短いです。
今回もぐだ夫視点です。
人理修復の戦いを続ける狭間、時折現れるイレギュラーな特異点がある。
モノによってひずみの大きさはまちまちで重要度も違う。
だけどひずみがあるなら正さなければならない。
ある日小さなひずみのイレギュラーな特異点に俺は
6人のサーヴァントを伴って行った。
反逆の闘士、スパルタクス
雷光の怪物、アステリオス
近代最高のスパイ、マタ・ハリ
神童、アマデウス
大英雄、アーラシュ
オルレアンの救世主、佐々木小次郎
の6人だ。
目的はこの地に現れた聖杯のようなものを手にする事。
その目的を果たすべくひずみの中心地に向かって歩みを進めた。
道中、ワイバーンの群れやデーモンといった強力な敵たちに
消耗しながらもひずみに向かって行進を続ける。
「ここが拙者達の目的地のようだな。この巨人が門番というわけか」
小次郎は眼前の巨大な敵、魔獣バイコーンを前にそう呟いた。
その台詞を合図に闘いの火ぶたが切って落とされた。
彼ら6人にとってあまり相性の良くない相手だ。
アマデウスとマタ・ハリの妨害も効果は薄く。
小次郎の剣技もアーラシュの浴びせる矢もその肉体を貫くには足りない。
スパルタクスとアステリオスの強靭な膂力による一撃は少しずつ
相手の身を削っているように見えたがこのパーティーに長期戦は厳しい物がある。
勝つためにはアステリオスのあれを使うしかない。
念話でスパルタクスに語りかける。
スパルタクスは既にその考えに至っていたらしい。
「アステリオスの宝具開放に時間を稼がなければ。
――壁が必要だな」
一同がそれに同意する。
「まず私ね」「次は僕だな」「その次が拙者か」「次が私だ」「最後が俺だな。とっておきの1発をお見舞いしてやる」
もはや言葉は不要だ。
打ち合わせはせずとも各々やるべきことは分かっている。
マタ・ハリとアマデウスが出来うる限りの妨害で時間稼ぎをし、小次郎とスパルタクスも肉体を盾にアステリオスを守る。
「
アーラシュの大地を割る一矢が炸裂するも未だ敵は健在だ。
次々に散っていく仲間たち。
「ぼくひとりになっちゃった」
そう呟くアステリオスの脳内に言葉が飛び込んでくる。
「案ずるなアステリオス、この私がついている。共に圧制者に愛を」
「俺も付いてるぜ」「拙者もついているぞ」「おっと、僕を忘れないでくれよ」「私も付いてるわよ」
カルデアに召喚されたサーヴァントの霊基の大本はカルデアに保存されている。
それ故にレイシフト先での消滅は完全な消滅を意味するのではなく
時間がたてばカルデアで再召喚が可能となる。
彼らはカルデアからロマンの助けでアステリオスの脳内に直接激励を送っているのだ。
「スパさん…こじろうさん…ステラさん…へんたいかめん…ママ」
「お前いい加減俺の名前覚えろや」「概ね合っておる」
といったツッコミを背に勝負にでる。
彼らが盾になって稼いだ時間でアステリオスは宝具の開放が可能になった。
さらに俺は礼装の力でありったけの強化をその身に与える。
「さあ、行くぞ。アステリオスお前の迷宮を見せてやれ」
「いく…ぞ」
その一言と共に展開された万古不易の迷宮がバイコーンを覆った。
本編と全然関係のない幕間です。
『Fate/Grand Order』でわずか6人しか実装されていない
最低レアリティの星1ですが、この6人だけであらゆる難易度のクエストに
挑戦しているプレイ動画を見て書いてみました。
なんかこの6人絆強そうじゃないですか?
あとアステリオスが可愛い。
ちなみにバイコーンにしたのはバイコーンが星1パーティーの天敵、
槍属性のエネミーだからです。
この幕間の物語、あと一編やるかどうか迷い中です。