鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

22 / 96
みんなの期待に応えて。


ぶっ壊します。


あと今回のおまけですが、チヒロが黒い花をナハトヴァールだと認識しています。
ですが、あくまでifなので本編には関係ありません。



二十一話

「あ、チヒロくん! こっちこっち!」

 

俺は今、とあるファミレスに来ている。

さっき俺を呼んだ声の主はハラオウンさん

なんでも話があるとかで、なのはさんから会ってあげて欲しいと言われた。

ちなみにぐにゅ子は家で留守番だ。

金髪幼女(俺のスタンド)がそれを監視してくれている。

 

「お待たせして申し訳ありません」

「ううん。来てくれてありがとうね」

 

とりあえず何も頼まないのはあれなのでコーヒーを頼んだ。

話って何だろう。

確か執務官だったよな、この人?

……やましいことは何もないけど、なんかドキドキしてきた。

 

「いえいえ。それで話って?」

「うん……何て言うか……その、驚かないでほしいんだけど……」

 

最近驚かされてばかりだからな。

並大抵のことじゃ驚きませんよ。

 

 

「……家族に、なりたいんだ。君と」

 

 

超驚いた。

え? なに?

もしかしてプロポーズ?

 

「……えっと」

「あ……やっぱり驚くよね」

 

そりゃ驚きますよ。

 

「お待たせしました、ご注文のコーヒーです」

「あ、どうも」

 

頼んでいたコーヒーがきた。

一口飲んで気持ちを落ち着かせる。

 

「……どういうことですか?」

「チヒロくん、うちに来たときに一人暮らししてるって言ってたよね」

「あぁ、はい」

 

厳密に言えばストラトスちゃんだけどな。

 

「私もね、昔に母さんを亡くして……」

「……ん?」

 

何だ?

何か話が飛んだぞ。

 

「辛いよね……親を失うなんて」

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

まったく会話に追い付けない。

 

「あ、ごっ、ごめんね! そうだよね、ご両親の死なんて思い出したくないよね……」

「いやいやいや、死んでませんから! バリバリ生きてますから!」

「げ、現実を受け入れられなくて妄想を……。やっぱり、彼には心のケアが必要だ……!」

 

妄想じゃないから!

うちの両親超元気だから!

なんならもうじき弟か妹できるんじゃないかってくらいラブラブに生き生きしてるから!

 

「チヒロくん……ううん、チヒロ! あなたのご両親はもういないの……。辛いかもしれないけど、現実を受け入れて」

「あんたが現実を受け入れろ!」

 

何言ってるのこの人。

 

「私のことはフェイトママって呼んで」

「ねぇ聞いてる!?」

「本当のママだと思っていいからね」

「聞けや!」

 

ダメだこの人。

早く何とかしないと。

 

「チヒロ、ダメだよ? お店で騒いじゃいけないってママ教えたでしょ?」

「記憶を改竄している……!?」

 

落ち着け……コーヒーを飲んで落ち着くんだ。

教わった覚えなんてない。

いや、本当の母親には教わったけど。

 

「ハラオウンさん、あのーーーー」

「あ、口元にコーヒー着いてるよ。拭いてあげるね。……ふふっ、もう……ママがいないと何にもできないんだから」

 

やばい。

冷や汗止まらない。

この人なんかヤバイヨ。

 

「あ、アノ……」

「ん? なぁに?」

 

その時、電子音が鳴り響く。

どうやらハラオウンさんの着信音のようだ。

 

「あ、ごめんね。ちょっと待ってね」

 

ハラオウンさんが通信に出る。

 

「はい。……え? 今から、ですか?」

 

こちらをチラッと見てきた。

何だ?

 

「でも……はい。はい。…………わかりました」

 

通信終了。

ハラオウンさんは何故か落ち込んでいた。

ばつの悪そうな顔でこちらに向き直る。

 

「……ごめんね、ちょっとお仕事が入っちゃって」

「……そ、ソウデスカ」

「うん。今から行かなくちゃいけないんだ」

 

よっしゃぁぁああああっ!

ゴングに救われたぜ!

ハラオウンさんが伝票を持って立ち上がる。

 

「お金はママが払っておくから。本当にごめんね!」

「い、いえいえ。お仕事頑張ってクダサイ」

「ありがとう!」

 

本当にごめんね、と何度も言いながらハラオウンさんは店から出ていった。

……助かったぁ。

一時的だけど。

 

「はぁ……あとでなのはさんに相談しよう」

 

確か親友とか言ってたよなぁ……。

このこと聞いたら泣くんじゃないか、あの人。

 




おまけ
《劇場版最新作(嘘)予告》



ーーーーもう糸はないの。私を縛り付けていた。


「ストラトスちゃんから逃げ切るために、黒い花(ナハトヴァール)を使って世界中に自分のダミーを作ろうとしました。けど……それが裏目に出た」
「まさか……闇の書のカケラ!?」


ーーーー私を悩ませていた、私を困らせていた。


「もう終わりですよ、なのはさん……。この先に道はありません」
「どんなことだっていつかは終わるよ……ううん、終わらせなきゃ。私たちが!」


ーーーー昔は縛られていた。けど、今は自由。






「もう僕を……いや、僕たち(・・)を縛る常識()はないんだよ、なのは」



『なのはぁ……もう逃げられないよ……いや、もう逃がさない…………!』
『ハァハァ…………なのはたんペロペロ……ペロペロしたい……!』
『なのはぁ…………はぁぁ……なのはぁっ……!』
『なのはたんhshs……ハァハァっ……!』
『…………なのはマジ天使…………なのは可愛いよなのはぁっ…………ハァハァ……!』
『大丈夫…………僕が守ってあげるからね………………ハァハァ…………え、永遠に…………!』
『なんで逃げるんだい…………僕だよ……君の夫のユーノだよ……ハァハァ……ハァ……ハァ…………!』


「ひぃっ!? ち、チヒロくんのせいだよ!?」
「……てへっ☆」



劇場版最新作
魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE
AGE(エイジ) OF(オブ) YUNO(ユーノ)

『愛』とは何かーーーー愛を知る、全人類に問う。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。