東方紅魔記   作:ぐれにゃん

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決着

ダダダダダダ、タッ

 

!!

 

屋上に着いた二人が、見たものは、串刺しになって、動く気配のないレミリアだった

 

『ほう……遅かったな』

 

主が二人を見て、薄ら笑いをしながらいった

 

……………

 

『お嬢様あああぁぁ!!』

 

咲夜が、泣き叫びながら主に突っ込む

 

カチ

 

時間を止め、妃を倒したナイフと同数、いや、それ以上のナイフを繰り出す

 

動き出す時間

 

瞬間、主はコウモリになり全てを躱した。

 

『なっ!?』

 

驚く咲夜の後から、爪で肩の辺りを刺す

 

グサッ

 

『ガハッ!』

 

『ふむ、これはおまえの姉、私の妻だったやつの手品か、……手品は種がわからぬから成功するのだ、種がわかる手品など、ただの子供騙しだ。…それが貴様の切り札か?実に下らん』

 

…………

 

咲夜は悔しがっている。………自分と姉との残された絆、そして、自分の大事なレミリアに褒めてもらった、自分にとって誇れるものを、手品、子供騙し、といわれたのだ。

 

『………そうか、あの時、近衛兵長を逃がしたのも、おまえか?』

 

『うわあぁ!』

 

咲夜はガムシャラに主を切り付けた………しかし、その都度、切り付けられ、刺されていった

 

グサッ!

 

!?……主が、ナイフを手の平で受け、刺さりながら止めた

 

『魔力を帯びた銀のナイフか………。貴様の攻撃中に後ろで臆病者のハエがなにをゴゾゴゾしているかとおもえば、下らん補助を』

 

バシン!

 

咲夜を平手打ちで吹き飛ばした

 

『こんなもの100年前には克服しておるわ。私を誰だと思っている?やはり、貴様達では愉しめないようだな』

 

そういうと咲夜に向かい、拳を振り上げた。

 

咲夜は玉砕覚悟の構えをした

 

『咲夜!逃げなさい!レミィは生きているわ!?あなたがレミィを信じなくてどうするの!?』

 

パチュリーが叫んだ

 

!?

 

ガシャアアアン!!

 

床に穴が空いた。美鈴の両腕を粉砕した拳、美鈴より体力に劣る咲夜だと即死だっただろう

 

咲夜はパチュリーの横まで退いた。

 

『…パチュリー様、申し訳ございません』

 

(………情けない、誰よりもお嬢様を尊敬し、愛し、忠誠を誓っているはずなのに)

 

……咲夜は自分が情けなくて堪らなかった。物凄い自責の念が咲夜を襲った。その忠誠心故に……

 

『仕方ないわ、レミィのことがなによりのあなただからこそ取り乱したのよ。……私も、実は最初、熱くなって補助とかしてたし、ごめんなさい』

 

『いえ、……そんなことは……でも、お嬢様が生きていたとしても、あの様子じゃとても動けないかと。』

 

咲夜が辛そうな目でレミリアを見ている。今すぐにでも近くにいきたい。そんな目をしている

 

『そうね、とりあえず、あの化け物を二人でどうにかしないと………』

 

 

………………

 

黙って話を聞いていた主が口をひらく

 

『レミリアが生きている?二人でどうにかする?……フハハハ、残念ながら、どちらも無理だ』

 

『1つ、蟻二匹で獅子に勝てる道理はない。その前にはカマキリが一匹で獅子に挑んで、あのざまだがな』

 

どうして吸血鬼というのは、こう、傲慢なのか?歳を重ねるとレミィも、あーなるのか?と、違う不安がパチュリーによぎった。

 

『1つ、あの槍、グングニルには吸血鬼の治癒能力を無効にする力がある、あの出血量、治癒なしではもう無理だ。なにより、幾千の強者があの槍により殺された。生きてたものはいない。…………お分かりいただけたかなあ?懸命な大魔術師様?』

 

咲夜の髪が逆立った。

 

『パチュリー様、私はレミリア様を信じていますし、分かっています、だけど、この前の男だけはどうしても許せそうにないです』

 

『同感ね、こうなったら、蟻の怖さを教えてあげましょうか。』

 

『はい!』

 

 

………………

 

………………

 

え?

 

レミリアはある景色をみた。そこには………

 

玉座に座る自分

 

対峙する赤白の巫女

 

戦う二人

 

赤い空

 

 

…………こ、これは?………

 

……予知?………あいつは誰?…………そしてあの空は?………私が玉座に?……………

 

…私、生きてるの?

 

レミリアの目が薄く開いた

 

おびただしい量の血が見えた。

 

そして、震えながら少し顔を上げた

 

 

 

『無駄だ。……蟻の怖さはどうしたのだ?』

 

咲夜とパチュリーが主と交戦していた。

 

咲夜は左腕がダランとしている。恐らく折れているのだろう。

 

パチュリーは頭からものすごい血を吹き出していた。

 

…………このままじゃ二人が死ぬ。という予知をみた

 

(なんとかならないの?でも………動かない………いや、なんとかしなきゃいけない!)

 

(……私が守る……)

 

(私が…………運命を変える!!)

