回想
博麗神社
『霊夢、これを見て?』
『なによ、紫』
紫はスキマを開け、中を霊夢に見せた。そこには自らを傷つけ、その血で髪が真っ赤になっている少女がいた
『うわ!なにこの子!?全身血塗れじゃない!?』
『まあ、見てて』
そういうと紫は、スキマの中の少女に対し、鉄の固まり、刃物、毒液、爆弾、ありとあらゆる物を、少女目がけてスキマから送りこんだ。
『ちょっ!危ないわよ!あの子、死・』
ッ・・!?
少女が空間で、その手を握ると、紫が送った全ての物が瞬時に破壊された。液状の物でさえも・・・
『・・そう、この子はこの世のありとあらゆるものを破壊する力をもっている。わたしのスキマさえも・・・・貴女・・・勝てる?』
・・・・
『・・・無理ね。これは人間がどうこう出来る代物じゃないわ・・・。』
『・・今、幻想卿ではこういう異質な強さを持った妖怪達が増えてきている。・・そう、バランスを保つ為の博麗の巫女である貴女が勝てない相手の・・これがどういうことか分かる?』
『・・・幻想卿のバランス崩壊・・強いては幻想卿の崩壊。』
『正解。でも、管理者として私はこの愛する幻想卿を崩壊させるわけにはいかないわ。なんらかの対策が必要』
『・・・縛り・・ルールね・・』
『そうよ。・・・貴女がこの幻想卿のバランスを保つ為のルール。それを貴女に決めて欲しいの』
・・・・
・・・・
『それなら、だいぶ前に考えているわ。』
『え?』
『前に一回、馬鹿みたいに強い妖怪と戦って、貴女に相談しようとしてたのよ。』
『そうなの?貴女もこのバランスの崩壊には少しは気付いていたのね』
・・・・
『・・スペルカードルール。』
『スペルカードルール?それはどういうものかしら?』
『一定以上の力を持つものに対し、その力をカードに封印。通常の力に差はそんなに付かない感じまでさげる。』
『それじゃあ、下剋上だらけになるわ。今のパワーバランスが崩れないように、尚且つ、それを下げるのが必要なのよ?』
『そこで、そのカード。スペルカード。封印した力を弾幕として使える。勿論、強い力を強い弾幕として。だけど、威力は抑えられてるから死ぬことはないわ。当たったら気絶する程度。あくまでも肉弾戦タイプの妖怪にはスペルカードの威力を下げるかわりに通常での強さを上げる。幻想卿のバランス崩壊しない程度まで。』
『うーん。弾幕にした理由は?どの道、気絶ならなんでもよくない?』
『そこは私の都合よ。弾幕なら相手がどんな強力な力で作ったスペルカードでも躱せる自信がある。治安維持なんだからそれくらいの特権よこしなさいよ』
『・・・わかったわ。貴女がいうくらいだから、余程そのルールがついたら自信があるのね』
『神相手でも勝つわ。どんな強力な力でも弾幕。その弾幕を私は躱せる。負ける要素がないわ。それに・・・誰も死ななくてすむ』
・・・・・
『・・・最後の言葉は聞かなかったことにするわ。』
・・・・・
『じゃあ早速、それを幻想卿の皆に伝えるわね』
回想終わり
「というわけで、幻想郷で戦いを行う場合、今からこの様になります。有力者様のご理解に期待しておりますわ。特殊能力についても各自能力により制限がつきます。・・・・以上です。追伸・・力が一定以下の者の元にはカードはいきませんので、あしからず。」
レミリア、パチュリー、咲夜、美鈴、そしてフランの元にカードが現われた。
・・・・・・・
・・・・・
・・・・・小悪魔の前には・・・なにもなかった・・・。