鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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二十九話

ハリーとの初対面から数日が経った。

お隣さんと言うこともあって、親交は深まり今では……。

 

「ほら、朝メシできたぞ!」

「……うぃ~」

 

甲斐甲斐しく世話を焼かれるようになっていた。

ハリーは俺の部屋に来ては様々なことをやってくれる。

超便利。

 

「……箸持つのマジたるいぃ…………ハリー食わせて~」

「お前なぁ……」

 

この数日でこいつの性格は把握した。

 

「ったく……仕方ねえな。ほら口開けろ」

「あ~……」

 

ほらな。

何だかんだで面倒見がいいんだ。

 

『わたしのおかげだぞ』

 

……何で?

 

「あ、ハリー。野菜はいらない」

「はぁ? バカ言うな、ちゃんと食え!」

 

いーやー。

 

「あっ、コラ! 口閉じるな!」

『かのじょのいうとおり、ちゃんとたべるべきだ。おまえはほうっておけばすきなものばかりたべて……』

 

なんか母親が増えたみたいだ。

 

 

 

 

 

 

 

さて、今日は意外な人物から頼みごとをされている。

ヴィータさんだ。

何でも勉強を教えてやって欲しい子がいるとか。

 

「じゃあハリー、いってくるわ」

「おう。晩メシ何がいい?」

「肉」

 

洗い物をしているハリーに挨拶をして家を出る。

 

「よし行くか」

 

ヴィータさんを弄りに!

……じゃなくて勉強教えに。

 

「なぁ、ぐにゅ子は本当に行かないのか?」

『……あぁ。まだこころのせいりがついてなくてな』

 

ぐにゅ子はヴィータさんの知り合いらしい。

だが今回は心の整理がついていないだとかで留守番だ。

 

『いずれ、あいにいく。そのときは……おまえもきてくれ』

「……わかった」

『かんしゃする』

 

じゃあそろそろ行くか。

 

『あぁ。じこにはきをつけろよ』

「へいへい」

『……まったく』

 

 

 

 

 

教えられた住所にやって来た。

そこには中々に大きい一軒家があり、目の前には海が広がっている。

 

「いいとこ住んでんなぁ。さすが局員」

 

将来は局員の嫁さん貰おう。

 

「おぉ、チヒロ! 来たか!」

 

ぼーっと海を眺めながら将来のヒモ生活を考えていると、聞き覚えのある声が聞こえる。

 

「おやヴィータさん。こんにちは、今日は大変お日柄もよく……」

「なんでそんな畏まってんだよ。もっと砕けた感じていいって」

 

そうか。

 

「チョリ~っす☆ ロヴィータちゃんげんきぃ~?」

「潰すぞ」

 

なんで!?

砕けた感じでいいっていったじゃんか!?

 

「砕け過ぎだ」

「丁度いいって難しい……!」

「アホか、お前は。……まぁ、いいや。とにかく中入れよ」

「う~い……」

 

ヴィータさんについて行って家の中へ。

 

「にしてもデカイ家っすね」

「まぁな。あ、でも住んでるのはアタシだけじゃないからな」

 

そうなのか。

 

「あぁ。他に6人いるんだけど、今日はみんな管理局の仕事でアタシしかいないんだ」

「へぇ……。大家族なんすね」

 

最近うちも大所帯になってきたからな。

親近感を感じるぜ。

 

《その場合、貴方は手の掛かる末っ子ですね》

 

うるせー。

誰なんだよお前。

 

「さ、着いたぞ。ここがリビングだ」

 




スーパーナチュラルお嫁さん・ハリー。

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