 

そう決心した時、パチェが私に気づき、こちらに目をやり、目が合った

 

私の目を見て、なにを感じたのか、パチェが小さく頷いた。

 

『咲夜!少し時間稼ぎをお願い!』

 

『はい!』

 

パチュリーは詠唱を始めた

 

『やっと、切り札を出すか?こんなことをしなくても、待ってやるものを』

 

そういいながら、主は咲夜の攻撃をことごとく躱していた

 

……………

 

……………

 

『咲夜!離れて!』

 

素早く主から離れる咲夜

 

『これで、私を倒せれなければ、もう貴様達と遊ぶのは終わりにするぞ?』

 

主は両手を広げ、待ち構えている

 

『どうぞ、ご自由に』

 

パチュリーはそういうと主を目掛け、物凄い大きさの魔力の塊を放った

 

と同時にレミリアを見た

 

……………

 

……………

 

(!…そういうことね?……全く人使いが荒いわね。)

 

体に刺さったグングニルを抜こうとする、手が焼き付く………だけど…不思議と痛みは感じない。

 

なぜ生きているか、あの予知はなんだったのか、わからないことだらけだけど、今は!

 

左手で主のグングニルを抜いた。

 

そして

 

(咲夜……本当はもっと早くあなたに見せたかった魔法の訓練の結果よ!)

 

レミリアは右手に全魔力を集中させた。

 

(見よう見まね、・・・だから出来るかどうかわからない。いや、出来なくちゃ駄目だ!父の技、娘の私に出来ないわけがない!)

 

魔法の渦が、徐々に形になっていく

 

……………

 

(……出来た!!)

 

(私のグングニル!?)

 

 

それとほぼ同時に父の声が聞こえた

 

『残念だったな、パチュリー…………無傷だ。さて、終わりにしよう』

 

『残念だったわね、目的は倒すことじゃないの』

 

『なに?』

 

『目眩ましと時間稼ぎよ!』

『レミィ!!』

 

『ああぁぁぁ!!!』

 

主に二本のグングニルで突撃するレミリア

 

『勝利を約束するグングニル、一本と二本なら、どちらに勝利をくれるかしら?』

 

グサッグサッ

 

『うおぉぉぉ!そんな馬鹿な、なぜ生きている!うおぉぉぉ!』

 

そのままの勢いで屋上から落ちる二人

 

 

バシャァーン!!

 

二人は川へ落ちた

 

『ぐおぉぉ、よりによって川だとー?まさかここまで計算を?』

 

(そういえば水も弱点だったわね………私も泳げないし、このままじゃ死ぬかもしれないけど、今は倒すことだけを!)

 

『そうよ!全て計算よ!』

 

(たまたまだけど、悔しがらせたいから、まあいっか。)

 

『こんなものー!!』

 

自分のグングニルを触り、魔力を解放して分解させた、そしてレミリアのグングニルに自分の魔力を注ぎ、砕いた。

 

『え?そんな!?』

 

するとレミリアを振りほどき、直ぐ様、川を出た

 

『あ!』

 

沈んでいくレミリア

 

(………でも・・・こういうときは、きっと・・・)

 

 

『はあ、はあ、はあ、おのれー、魔力がもう余りない、傷も癒えない、ここは一度……』

 

『逃がさないわ!』

 

パチュリーが拘束魔法を唱えた

 

『こんなものが私に通じ、ッ!』

 

『あなたの今の魔力じゃ、そう簡単には解けないわよ!?そして………空をみなさい!』

 

空を見る主

 

『ッ!あ、朝日だと?』

 

『グアアアア、ま、まずい、このまま、では…。仕方ない、残りの全魔力を拘束魔法の解除に………』

 

『咲夜!レミィを!』

 

 

バシャーン!

 

聞き終える前に咲夜は飛び込んでいた

 

カチ

 

………………気が付くと、陸にいた。隣では咲夜が倒れてた。

 

『やっぱり来てくれたわね、咲夜』

 

………………

 

 

『咲夜?』

 

…………………

 

『レミィ!早く!』

 

パチュリーの拘束魔法に限界が来ていた

 

『待って!?咲夜が!』

 

『レミィ、今は、主様を倒すことが、なにより咲夜の為よ!?』

 

…………………

 

『わかったわ』

 

(魔力が回復している、傷も?なんかわからないけど、これなら!?)

 

(魔力を右手に、形をイメージ、まだ小さい、もっと、まだ、もっと、もっと!)

 

……………さっきの倍はあるグングニルが出来上がる

 

『これで、、最後よ!』

 

力一杯、グングニルを投げつけた

 

「なにーーー!!?」

 

グシャーン!!

 

『ゴフッ・・・そんな馬鹿な・・は・ずは・・』

 

館の壁に張り付けになる主

 

そこに日光があたる

 

『グガガガガガガガ』

 

どんどん主が灰になってゆく




次回で、一区切り、とりあえずの最終話です。

次、どうしようか迷ってますw

本文以外かつ活動報告、メッセージ等感想欄以外への誘導を行うように。という注意があるのですがアンケートてどこでやればいいんすかね?w

あと、ここまでお付き合いしていただいたかた、本当にありがとうございます

最後までお付き合いいただければ幸いです

最後に一言・・・・・・東方はオワコンなんかじゃない!(確信)


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