私は、図書館でパチェと二人、八雲紫についての情報を探すため、毎日書物を読み漁っていた。・・・咲夜を生き返らせる。ただ、その一心で。
『レミィ!?』
パチェが私を呼んだ。私は慌ててパチェに近寄った・・・思えば、その名前を呼ばれたのは何日ぶりだろうか?二人で、探してはいたが、二人共ただ無言で、ひたすら探していたのだ。・・その情報の為に。私は、少し喜びながらその書物に目をやった。
八雲紫
種族、境界を操る妖怪
年齢不明
棲息地不明
その他全て不明
彼女は、この世界の管理者であり、創始者の一人である。この世界の秩序を守る為に存在する。この世界のどこにでもいるし、どこにもいない。
ありとあらゆる境界を操ることが出来る能力があると言われている。そんなことが出来る彼女だからこそ、この世界の管理ができるのだろうか?
・・・・・・・??
(・・・・・・・・・え?これだけ?こんな曖昧な記述だけ?今まで何日もかけた成果が?)
パチェは申し訳なさそうに、次の書物から記述を捜し出した
(・・・八雲紫・・・本当に存在するの?)
そんな中、地下牢では、ある変化が起ころうとしていた。
『あーあ、退屈だなあー。』
フランは、咲夜が生き返るまで、というレミリアとの約束を守り、毎日を退屈していた。
・・・・ん?
フランが、扉を見ると、そこには、目、のようなものがあった
『なんだ?これ?』
フランは、その、目、を手に取ろうと、軽く握った
ドォォォォン!
その瞬間、目の前の扉が、粉々に破壊された
??????
フランはわけもわからず、首を傾げていた。そこに、その音に気付いて、慌ててレミリアとパチュリーが来た
『フラン!!大丈夫!?』
レミリアはフランの両肩に手を置いて、フランに聞いた。
『うん!お姉様、だいじょうぶだよー?・・なんかね、目があってね、取ったらドォォォォンて?』
レミリアは理解出来ずに、とりあえずフランに怪我がないか確認していた。
それとは対称的にパチュリーは、妃の言葉を思い出していた。・・力に目覚めたのかも?・・・パチュリーは妃が言ってたことをレミリアに伝えた。
ッ・・・!?
(仮に、これがフランの能力だとしたら・・・加減も知らない。なにも知らないこの子がこの能力を多様したら・・・・)
レミリアはフランにいった。
『フラン?さっき言ってた、目?だっけ?今は見えるの?』
『んーん。みえないよー。』
まだ完全には使いこなせてないようだ。レミリアはフランにお願いをした
『フラン?その、目、てのが見えても、もう触らないで?危ないわ?』
『うん、わかったよー?ねぇ?お姉様?咲夜、もう生き返る?もうすぐ出れる?』
無邪気な笑顔でフランが聞いてきた。あれから、かなりの期間、フランを幽閉している、失望させたくない。
『ええ、勿論。もう少しよ?だから大人しくしとくのよ?』
レミリアはフランの頭を撫でて、隣の牢へいくよう促した。フランも、素直に従った。そしてパチュリーに、より、強力な魔法での施錠をするように指示をし、図書館へいった。
強力な施錠・・・自分の力だけでの施錠には限界があったパチュリーは牢の周りに、札を貼り、本格的な封印魔法をかけた。そして、その後、自分も図書館に向かった。
図書館に入ると、レミリアが明らかに苛々しながら書物を読み漁っていた。焦りが彼女を苦しめていた。
『そうよ!予知よ!予知を使えばいいじゃない!』
レミリアは、そういって自室に戻っていった。
レミリアは毎日、毎時、毎秒、予知を見ていた。
だが、その全ては
自身の死、フランの死、パチュリーの死、メイリンの死、いずれかに繋がるどれかだけだった。何度見ても、咲夜の復活の未来はなかった
………………
それでも、諦めずに見た………咲夜の為に一番いい道筋を見つける為に・・
吐き気がするような、酷い未来、狂いそうになるような、地獄絵図。
毎日、毎日、違う形の地獄を見ていた
・・・・・・
レミリアは、今が現実なのか予知なのか、わからなくなっていた。
『アアアアアァァァ!!』
時折、奇声を発するようにもなっていた
・・・・
『あ、ああああ、さく、あ?・・・」
『さ、うや?・・あああああああああああああ!!!!!」
・・・・・・・・・。
レミリアは・・・完全に狂いだしていた・・・。
運命を見だした時点で、この運命は決まっていたのかも、知れない・・・
パチュリーは、狂い始める前から分かっていた。何度も、やめさせようとした。でも、レミリアは、咲夜の為に、と、予知をやめなかった。諦めた彼女は、レミリアより早く解決させることを見つけることで、レミリアも救おうとしていた。
そんな中、一冊の本が見つかった。
これには咲夜の遺体を必要とした。失敗は許されない。でも、早くレミリアを止めないと・・・・その一心で彼女はある実験を、始めてしまう
狂いだした紅魔館・・・最早、泥沼だった。
・・・・・・
その頃、武者修業と外部情報収集をしていた美鈴は。
赤白の巫女と出会っていた