英国文化、風俗についてです。
興味なければ読み飛ばしてください。
設定―英国の風物について
いつもお読みくださっている皆様、ありがとうございます。
感想へのレスでちょいちょい書いていますが、大学院まで英文学専攻だった私は、翻訳ものミステリを愛読していた時期があり、これは翻訳ものを意識して書いています。
海外ものっぽさを出すため、あまり一般的でない風俗や、横文字を使っていますが、
これは「それっぽさ」を出すための苦肉の策です。
・ロンドンの警察
・首都警察 = metropolitan police service = ロンドン警視庁 = スコットランドヤードです。
作中で首都警察と表記されている組織は日本だとロンドン警視庁と訳されることが多いですが、響きがカッコいいので首都警察と表記することにしました。
また、作中に登場した「Holmes」は首都警察が使用している犯罪データベースの名前です。
・シティ警察= City of London Police = ロンドン市警察
首都警察がグレーター・オブ・ロンドンほぼ全域を管轄とするのに対し、こちらは金融街であるシティを管轄とする組織。
シティは自治権が強く、かつてはその周りに壁が張り巡らされ、国王すら市長の許可がないと立ち入りが出来ませんでした。
その名残がこのシティのみを管轄とする警察組織です。
ちなみに現在でも、シティの周囲に壁があったころの名残の儀式として
"Royal entry"というものがあります。
これは、市長が壁にかかった鍵を開けるパントマイムをして女王陛下を招き入れるという儀式です。
・アイルランド人並にアホウ
イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北部アイルランドの4つのカントリーで成り立っており、お互いがお互いを嘲笑しあうという不思議な文化があります。
代表例として
アイルランド人=アホウ
スコットランド人=ケチでセコい
ウェールズ人=羊を溺愛
コックニー(イーストエンド生まれの生粋のロンドンっ子)=口の減らない上に安ピカで自慢屋。ロンドン以外はイングランドだと思ってない。
ジョーディ(ニューキャッスル人)=オヤジギャグと痛飲と喧嘩が趣味。
というのがあります。
・下ネタ
自分で書いててどんどん下ネタが増えている自覚があるのですが、これは確信犯です。
イギリスには婉曲表現した下ネタを言う伝統があり、たとえばシェイクスピアは下ネタの宝庫です。
『ロミオとジュリエット』のマキューシオは出てくると下ネタばっかり言ってます。
『ハムレット』のセリフ、「尼寺に行け」は「売春婦にでもなってしまえ」という意味。
また、同じくハムレットのセリフ「お前は魚屋だろう?」の「魚屋」は売春を仲介する人のことです。
また、どうもアメリカ人からみた英国人は皮肉と下ネタばっかり言ってる奴というイメージがあるらしく、アメリカのテレビドラマ『ボーンズ』のイギリス編エピソードに出てきた英国人の文化人類学者は皮肉と下ネタばかり言ってました。
すいません。それだけです。
・イギリス料理
「味があるか無いかの2種類しかない」と書きましたが、これは個人的感想です。
以前、オックスフォード大学の食堂で食事をする機会を頂いたことがあるのですが、
茹でただけの野菜が出てきました。
その傍らにはテーブルソルトとコショウ。
自分で味付けて食えということでしょうか。
また、3年ほど前にパブでスープを頼んだら、味がついてませんでした。
仕方ないのでテーブルソルトをかけて食いました。
言うまでもないですが、不味かったです。
・横文字について
・ブラックティー
black tea = 紅茶です。
red teaではないんですね。
・フラット
flat = アパート
学校で習ったであろう"apartment"はアメリカ英語です。
・リカーストア
liquor store = 酒屋
本当はイギリス英語だと酒屋は"off license"なのですが、
オフライセンスと表記するのは微妙だし、酒屋と書くと雰囲気でないのでリカーストアと書いてしまいました。
・主人公のルックス
本作は終始、オリ主のアンドリューの視点で進むため、主人公のルックスについて言及がありません。
脳内設定を書いておきます。
身長5フィート9インチ(およそ175cm)ぐらい。
見た目は細いが鍛えている。
安物のタイトなブラックスーツにボタンダウンのシャツでノーネクタイ。
首から聖クリストファーのメダルをかけている。
栗色の髪と瞳。
以上です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回更新は週末までお待ちください。