鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください…… 作:ふーあいあむ
※タグに「クズ多発注意」を追加しました。
『つまり、繋がりというものは永く続くのです……時代や世代を越えて。特に魂の繋がりというものはそれが顕著で……』
「……ふぅん」
朝から電波なTVを見ている。
「繋がりか……」
植木鉢に水をやる。
芽はすでに10㎝ほどまでに成長していた。
成長早くない?
しかもなんか黒っぽいし。
「……繋がりねぇ」
しかし、植物のことよりもTVで言っていた『繋がり』という言葉が俺の頭のなかで延々と渦を巻いていた。
管理局見学から数日後。
今日はなのはさんに誘われ、彼女の家へ遊びに行くことになっている。
簡単に言うと第一回被害者の会だ。
「……ここか」
教えられた住所につく。
……なかなか良いところに住んでるなぁ。
「いや、エース・オブ・エースにしては質素な方なのか?」
もっとこう……魔王城的なのを想像してた。
まぁいいか。
インターフォンを押す。
『はーい!』
しばらくして扉の向こうから声が聞こえた。
なのはさんだ。
「あ、どうも。チヒロです」
『チヒロくん、いらっしゃい! 待ってたよ!』
扉が開く。
「こんにちは」
「こんにちは! さ、入って入って!」
お邪魔します、と言ってなかに入る。
綺麗な内装だ。
「娘の友達が来てるんだけど……多分部屋に行くと思うから。リビングでお茶しよう?」
「お任せします。ていうか娘さんいたんですね」
「まぁ色々あってね。あ、別に結婚とかはしてないよ?」
まじか。
それってなおアレじゃね?
……まぁ、人にはそれぞれ事情があるよな。
「……ん? 何か誤解してない?」
「……色々あったんですよね。人には言えない色々が」
「待って、そんなしみじみと言わないで! 完全に誤解してるから!」
「わかるよぉ……!」
「何が!?」
その時、複数の賑やかな声が向かう先から聞こえてきた。
おそらくなのはさんの言っていた娘さんのご友人たちだろう。
「さ、ここだよ」
「ほほぅ……確かに誰かいますね」
「うん。親友とさっき言った私の娘、あとその友達3人…………と、庭にプラス1名。窓から見えるよ、多分」
「……………………………………………………あぁ」
今きっと苦虫噛み潰したような顔してるんだろうなぁ、俺。
……そう言えば今日はまだ一度もストラトスちゃんを見てないな。
「……入ろうか?」
「……ですね。早く被害者の会やりましょう。ね?」
「うん……!」
なのはさんがドアノブへと手を掛ける。
そしてリビングへの扉が開かれた。
そこにはよく見知った顔が……え?
「なっ!? す、ストラトスちゃん!?」
「……チヒロさん?」
「せ、先輩っ!?」
「……あれ? 知り合いだった?」
おまけ
《もしもチヒロが原作vividを見たとしたら》
「あっちのお前はクールでカッコいいのに……なんでこっちのはこんななんだよ……ストラトスちゃん」
「えっ? 私、格好良い……ですか?」
「あっちのお前な。こっちのお前はカッコよさの欠片もないぞ」