東方紅魔記   作:ぐれにゃん

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レミリアと紫〜その後1

紫『お元気そうね?』

レミ『八雲・・紫・・・。』

 

紫『どうしたのかしら?そんな不機嫌そうな顔して?』

レミ『・・私は、貴方には感謝をしているわ。咲夜のこと・・フランのこと・・。』

 

紫『だったらなぜそんな敵意を向けているのかしら?』

レミ『・・私は、貴女がフランの覚醒を早める為に裏で行った行為。あれをまだ許せないでいる。』

 

紫『・・あのまま様子を見て覚醒するのを呑気に待つほど私も暇じゃないのよ?』

レミ『分かっているわ。分かってる。貴女は幻想郷の管理者。』

 

レミ『・・・それでも!貴女のアレは私のフランの心に消えない傷をつけた!』

レミ『他の方法もあっただろうと今でも思う』

紫『・・確かにあるにはあったわ。でも、怒り、憎しみ、憎悪の感情を持たすことが一番の近道だったのよ。』

紫『貴女達を利用したことについては謝るわ。』

 

レミ『・・・』

紫『それでも、私は後悔はしていない。間違いとも思わない。』

 

レミ『・・・ッ!?』

紫『・・結果だけ見ればどうかしら?全てがうまくいっている。私にとっても・・貴女にとっても・・』

 

レミ『それは霊夢達のおかげでもあり、ただの結果論よ!?』

紫『私にはそれが全てよ。過程よりも結果。幻想郷も保つ。その為の小さな犠牲は仕方ないこと』

 

レミ『・・ッ!?小さいですって?・・・』

紫『そうよ。フラン一人の命で幻想郷全体が助かる。ならどちらを取るかは明白。』

 

レミ『・・私は、貴女とは逆!大事な妹一人助けられない世界なんていらないわ!』

レミ『その為の紅霧異変!あれが成功していれば、フランも傷つかずに・・』

紫『・・・貴女の視野の狭さにはガッカリだわ。・・仮にあれを放置していたら、今頃幻想郷で太陽はなくなり、草木は枯れ、バランスは崩壊し、幻想郷はなに者も住めなくなっていたわ。・・勿論、貴女達も』

 

レミ『・・・』

紫『わかったら今度からはもっと考えて行動することね。』

紫『私はソレが幻想郷の為になるのなら、どんな協力も惜しまないわ』

紫『だからこその日焼け止めと十六夜咲夜の体の提供。それを忘れないでね?』

 

レミ『・・・』

紫『貴女達が幻想郷の為にならないようなことをするなら、その提供はやめる。十六夜咲夜は死ぬし、妹ももう明るい時間に外には出れない』

紫『それでもいいなら、これから好きになさい』

 

レミ『・・貴女へ感謝なんてするんじゃなかったわ』

紫『あら?頼んでないし。私はそんなことどうでもいいわ』

紫『私は貴女の枷となる武器が2つもある。優しい貴女はあらがえない。』

 

レミ『私達は貴女の犬・・ということかしら』

紫『そうねぇ?悪い言い方だけど、そういうことになるかしら?』

 

レミ『・・・』

紫『恨んでくれて結構。私は貴女達がくだらないことをしないならそれでいいのよ』

 

レミ『・・・解ったわ』

紫『あら?聞き分けがいいのね?そういう子、私は好きよ?』

 

レミ『勘違いしないで。貴女が幻想郷の為に動く。私は皆の為に動く。そこは変わらないわ』

紫『・・・』

 

レミ『貴女が幻想郷の邪魔者を排除するように。私は、私の家族達に危害を加える事には全力で阻止する』

レミ『・・例え、相手が八雲紫・・貴女でも』

紫『・・フフフ。恐いわね。』

 

レミ『・・・』

紫『ではお互い、大事なモノを傷つけないように注意しましょう?』

 

レミ『・・勿論、私もそのつもり。貴女の言うとおり現状は悪くない。』

レミ『・・・だけど私は、貴女を頼らなくても良い状況をいつか必ず作り出す。・・・その時は・・』

紫『・・・いいわよ。やってみなさい?ただし、その過程で幻想郷に仇なした時は・・』

 

レミ『・・・』

 

トントン。ガチャ。

 

咲『失礼します、お嬢さ・・ッ!?』

紫『お邪魔してるわ?』

 

咲『いつの間に!お嬢様申し訳ございませんでした!直ちに追い払います!』

紫『大丈夫よ?もう用は終わったし帰るから』

 

レミ『・・・・』

紫『またね?・・・』

咲『あ・まて・・ッ!?』

 

レミ『・・咲夜?大丈夫よ?ありがとう。』

咲『・・お嬢様、八雲紫は何用で・・・?』

 

レミ『・・・私が呼んだのよ?日頃の礼を言う為に』

咲『・・・私の体のせいで迷惑を?・・・。』

 

レミ『馬鹿ね。そんなわけないじゃない。本当に、今までのお礼を言い。これからも宜しくて話しただけよ?』

咲『・・・申し訳ございません。』

 

レミ『なんで泣いてんのよ?私は今、幸せなのよ?』

レミ『小悪魔が居て、美鈴が居て、パチェが居て、フランが居て、そして・・貴女がいる。』

レミ『この現状を作ってくれた博霊の者達に感謝して当然でしょ?・・貴女、私を信じれないの?』

 

咲『すびばせん・・私は、私は!お嬢様の枷だけにはなりたくないんです!』

レミ『・・・・私は貴女を枷だと思ったことは一度もないわ。頼りにしてるわ咲夜。』

 

咲『ありがどうございばす!』

レミ『・・さて、じゃあ早速頼るわ。咲夜?』

 

咲『はい!』

レミ『幻想郷で一番美味しい紅茶をいれてちょうだい』

 

咲『がじごばりばしだ!』

レミ『・・・・・』

 

パチン。

・・・・。

・・・。

・・ごくっ。

・・・・。

・・・・。

 

レミ『・・・・・しょっぱい・・・・けど、今までで一番美味しい紅茶だわ?咲夜。』


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