美鈴がレミリアに気付く
『レミリア様!?・・と、いうことは・・。』
レミリアを見て、勝利を確信する美鈴
『くぅ〜〜〜ぅ・・・・やったあああぁぁ!!』
大喜びする美鈴
『流石お姉様!!』
フランも喜び、美鈴とハイタッチしている
・・!?
美鈴が、後ろのパチュリーにも気付いた
『え?・・・』
美鈴の表情が変わった
フランもそれを見てパチュリーに気付く
『それ?咲夜?』
フランがパチュリーに尋ねた
『・・・えぇ、そうよ・・』
パチュリーは下をみたまま答えた
『え?なんですか?それ?勝ったんですよね?なんで咲夜さん凍ってるんですか?』
美鈴は気付いてないように聞いてきた。・・いや、恐らく、気付いているけど、信じたくない気持ちが強く、聞いてきたのだろう・・・その証拠に涙目になっていた
『・・咲夜は・・・死んだわ』
パチュリーは声を震わせながら言った
『嘘だあああぁ!!あの咲夜さんが!?そんなわけないじゃないすか!!・・レミリア様!?嘘ですよね?私を騙して笑おうとしてるんですよね!?レミリア様!?皆、大丈夫ていったじゃないですか!?』
祈るように美鈴が号泣しながらレミリアに聞く
『ねぇ?レミリア様!レミリア様!?』
・・・・・
美鈴は、立ち上がることも出来ない体を腕の力だけで這いずり咲夜に近寄っていく、そして咲夜の死顔を確認した
『うわああああぁぁぁ!・・なんで!?なんで?なんでなんですかー!!?』
力のない手でパチュリーの足を殴りながら号泣している
『美鈴・・』
フランが美鈴を心配する。・・フランは、嫌いではないが、さほど咲夜に対して好感を持っていない。美鈴が悲しんでる、それが辛い。という感じだった。
『ちくしょう!ちくしょう!私が!私がいれば!!私が弱いから!?ここで休んでおくんじゃなかったんだ!!』
美鈴は自分を責めだした
『ふざけないで!!』
今まで、静観していたレミリアが怒鳴った。
『あなたがいても結果は同じだったわ!慢らないで!?』
(そう、美鈴のせいじゃない。私のせい・・・私が、気を抜いて予知をやめていた。慢っていたのは私・・私なのよ。・・・だから私が)
『ごめんなさい、美鈴。でも、美鈴のせいじゃないのよ?全ては私なの・・咲夜は私を助ける為に・・だから今度は私が咲夜を助ける番なの』
『え?助ける?』
『そうよ。』
レミリアは八雲紫の話を美鈴にした
・・・・・・
『・・分かりました。まだ咲夜さんは戻る可能性があるんですね?また話せるんですね?』
美鈴が涙目を拭いながらレミリアに尋ねた。
『そうよ、絶対に話せるわ。私が・・今度こそ・・・最高の運命に導くわ!』
美鈴は泣くのをやめ、強く頷いた
『それでなんだけど』
パチュリーが切り出す
『現状、内がボロボロ。足場を固めず、塔を作れば倒れるわ、八雲紫探しの前に館のことを決めておきたいんだけど、レミィ?いいかしら?』
『えぇ、もうある程度は考えてるわ』
『流石ね。それじゃ、一つずつ、出すから一問一答形式でお願いね、私も早く八雲紫探しをしたいから』
『分かったわ』
『まずは、兵やメイドの妖怪や人間はどうするの?』
『・・皆、クビよ。自由にさせてあげなさい』
『え?』
『代わりに妖精メイドを雇うわ、いつ裏切るかわからないのに力あるものは危険。もしかしたら屋敷内に、小悪魔ぐらいしかいなくなるときが来るかもしれない。そうなった時に兵が反旗翻したら小悪魔では無理よ。妖精メイドなら力もないから問題ないわ』
『レミィ?でも、そうなると外部からの守りが弱いわ』
『頼れる門番がそこにいるでしょ?』
パチュリーに治癒されてる美鈴のほうに目をやる
『わ、わたしですか?』
美鈴がびっくりして聞いてきたので答えた
『そうよ。貴方なら気を読んで、早くに敵の接近に気付く、しかも門番に貴方のように強いのがいたら、中はどんなんだ?てなるでしょ?それにあなたが門番なら侵入者なんて0よ』
『身に余る光栄なんですが・・・』
『どうしたの?不服?』
『いや、そうではなく、、勝手ながら少し休暇をいただけないでしょうか?』
ッ・・・!?
