東方紅魔記   作:ぐれにゃん

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外伝です。


十六夜・咲夜

私の家系は、代々ヴァンパイアハンターを生業にしている

 

十六夜家といえば、村の誰もが知っている。今は父と7つ歳上の姉と私の三人で暮らしていた。

 

姉は15歳になってから、父の仕事を手伝い始め、一緒に吸血鬼を狩っていた。父、曰く、姉は100年に一人の逸材らしい

 

そんな姉を誇りに思い、毎日、見よう見真似で狩りの練習し、一人で家事をし、留守番していた…

 

それから3年の月日が流れたある日。

 

 

……………父が死んだ…。

 

傷だらけの姉が死んだ父を背負い帰ってきた、私は父の死について聞いた

 

スカーレット家………それが私の父を殺した吸血鬼一族の名前だった

 

父の墓を作った後、私と姉は、父の使ってたナイフを手に取り、父の仇を討つと誓った。

 

 

私がまだ11歳の時だった父の葬式が終わった・・・・

 

私は姉と二人、すぐに父の仇のいる紅魔館へ向かった。紅魔館は前回の父の活躍で兵が不足していた。兵をやりすごし、楽に玉座にまでついた。そこに父の仇、紅魔館の主、スカーレット伯爵がいた。手に、なにかを持ち、それを見つめていた。

 

ッ・・・!?

 

私達に気付いた。気付いた時に、持っていたものを落とした。写真だった。そこには、若い頃の父、そして主の二人が肩を組んで笑顔で写っていた・・・。姉は写真に気付いてなかった

 

『お前は、十六夜の娘か・・そうか・・・仇討ちだな?・・そこのは・・・妹か?』

 

主は姉とは面識がある。姉のことは、すぐに分かった。しかし私については知らなかった

 

『・・私の一番弟子よ!今からあなたを倒し、この子に倒し方を教える所よ!』

 

事前に話していた。なにかあったときの為に、妹ということは伏せると。

 

『十六夜の娘・・私を倒せると本気で思っているのか?』

 

『じゃないと、こないわよ!』

 

ッ・・・・・・

 

主と姉の戦いが始まった。・・というよりは、姉が一方的に攻めていた。しかし、主はその全てを躱していた。主は哀しそうな顔をしていた。・・・私は怖くて一歩も動けなかった・・

 

その時、姉が写真に気付き、動きが止まった

 

『な・・に?これ?・・・』

 

・・・・・・

 

主が近寄ってきた。そして、姉のナイフを手に取り、自らを刺した

 

ッ・・・・!?

 

しかし、傷は直ぐに修復された。主は泣いていた。

 

『こんなものでは、私を殺せないのだ、十六夜の娘・・・』

 

姉は動けないようだった。主が、写真をとり、語りだした

 

『信じなくてもよい十六夜の娘・・・私は、昔、十六夜という男と友であった。』

 

『誰が仇のいうことを!?』

 

姉が、ナイフで刺す。・・・何度も。しかし、その都度、回復されていた。主は刺されながら話を続ける

 

『私は吸血鬼、十六夜はヴァンパイアハンター・・友など有り得ぬ話だ。誰も信じなくて当然。だが、これは私にとっては真実だったのだ。・・私が、気まぐれで、ある人間が妖怪に襲われてる所を助けたことが、きっかけだった』

 

姉は、まだ刺し続けていた

 

『そこに十六夜が現れた。どうやら助けたのはあいつの彼女、そう、お前達の母親だったのだ。しかし、十六夜はヴァンパイアハンター、私を狩らないわけにはいかない。当時の私は弱く、あっさりやられたよ。でも、殺されなかった・・それどころか、治療をされた。』

 

・・・・・姉の手が止まっていた

 

『そして、なぜかそのまま、共に暮らすようになった。・・幸せだったよ。・・・だが、先代スカーレット伯爵が私を探しにこちらに軍を送ってきた。私は迷惑をかけまいと、出ていくことにした。』

 

・・・姉が泣いていた

 

『しかし、戻れば、もうこのようなことは出来ない、私は吸血鬼でもあり、次期スカーレット伯爵だったのだ。その時に、十六夜と約束をした。・・・また戦うことになればお互い本気だと。』

 

『だが、、私は、その約束を破った。・・・殺されるつもりだった。・・しかし、時間は私を強くし、十六夜を弱くしていた。かつては雲の上の強さだった男が、次第にライバルになり、最後には、赤子のように感じるようになり。私は・・・虚しさを覚えた・・・・そして・・・せめて、約束だけでも守ろうと、本気を出した・・・・そして・・・十六夜を・・・・。私は・・・あいつの娘まで、殺したくない』

 

・・・・・

 

・・・・・

 

『じゃあ!私はどうすればいいのよ!?仇も討てない!殺されもしない!』

 

姉が号泣していた。・・・私も泣いていた・・・・・・・主も泣いていた・・・

 

・・・・・・・・・

 

 

『・・私の正室になってはもらえぬか?』

 

ッ・・・!?

