鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
「え、えっと……チヒロくんはどこに住んでるの?」
俺となのはさんの間に流れる微妙な空気を察したのか、ハラオウンさんが話題を変えてきた。
「あ、俺は……」
「ここからそう遠くないアパートに一人暮らしをしています」
……おい。
「あ、アインハルト……さん?」
「なんでしょうかヴィヴィオさん」
「い、いえ……」
高町ちゃんの反応は間違っていないぞ。
「……な、名前の感じからもしかして地球出身?」
「いーーーー」
「いえ。お父様が地球出身の方らしく、チヒロさん自身はミッドで生まれています。ただ何度か旅行としては行っているようです」
教えた覚えはない。
しかもこれ俺への質問だよな?
「あ、ははは……」
微妙な空気再び。
そして、空気の読める高町ちゃんが話題変えるべく質問を投げ掛けてきた。
「じ、じゃあ私から質問です!」
「お、おう! なんだ?」
「あ、アインハルトさんとの関係は……?」
「わ、私も気になります!」
高町ちゃんの質問に八重歯が同調する。
こいつとの関係って……
「加害者と被害者だな」
「えっ? サーヴァントとマスターの関係では……」
「お前サーヴァントほど高尚なヤツじゃないだろ。おこがましい」
「あ、あはは……」
なのはさん……苦笑いしないでください。
「恋人とかじゃなかったんだ……」
「よかったね、リオ!」
「こ、コロナぁ!」
あれ? そう言えば……。
ストラトスちゃんに小声で話し掛ける。
「……なんで俺が今日ここに来るって知らなかったんだ?」
「……チヒロさんは誤解しています。私はチヒロさんの全てを把握しているわけではないんですよ?」
そりゃそうか。
「ーーーーまだ」
「おい今『まだ』って言ったか? 言ったよな?」
『ハァハァ…………僕は……なのはの行動を全部把握しているよ……? ……ハァハァ……』
「ひぃ!?」
「……お前がああならない限りはまだ受け入れてやるよ」
「はい?」
アレよかマシだ。
なのはさんが不憫でならない。
「じゃ、じゃあリオとの関係は!?」
「こ、コロナ!?」
「八重歯だけの関係」
「先輩のばかぁぁぁあああッ!」
事実だろうに。
「あ、じゃあなのはとは? どこで知り合ったの?」
今度はハラオウンさんが質問してきた。
「この前、チヒロくんとその友達が管理局の施設の見学に来てね。そこで知り合ったんだ」
「そうそう。で、親友になったんですよ」
「親友じゃなくてソウルメイトね」
「なのはさんッ!」
「チヒロくんッ!」
ガシッと握手する。
もはや言葉などいらない。
「いったい何があったんでしょうか」
『ハァ……ハァ…………謎の友情に燃えるなのは…………ぅうっ…………可愛いよぉっ…………ハァハァ…………!』
お前らのせいだよ。
「あ、お茶のおかわりいりますか?」
「ん? あぁ、ありがとう高町ちゃん」
「ヴィヴィオでいいですよぉ」
空になったカップを持って台所へと向かうヴィヴィオちゃん。
可愛い。
「お持ちか……」
「ダメ」
なぜだ。
「あぁ、ヴィヴィオさん! チヒロさんのは私が……!」
「あ、ヴィヴィオ! チヒロくんのは私が……」
ストラトスちゃんは座ってろ。動くな、二度と。
そしてなぜハラオウンさんまで……?
「むっ……ヴィヴィオ! 先輩のはわたしがやる!」
「あ、リオ待って!」
ついでにナントカちゃんとティミルちゃんもヴィヴィオちゃんの方へ行ってしまった。
「結局、被害者の会はできませんでしたね」
「まぁ、仕方ないよ。また今度やろうよ」
「ですね」
これはこれで楽しいし。
ーーーー圧倒的に女子率の高いお茶会は夜まで続いた。
『ハァ…………ハァ…………なのはぁ…………ハァハァ…………可愛いよなのは…………ハァハァ…………!』
「目を合わせちゃダメだよ」
「わかってます」
おまけ
《もしもチヒロが原作vividを見たとしたら》
「…………えっと」
「こっちではあんまり登場してませんもんね、私……」
「ティミルちゃんごめん……」