美鈴の言葉にレミリアは驚きと怒りを覚えた
咲夜を助ける為の大事なこの時期に休暇願い
『貴方・・なにいってるかわかってるの?』
微かに殺気立っていたのを美鈴は気付きながらも説明をした
『今回の戦いで、自分は全く役に立てませんでした!こんな非力な自分を、評価していただくのは嬉しいです!だけど、このままじゃ、自分を許せないんです!更に鍛え上げ、私も皆を守れるようになりたいんです!』
・・・・・・
パチュリーが口を開いた
『いいんじゃないかしら?』
『レミィ?八雲紫の件、図書館だけじゃ限界があるわ、美鈴には修行も兼ねて、外での情報収集をしてもらっては?』
・・・レミリアは少し考え
『そうね・・わかったわ、では、美鈴は今すぐに外での情報収集と自己強化に務めて!』
『ありがとうございます!それでは今すぐ!』
『美鈴いっちゃうの?』
駆け出す美鈴にフランが不満そうに問い掛けた
『大丈夫ですよ、フラン様?すぐに戻りますし、超パワーアップしてきますから!』
フランは笑顔になる。と、同時にパチュリーが呼び止めた
『待って!』
慌てて立ち止まる美鈴
『レミィ?主になったからには威厳というものが必要になるわ、だから、美鈴、あなたはレミィをお嬢様、フラン様を妹様と呼びなさい。主の名前を呼ぶというのはそれだけで恐れ多いものよ?勿論、私もそうするわ』
『私は、いいですけど、フランさ、じゃなくて妹様、いいですか?』
フランは少しふてくさりながら
『お姉様の為だからね。嫌だけどいいよ!』
『ありがとうございます!』
『パチェ、待って!』
今度はレミリアが言った
『パチェ、貴方は、そのままにしなさい。貴方は私の右腕であり参謀、あなたにも威厳は必要でしょ?』
・・・・
少し考え、パチュリーは頷いた
『では!いってきます!お嬢様!妹様!パチュリー様!』
美鈴は走って館を後にした。
『・・レミィ、次で最後だけどフラン様の寝室は、貴方の部屋の隣でいいかしら?』
『そうね…ッ……』
(意志してなくてもくる予知て、大体重要なのよね、今回はなにかしら?)
フラン!?
これは、あの時の!
フランに部屋を与えるなってことなの!?
フランに自由を与えたら、必ず、結果は同じ、フランの死・・・この予知をフランに伝えたとしても同じ・・・
部屋を与えず、地下牢・・・これしかないの?・・・・・・・ 。
・・・
『パチェ、・・フランには地下牢にいてもらうわ』
驚きながらもパチュリーは冷静に
『・・・未来見たのね・』
『えぇ、そうよ、どうしても、それしか方法がないのよ』
『ええー!!なんでー?お姉様ー!?また一人になるのー?』
フランが文句を言っている
レミリアはフランに近づき頭を撫でながら
『ごめんなさい、咲夜が生き返るまでの間だけ、その間だけ我慢してちょうだい?』
『ぶーー!わかったよ!咲夜、生き返るまでだからね!』
『いい子ね、フラン』
ぶつぶついいながら、地下牢へ向かうフラン
・・・・
『パチェ、あのこの牢に、封印魔法で鍵をしといて』
『そこまでするの?』
流石にパチュリーも不満そうだった
『お願い』
レミリアの目から涙が落ちたのを見て、本心じゃないのをパチュリーは感じ取り、フランが入った後に、内側からは開かない魔法をかけに牢へいった
『なにが運命を操るよ・・運命に振り回されてるだけじゃない・・・こんな力・・・』
妹すら自由にさせれない自分の無力さにレミリアは涙した。
微笑んで死んでたはずの咲夜が悲しんでるように見えた
次回は少し遅くなります