鮮烈なのは構わないけど、俺を巻き込まないでください……   作:ふーあいあむ

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気付いた人もいるかもですが、昨日11時頃に誤爆しました。
1分にも満たない時間ですが。


十一話

「でね、ここが……」

 

エース・オブ・エースの案内の元、施設内を巡る。

俺とヴィクターは彼女に気付かれないように話していた。

 

「なぁ、あれって本当に……」

「え、えぇ。高町なのは一等空尉その人ですわ」

 

ヴィクターもこの事を聞かされていなかったらしくかなり驚いていた。

 

「マジか。あれが世にも名高き管理局の……」

「エース・オブ・エース……」

「白い悪魔か」

「は、はい!? 何ですのそれは!?」

 

知らないのか。

 

「ただなぁ……」

「……ん? どうしたんですの?」

 

何だかこの人……。

と、じっと見ている俺に気付いたのか高町一等空尉が振り向いた。

 

「ん? 何かな……えっと、チヒロくんだっけ?」

「あ、いや……」

 

瞬間、背後から視線を感じた。

振り向くがそこには誰もいない。

 

「……今、何か……」

「……ねぇ、君、今の」

「あの、高町一等空尉? こちらの部屋はいったい何をするところなんですの?」

「……あ、うん。ここはねーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、それじゃあ最後は訓練の様子を見学してもらおうかな」

「エース・オブ・エース教導の訓練ですか……」

「楽しみやね!」

 

ジークはいつの間にか復活した。

そしてあの後も例の視線はついてきていた。

今も感じる。

 

「う~ん……」

「どうしたんや、チヒロ? 途中からなんか様子が変やで」

「ジークは途中からまともに戻りましたわね」

 

最初はストラトスちゃんかと思ったのだがいつもの時間(俺の下校時間)が過ぎたあたりで、あの植木鉢に芽が出ていたとメールが来ていた。

写真付きで。植木鉢は俺の部屋のなかにあるはずなのに。

どうやって入ったんだ、あいつ……っ!

 

「よう、なのは。そいつらが例の客か?」

「あ、ヴィータちゃん」

 

なんかロリがやって来た。

高町一等空尉と同じ服を来ているところを見ると局員なんだろう。

 

「紹介するね。こちら私と同じ教導隊のヴィータちゃん」

「よろしくな」

 

ふむ……。

年下なのか……それとも年上なのか。

それによっては方法も変わる。

 

「一応言っておくがあたしは『大人』だからな!」

 

年上か。見えないけど。

ならば……。

 

「なるほど……確かに『大人』なオーラに溢れてますね」

「……ん? お前……なかなか見る目があるな」

 

食いついた。

 

「こう……頼りがいのある『大人のお姉さん』とでもいいますか……」

「……お前、名前は?」

「篠崎チヒロです」

 

ヴィータさんが超笑顔で近寄ってくる。

 

「なぁ、チヒロ。お前腹減ってねぇか? アイス好きか?」

「……まぁ、好きか嫌いかで言えば愛してますね」

「そ、そうか。待ってろよ、買ってきてやるから!」

「あ、お構い無く~……って行っちゃった」

 

ヴィータさんが走っていったのをしっかりと確認する。

 

「ヴィクターヴィクター。あのちまいのチョロいわ」

「みたいですわね。グッジョブ」

「あ、あはは……ゆ、ユニークな子たちだね……」

「すいませんすいません! 本当にすいません!」

 

なんでそんなに謝ってんだジーク。

わけワカメ。

 

「さ、さあ! じゃあ気を取り直して訓練始めよっか! よ~し……気合い入れちゃうよ!」

 

ーーーーかくして、ワンサイドゲームが始まった。

 

 




ついに不法侵入。

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