになって欲しいよね~! ……あ、委員長ね。篠崎くんは一回刺されちゃえばいいと思うよ」

証言3:教師
「サボり常習犯の篠崎を叱る委員長。……夫婦にしか見えんなぁ。結婚してしまえばいい。篠崎にも守るべきものが出来れば真面目になるだろう……たぶん」

証言4:後輩(♀)
「し、篠崎先輩は渡しませんっ! …………あ、あぅぅ、でも勝てるかなぁ……?」


結論:アインハルト・ストラトス
「『委員長』さんですか……なるほど、いいご友人をお持ちですね、チヒロさん」

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