鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
ちょっと用事がありまして……申し訳ありません!
アパート全焼から今日で三日目。
ついさっき両親と一緒に、新しく住むアパートの契約をしてきた。
そろそろ高町家での生活も終わりか……。
「あ、チヒロくん、おかえり~」
「ただいま帰りました」
なのはさんが出迎えてくれる。
「どうだった?」
「滞りなく契約できました」
「そっか!」
……この人綺麗だよな、普通に。
『…………ハァハァ…………なのはは綺麗だよ? …………ハァハァ…………』
アーアーキコエナイ。
「……チヒロくん」
「顔真っ青ですよ」
「……知ってる。お願いだからアレの前で変なこと言ったり考えたりしないで」
すみません。
ああ、そうだ。
「悪いんですけど、あと数日だけ泊めてもらえませんか?」
「ん? もちろんいいよ! チヒロくんなら大歓迎だよ」
家具とかも全焼したからな。
揃えないと。
制服は着ていたから燃えずに残った。それだけが救いだ。
「そう言えば制服以外の服ってどうしたの? うちに来た初日、お風呂上がりにはスウェットだったよね?」
「……ハラオウンさんが」
「…………………………………………ごめん」
サイズ教えてないのに。
そして時は流れ、高町家での生活は終わりを迎えた。
「今までありがとうございました」
「うん。困ったらまた来ていいんだからね?」
「そうですよ、先輩!」
なのはさんとヴィヴィオちゃんは本当に天使だなぁ……。
「……あ、そうだ。これ預かっててもらえませんか?」
「ん? ……合鍵?」
「はい。もしもの時の為に」
何があるか分からないからな。
俺が持つ普段使用のカギとは別に合鍵は二本ある。
一本は予備として、もう一本は高町家(ハラオウンさんは除く)に預けようと思った。
信用できるからな。
「……ねぇ、これ、ヴィヴィオに預けてもいいかな?」
「えっ!? なのはママ!?」
「もちろん構いませんよ。なのはさんに一任します」
なのはさんがヴィヴィオちゃんに合鍵を手渡す。
「はい、ヴィヴィオ。……フフッ、よかったね」
「な、なのはママぁっ!」
顔を真っ赤にしてあたふたするヴィヴィオちゃん。
そして、なのはさんの台詞は後半が小声でよく聞き取れなかった。
「あ、あの……先輩。本当にいいんですか……?」
「もちろん。ヴィヴィオちゃんなら信用できるからね」
「あ……えへへ……!」
だが注意事項は存在するぞ。
「ただ……絶対に、絶ッッッッッッ対にハラオウンさんには渡さないでくれ。絶対にだ」
「わ、わかりましたっ! 命に代えましてもっ!」
いやいや、ジークならいざ知らず天使が死んだら困る。
命に関わるなら合鍵なんて渡していいから。
でも本人はやる気だし……否定するのは可哀想か。
「おう。頼んだぞ、ヴィヴィオちゃん」
「はいっ! ……あの、時々遊びに行ってもいいですか?」
「大歓迎さ」
満面の笑みのヴィヴィオちゃん可愛い。
いつまでも見ていたいけど……名残惜しいがそろそろ行こう。
「じゃあ、そろそろ行きます。本当にありがとうございました」
「先輩、またね!」
「……それじゃあ最後に私も一仕事しようかな。レイジングハート!」
《Set up》
……今までスルーしてたけどやっぱそうはいかないよな。
しれっと俺の隣に立ち、ついてくる気満々なこの人を。
「あ、チヒロ、お話終わったの? ならそろそろ行こっか」
「……お願いします、なのはさん」
あなたしか頼れる人はいない。
「任せて! フェイトちゃんは私が抑えておくから!」
「ーーーーなのは!? いったい何を……くっ、バルディッシュッ!」
《Set up》
「……ありがとうございますッ!」
もう振り向かない。
あとは走り続けるだけだ。
合鍵を手に入れたのは
さて、ここでまさかのアンケート。
おまけのエンディングは……
①不憫なジークちゃんに幸せになって欲しい(衝撃の超激甘展開へと繋がるHAPPY? END)。
②クズどもを制裁してくりゃれ!(平凡なGOOD END)
③ダース・ベクター降誕(安定のゲスEND)
締め切りは今日から5日後(26日)とさせて頂きます。
活動報告欄『アンケート』にて「これだ!」という番号をご記入(?)ください。
感想への回答はお止めください。
また、①に関して同情票ならきっちりと同情票と書きましょう(笑)
あなたの選択が、今後の物語の展開とジークの運命を変える!
おまけ
《暇をもて余したクズどもの遊び~第四話~》
「礼服、キツいところはありませんか?」
「……大丈夫」
ヴィクターの言葉に、ジークは反応を示すものの顔を上げることはなかった。
「ご両親の意向で地球の日本というところにある様式でやるそうです。……ジーク、辛いなら」
「……行く。ウチも行くよ」
ジークは顔を上げて答えた。
ずっと泣いていたのか目は赤く腫れ上がっている。
「……助けられなかったこと、謝らんと」
「そう……ですか」
ヴィクターはジークとしばし見つめる。
「ならそろそろ行きましょうか」
「うん……」
「……はぁ。そんな顔じゃ、チヒロを送れないでしょうに」
「……ごめん」
「気持ちはわかりますわ。……顔を洗ってからいらっしゃいな」
先に行ってますわ、と言い残してヴィクターは部屋を出た。
部屋からはジークの啜り泣く声が聞こえ始める。
「……………………もうむりブッフォwwwww」