鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
そして①が今、すごい勢いで追い上げてきていますね。
……
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あなたの1票がジークの運命を決める!
当り一面が燃えている。
炎は全てを飲み込むほど大きく、本能的な恐怖を覚える。
「チヒロさんっ! チヒロさん、どこですかっ!?」
探す。
けれど、探し人は見つからない。
「はぁッ……はぁッ…………くっ、いったいどこに……っ!?」
ふと、崩れ落ちた瓦礫の中から何かが飛び出ているのを見つける。
それは『人の手』だ。
「あ……あぁ…………ああぁぁぁぁ…………!」
見間違えるはずもない。
あれは。
「チヒロさんッ! ーーーーーーあ、れ……………………夢……?」
勢いよくシーツをはね除ける。
ただの夢だったようだ。
「よう、うなされてたけど大丈夫か?」
声が聞こえたので振り向けば、探し人の姿がそこにあった。
夢だとわかりつつも体のあちこちを触り、無事を確かめる。
「なんだよ、こそばゆい」
「……よかった」
探し人は眉にシワを寄せた。
「悪い夢でも見たのか?」
「悪い夢……そう、ですね……その通りです。……本当に、本当に……悪い夢…………」
「そか。夢でよかったな」
「………………はい!」
「じゃあ説明して貰おうか。なんでお前が俺のベッドで寝てるんだ、ストラトスちゃん?」
新居にて迎える始めての朝。
目覚めは最悪だ。
『開けてくださいチヒロさん!』
ストラトスちゃんを部屋から叩き出して朝食タイム。
もはやドアノブガチャガチャは定番だから気にしない。
「まったく……あいつのせいでまた変な夢見ちまったよ」
高町家にて見た火に囲まれる夢。
膝ついてるおっさんもいた。
「心なしかストラトスちゃんに似てたような……」
気のせいだな。
きっとストラトスちゃんのせいだ。
『あ、チヒロさん。 私、今日は用事あるのを忘れていました』
「そか。二度と来んな」
『いってきます。……夜には帰ってきますので』
「二度と来んな」
二度と来んな。
しばらく耳を澄ませる。
「……行った、か?」
……不安だな。
確認するか。
「悪い、あいつ消えたか見てきてくれ」
ーーーーはあい♪
金髪幼女は偉いなぁ……。
ぐにゅ子もぐーすか寝てないで見習えよ。
ちなみにぐにゅ子は生まれてきたあの実の片方をベッドの代用にして寝ている。
「……味噌汁流し込んでやるか」
ざばぁ。
『わぶっ!? なんだ!? てきしゅうか!?』
ザマァ。
そこに金髪幼女が帰ってきた。
ーーーーいなかったよぉ!
「そっか。偉いぞ。ご褒美は何が欲しい?」
ーーーーちゅーして~♪
「してやりたいのはヤマヤマなんだけどさ、お前幽霊だから触れないんだよ」
ーーーーしゅん……。
悪いな。
俺が死んで幽霊になったらいくらでもしてやるから。
ーーーーじゃあ、いましんで~♪
待て。
お前最初そんなキャラじゃなかったよな?
俺が死にそうだったの助けてくれたよな!?
《貴方がそうしたんでしょう》
「それは否めないけども!」
……ん?
またあの声だ。
……誰なんだよ、いったい。
『おい』
「ん? なんだよぐにゅ子」
『このみそしるはおまえがやったのか?』
………………てへ☆
最後にひとつ言っておく。
『ストラトスちゃんは加速』する。
《暇をもて余したクズどもの遊び~第五話~》
「ふぐっ……グスっ…………チヒロぉ…………!」
俺の葬式でジークが泣いている。
と言ってもヴィクターが開いた偽の葬式だがな。
笑いを抑えるのに苦労するぜ……!
「ごめん…………ウチが……ウチがあの時助けてればぁ…………!」
「ジーク……気にブフッwww …………失礼、気に病まないで。貴女のせいじゃないのよ」
「でもヴィクタぁぁぁぁ…………!」
ちなみに俺が今いるのは棺の中だ。
目を閉じて死んだ振りをしている。
他の参列客はみんなエキストラだ。俺の両親役までいる。
気付いても良さそうなのに……まったく気付いていない。
「ちなみに一酸化炭素中毒という設…………もとい、死因ですわ」
「…………そ、そうなんや……グスっ……!」
そう。
それこそが、俺(遺体)が綺麗なままでいる理由……というか設定なのだ。
なのだが……あえて言いたい。
出火隣の部屋だぞ。
んなミラクルあるわけねぇだろ。
to be continued……