東方紅魔記   作:ぐれにゃん

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一応最終話です

詐欺じゃないよw


代償

『グガガガガ!馬鹿な?………この私が出来損ないどもに!?』

 

グングニルにより、治癒能力を失った主は、みるみるうちに日光に溶けていく

『……さようなら…お父様……そして、偉大な吸血鬼』

 

吸血鬼単体では恐らく過去、いや、これからも、最強であっただろう主の体は完全に灰になった

 

……………

 

(いくつか、腑に落ちないことがある………憶測だけど、恐らく父は、わざと妃の策に乗った。勿論、失うのが怖いという畏れもあったと思う。…だけど、それ以上に、あの戦う様子は…………やろうと思えば、私はもとより、咲夜、パチュリーもすぐに殺せたはず。…戦い自体を愉しんでいた?)

 

(戦うことでしか自分を魅いだせない。……大戦後、周りには戦う相手がいなくなり、自分の存在意義を見失った。……生きているという実感を求めていた。そこに、不老不死の話……昔の父なら、如何に妃の進言とはいえ容易には乗らないはず。)

 

(それにわざと乗り、戦う相手、理由を作った?…だとしたら?全てを失ってまで、戦いを求めた?…自分の妻を殺してまで……。………哀れね。)

 

………………

 

(まあ、今となっては真相なんかわからないし、どうでもいいわ…)

 

(にしても、日光は特に弱点みたいね、グングニルの効果もあるだろうけど、こんなに早く完全に灰になってるなんて………純血吸血鬼の絶大な弱点………フランも?………フランも日光にあたると、こうなってしまうのか?…………)

 

ッ……!

 

(そうだ!咲夜!?)

 

『咲夜!』

 

咲夜の元に駆け寄るレミリア

 

そこには、目を閉じたまま、横たわる咲夜がいた

 

『咲夜!?咲夜?咲夜ぁ!?寝たふりはやめなさい?』

 

返事がない咲夜に何度も問い掛けた

 

心臓の音を聞いた…………完全に止まっていた………

 

(え……なんで?)

 

…………涙が吹き出した

 

パチュリーが涙目で近寄って来た

 

『…恐らく、能力を酷使した代償ね。妃との戦いで使用し、既に限界は越えていた。なのに最後、レミィを早く確実に救う為に、かなりの長時間、時間を止めたみたい』

 

………!?

 

(私は………また…咲夜を…………?)

 

…私は溢れる涙を止め……

 

『咲夜…………命令違反よ………』

 

(命令違反?……分かっていた…咲夜には絶対的な忠誠心がある。それ故に、私に対してなにかあった場合は、なによりそれを優先する。………命令違反?自分の命?なによりも…………なのに私は最後にまた咲夜を頼ってしまった・・・)

 

私は咲夜の遺体を抱えた。

 

(恐らくあの傷の癒えも咲夜のおかげだろう。でも………)

 

『咲夜?……あなたは私の命令に逆らったわ?これは罰よ?………まずは、あなたをメイド長の任から解くわ。…そして』

 

私は、咲夜を噛んだ

 

咲夜の血を吸った

 

小食な私は、吸い切れず、川に落ちて血など付いてなかった服を咲夜の血が血塗れにした

 

………また涙が出てきた

 

『レミィ!?』

 

制止しようとするパチュリーを振りほどいた

 

泣きながら、ひたすら吸い続けた。

 

・・・・

 

・・・・

 

・・・・・・

 

そして吸うのをやめた。

 

『……咲夜…これからあなたは、私の中で生きるのよ?……それが罰…』

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

『……不服なら、なにかいいなさい…咲夜?』

 

……………

 

…………

 

『咲夜………うわああ!!』

 

私は号泣した

 

(咲夜…ごめんなさい。私が、予知をやめなければ、最後まで予知をしていれば………私があなたを頼らなければ・・・全て私のせいなの………罰?それは私に必要なものよ。…ねえ?咲夜?罰には何がいいかしら?………答えてよ!咲夜!!!)

 

・・・・・・・・

 

(…………お嬢様…ありがとうございます……そして………申し訳ございませんでした…………)

 

ッ……!?

 

咲夜の声が聞こえた気がした、、

 

ふと、咲夜に目をやった

 

…………相変わらず、微動だにしない……死後硬直が始まったのか、体も固くなってきている……でも…

 

咲夜の表情が、とても穏やかに笑っているように見えた

 

…………咲夜

 

 

カキーン!