 

『なにをいってるの!?なるわけないでしょ!!』

 

なにを言いだすかと思えば、まさかの求婚だった。そんなもの、姉が受けるはずはなかった。主は父の仇なのだ。しかも吸血鬼。万が一にも可能性はない。しかし、主は

 

『・・・私は、おまえに惚れたのだ。十六夜の為にも幸せにしてやると約束する。間違っても嘘などではない!』

 

『・・・お断わりよ!』

 

そこには吸血鬼と吸血鬼狩人でもなく、仇と仇討ちでもなく、男と女のやりとりが繰り返されていた。頼みこむ男。渋る女。そんな感じだ。私は、その光景を、ただ見ていた。その時

 

ガバッ

 

何者かが私を捕まえた

 

『主様!今のうちです!』

くっ・・・・

 

不覚にも、忍び寄る兵に気付かず、捕まってしまったのだ。続々と、集まる兵達

 

『おのれ!卑怯な!』

 

主に対して、怒りを露にする姉。すると主が小声でいった

 

『これは、私の指示ではない!・・しかし、伯爵ともなると、威厳が必要。このままでは、二人共に殺さなければ、示しがつかず、スカーレット家が内部崩壊しかねん!だが、私は、おまえを殺したくない!信じてくれ!』

 

『じゃあ、どうすれば・・・』

 

少し詰まり、主が

 

『・・・・おまえが妻になるのならば、ここで婚姻を結び、その様を兵に見せれば、弟子のほうも助けることがだろう』

 

『ッ・・・!くっ・・・・・・本当にこれはあなたの策ではないのよね?』

 

『高貴な吸血鬼が、このような姑息なことするわけがなかろう、断じて違う!』

 

『〜〜〜あー!もう!わかったわよ!その代わり、弟子は必ず助けなさいよ!?』

 

主は、小さく頭を下げて

 

『こんな形ですまん。・・・・・・・兵達よ!よく聞け!私はこれより、この女を我が正室に迎える!』

 

そういい、姉の首筋を噛み、血を吸った。そして

 

『そこにいるのは、我、妻の従者ぞ!?離れぬか!』

 

私は自由になったが、姉はこれで主の眷属であり、妻である下位吸血鬼になった・・吸血鬼狩人の血筋のおかげか、効果は薄く、2割吸血鬼8割人間といった感じだった。そして又、私も眷属になり、名前を奪われ従者として生活することになった

 

そして、すぐにレミリア様が生まれ。私はレミリア様の教育係になった。姉の子・・・目に入れても痛くないとは正にこのことだと思った。主のいうとうり、私達は幸せだった。

 

そんな時、主が他への威厳の為に純血の妃と娘がいるといい、とある吸血鬼がスカーレット妃となり、暫らくしてフラン様が生まれた。この辺りから、主は変わってきた。

 

 

そして、私は姉妹の幽閉の話を聞いた。勿論、そのことを姉に聞いてみた

 

『姉さん!なぜですか!?』

 

姉は、慌てて、口を塞ぎ、赤い瓶を渡してきて

 

『まずは、これを飲みなさい』

 

早く返事が欲しかった私は、それをすぐに飲み干した。すると姉が

 

『まず、姉さんというのをやめなさい。これは内緒のはず・・・』

 

と、こちらを睨んできた。が、私はそんなことよりもレミリア様のことが心配でならなかった。

 

そんな私に感付いたのか、姉は口を開いた

 

『あの人は、もう昔のあの人じゃないわ。・・・私がなにをいっても駄目だった。でも、最後まで私は反対するわ。だから、あなたも協力してちょうだい』

 

当たり前である。そのつもりで進言したのだから。私は、強く頷いた。すると姉が

 

『念のため、これをあなたに託すわ』

 

そういい懐中時計を取り出して、渡してきた。

 

 

私は、ここで時を止める能力を敬称した。・・・が。

 

 

暫らくして

 

姉の死を知った。

 

姉は分かっていたのかもしれない。だから、自分に託したのかも。・・・・私のやることは決まった。

 

真相を突き止め、仇を討つ。唯一の忘れ子、レミリアお嬢様を救う。その2つに命を賭けると決め、一人、内密に捜査をした。

 

・・・・そして、(十六夜咲夜)この運命の名前を名前を耳にするときがやってくる

 

 

 

 


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