鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
「うぉっ!」
「おぉぅ……倒れているロリを発見……」
恐らく中学生だろう。制服に見覚えがある。
よく見ると傷だらけだ。最近噂の通り魔の仕業か?
まあ、何にせよ、
「無視するのみ。さぁ帰ってネトゲしよ……」
ーーーーガシッ。
「……なんだよ」
足を捕まれた。
しかもかなり強く。
「おい離せ! 俺はお前みたいな面倒ごとには関わりたくないんだ! 今回はご縁がなかったということで……」
「……ぅ………………」
「……なんだよ無意識かよ」
ロリっ娘は意識がないにも関わらず俺の足を掴んだようだ。
まったく離す気配がない。
「はぁ……わかったよ。手当てしてやるから離せ」
「…………ぅ、ぁ……」
ロリっ娘が足を離す。
こいつ起きてんじゃないだろうな。
「とりあえず包帯とか買って来っから待ってろよ」
ーーーー思えばこの時、そのまま帰ってしまえばよかったのだ。
「うし、大体オッケーだな」
一通りの手当てをしてやり一息吐く。
まさか自分に看護系の才能があるとは……!
「……ぅ……くる……し…………」
「あーはいはいどうせ自己満足な手当てですよ。注文の多いガキンチョだぜ」
包帯を緩めてやると苦しそうな顔をしていたロリっ娘は安らかな表情になる。
その表情を見た俺は一仕事終えたような気分になった。
「……ん? これなんぞ」
ふと、首の後ろで何かが点滅しているのを見つけた。
ロリっ娘の上半身を支えるように抱き起こしてそれを見る。
これは……
「……発信、機?」
ーーーーヤバい。凄くヤバい。
明らかに面倒事だ。
思わずロリっ娘を投げ捨てる。
ゴンッ、と凄い音が聞こえたが気にしない。
「……うっ……ん?」
ゲッ。
起きた。
「あな……た、は……?」
左右で色が違う瞳が俺の顔を捉えている。
ばっちりと目が合った。
一瞬のはずなのに、それは永遠にも感じられた。
「…………ぅ……」
それだけ言うとロリっ娘は再び意識を失った。
綺麗な眼だったなーーーー
「ーーーーとか言ってる場合じゃねぇ! 顔見られた!」
いや、朦朧としてたし覚えていないかもしれない。
「くそぅ、やっぱり関わるべきじゃなかったんだ……」
今さら後悔したって遅い。
出来ることがあるとすれば、このガキンチョが俺を覚えてないことを祈るだけだ。
「いや、待てよ……。今この場で二、三発殴っとけば……」
拳を固めてガキンチョを見るーーーーと、首もとで点滅する物が目にはいる。
「忘れてた……発信機!」
ガキンチョを見つけてから大分経っている。
もしこいつが追われてるなら……
「クッ……! 今日はこの辺で勘弁しやる! 覚えとけよーーーーいや、忘れろよガキンチョ!」
倒れているガキンチョを指差し一目散に逃げ出す。
もう二度と会わないことを切に願ってるぞ、ガキンチョ……!