 

突如、咲夜の体が氷に包まれた。

 

!!?

 

パチュリーの仕業だとは、すぐわかった

 

『パチェ!?』

 

………

 

『レミィ、…1人だけ………咲夜を生き返らせることが出来るかも知れない人物がいるわ…』

 

ッ……!?

 

『え!?…咲夜が……生き返る?』

 

『えぇ、あくまでも可能性だけど…』

 

『なんでもいいわ!それにそこに1%でも可能性があるなら0の今よりマシよ!!誰なの!?そいつは!?』

 

パチュリーの胸ぐらを掴み、怒鳴る様に聞くレミリア

 

パチュリーが口を開く

 

『………八雲…紫…』

 

ッ…!

 

(聞いたことはあるわ、…確か、この世界の絶対的管理者。……でも、存在は未だ確認されてなく、いるかどうかも謎。……おとぎ話とは思っていたけど)

 

『八雲紫………。パチェ?それは存在するの?そもそも、この世界の管理者ていうおとぎ話信じるの?』

 

助かると聞いて喜べば、仮想、空想のような話、レミリアは少し苛立っていた

 

『私も、完全には信じてないわ。でも、図書館の本に色々と情報は載ってたわ。………この世界の管理者、八雲紫。彼女が実在するのなら、咲夜を生き返らせることも出来るはず』

 

……………

…………

 

(パチェのいうとおり、このままじゃ咲夜は死んだままだし、仮に世界を管理するという八雲紫が存在するなら、人ひとりの命くらい、なんとかなりそう………)

 

『・・・そうね。咲夜に為ならなりふり構ってられないわ!・・・・・・で、まずはどうしたらいいかしら?』

 

『まずは存在の確認が第一ね。図書館で情報を集めましょう。……時間かかるだろうし、もしかしたら遺体が必要になるかもしれないから、咲夜には永久零度の魔法を掛け、図書館の隠し部屋に安置しておくわ』

 

『分かったわ。咲夜をお願いね?』

 

(…………咲夜…絶対、私が生き返らせるからね……)

 

『それからレミィ?これからは、あなたが紅魔館の主になるんだけど、咲夜のことは最優先で進めるとして、紅魔館の仕組みや方針はどうする?』

 

(……そうか…私が、紅魔館の当主……。・・・・咲夜や皆のおかげで父を倒せた……大きな犠牲も出た。……父と同じ失敗しないようにしないと)

 

………ッ!?

 

これは?…予知?

 

目の前にはフランが太陽に焦がされ、灰になり絶命し、泣き叫ぶ私がいた。

ッ…!?

 

なんなのかは、わからないし、いつなのかもわからない、だがこんな未来は駄目だ!

 

私は未来を変えた

 

そこには地下に幽閉され泣いてるフラン。フランを助けに行く美鈴を止めている私がいた

 

…ッ!

 

私が?フランを?幽閉?そんな馬鹿な!

 

私は未来を変えた

 

しかし、何度変えて見ても、フランが死ぬか、フランを閉じ込め悲しませるかの二択しかでずに、ひたすらループした

 

 

『なんなのよ!これ!?』

 

先の未来すぎて運命を決める線が無数にありすぎ、しらみ潰しに見るのには無理があった

 

……まだ先のことだし、今は咲夜のことで頭が一杯。フランが死ぬよりは………まだ…

 

私は、フランを幽閉する未来を選択した




いかがでしたでしょうか?初めて書いた小説で、至らなかった点も、多々あったと、思います。評価等ふまえ、指摘等していただければ幸いです

全然終わってないじゃないか!?詐欺師!とおもったかた、すいませんでした。

今回はあくまで、レミリアが主になるまで、の話ですので、主になった今回で、一つの区切りとさせていただきます

あと、咲夜ファンの方、すいませんでした。

そして最後までお付き合いいただいた皆様ありがとうございました

以降ネタばれ注意

咲夜さんについて


































































咲夜さんですが、なんやかんやで助かりますので、ご安心を。ただ・・そこまでハッピーエンドではありません

にわかなりに、なるべく原作に繋がるようにしてますので、まだ紅魔異変起きてない今の段階での咲夜さんの死はありえません。もっといえば結局誰も死にませんw

話が原作ストーリーより、後の話になれば別ですがw

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