DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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これをやりたかったためにこの作品を書きました
ようやく、といったところです・・
渾身のviolenceをお楽しみください!



sceneVIOLENCE ファイナルダイナミックスペシャル

 

強烈な一撃

自称神の放った攻撃が新ゲッター1を打ち据える

軋む機体

「チッ、クソッタレ!」

イシカワが呻く

敵の一撃はとても強い

カミサマを名乗るだけあり、威力の高さは舌を巻くほどである

さて、肝心の攻撃の正体だが

「また来やがる!」

ナガイが忌々しげに言った、その瞬間、岩石の塊が目前に現れた

それは球体の形をしていて、とんでもなく大きかった

つまり惑星を振り回してぶつけてくるのだ

マジンカイザーSKLが牙斬刀を前に向けて、防御体制をとる

岩で出来た惑星だから地球かと思ったが、どうやら違うようだ

海も山も草木もない

「ぐぉおおおおお!?」

「んぎぎぎぎぎ・・・ッ!」

巨大な質量弾と化した星の衝突に流石のスーパーロボットにもダメージが見えてきた

腕が千切れる、などの致命的な損傷は無いが、反撃しなければもはや未来はない

「おい、豪ちゃん!」

イシカワが訪ねる

「なんだ、賢ちゃん!」

ナガイが答える

「あれだ、アレ!マジンガーとゲッターがいるんなら、アレで野郎をブチのめすぞ!」

「へっ、そうか・・・それならいけるかもしれねえな!!」

ゲッターとカイザーが互いに視線を交わし、そのパイロットが最高に恐ろしい笑顔を浮かべた

好戦的かつ狂暴な笑み面をしながら、ナガイとイシカワは叫んだ

「「だらぁッッ!!!」」

二体のスーパーロボットは、自分達に再びぶつかってくる惑星に拳を叩き付けた

突き刺さる片腕

ヒビが入る星

そして、砕ける岩石

先程まで自分達をあれほど苦しめていた物体を粉々に粉砕し、その破片を突っ切って、ナガイとイシカワは進む

「なぁにっ!?」

驚いたのはカミサマだ

いくら超常の力を持つとしても所詮は人間の思い付く存在、惑星ほどの物を突破するとは思っていなかった

そこが、彼の限界であったのだろう

「「ファイナルダイナミックスペシャルだッ!!」」

赤黒の羽根を翻し、マジンカイザーが右腕を引き、パンチを打つ

「トォルネェエエエドクラッシャアアアア・・・パァアアアンチィッ!」

腕の肘から下の部分が、側面の装甲を回転させながら飛ぶ

「ぐぅえっ!」

ロケットのように突き進む拳が、自称神を捉えた

「チェンジィ!ゲッタースリィッ!」

戻っていくカイザーの片腕の代わりに、黄色い腕が敵に絡み付く

と、同時に、イシカワが大きく吠えた

「大・雪・山ッおろしぃいいいいいいいいいいいッ!」

目にも止まらぬほどの早さで、無茶苦茶に敵を振り回す

「ごぉあああ!」

そのスピードで、竜巻すら見える

そして最高速度に達した瞬間手を離す

猛スピードで飛び去るカミサマへ、ゲッター3のミサイルが顔を覗かせた

「二段、返しッ!!」

ミサイル、ミサイル、ミサイル

肩から足からとにかく大量のミサイルが飛び、それらすべてが自称神へ突き刺さる

爆炎が包み込む

炎を振り払い見れば、まっすぐ伸ばされた二つの銃口があった

カイザーの武器、ブレストリガーのものだ

「パルスビームモード、充電完了」

ナガイが宣言する、と同時に、無数の光弾が連射された

閃光の嵐が、カミサマを名乗る敵を徹底的に蹂躙する

「ばかな・・・なぜ、こんな奴等が・・・僕に敵うはずが・・・」

ブレストリガーの直撃を数えきれぬほど食らいながら、神は絶望した声音を絞り出す

「こんなハズは・・・」

「チェーンジッゲッターツゥーッ!」

弾幕が途切れたその刹那、白い体のゲッター2が姿を現す

ゲッター2は、左腕を突き出していた

そしてゲッター2の左腕は、超速大回転のドリルアームであった

「ゲェッタードリルッ!!」

刺さる

神へと刺さるドリル

それは敵を無慈悲に貫き、無慈悲に削り続けた

回転の音が凄まじい

「ぶぁ!」

放り捨てられるようにドリルから解放された神が、忌々しき二機を見付けようと振り向く

見付けた場所には、マジンカイザーSKLが牙斬刀を振り上げていた

「オープゥン、ゲェット!チェエエエエエンジッゲッタアアアアアアア・・・ゥワンッ!」

ゲッター2からの合体変形を素早く終了させ、新ゲッターロボがその隣につく

そして、なにやら緑色の粒子を散布し始めた

マズイ

何かがマズイ

やつらは何かをやらかそうとしている

「そうはさせるか!」

神は白く輝く体を振り乱し、両手から光線を撃った

二本のビームは敵をたちまち貫いてくれる

神はそう信じていた

「トォオオオオルハァンマァアアアアア・・・ブレェエエエエカァアアアアアアア!!」

「ファアアアイナァルッゲッタァアアアアアアトォマホォオオオオオオオオオクッ!」

カイザーは剣から放つ電流の奔流で

ゲッターは肩から出した巨大な緑の戦斧を振るい

大抵の物質を消し飛ばす破壊の光は押し返された

そのまま光線を払い、二つの攻撃はばつの字にカミサマを切り付けた

「がぁあああはああああーっ!?」

激痛に身悶える自称神

そこに、世界を作る程の力の片鱗は感じられない

ただの強烈な力を受けた、憐れな敵に他ならない

「さあ、食らいやがれ!」

「こいつで決まりだ!」

カイザーの胸部、ブレストリガーにもなる装甲版が真っ赤に光だした

ゲッターの腹部、緑色の粒子が溢れ出していた

赤い光は強さを増して、その中の熱温度は計り知れないだろう

緑色の粒子は量を集めて、一気に開いた腹部へと吸い込まれる

そして、叫ぶのは、その名前

一撃必殺の、技の名前

「イィンフェエエルノォオオオオオオ・・・ブゥラスタァアアアアアアアーッ!!!」

「ゲッタァアアアアアビィイイイイイイムッ!フゥルパワァアアアアアア!!!!!!!!」

紅の業火

全てを焼き尽くす地獄の炎

緑の渦

その中心に桜花色の閃光

その二つが、自称神を飲み込んだ

「あああああ僕の箱庭がぁあああっ!!ギィヤァアアアアっ!?あああああああッ!」

何もかもを消し飛ばす、破壊

それを形容するには、それしかなかった

射線上の全てを消滅させて、二体の攻撃は収まった

「「これが、ファイナルダイナミックスペシャルだッ!!」」

ナガイとイシカワが、獰猛な笑みを浮かべた

 





イシカワがナガイを豪ちゃん
ナガイがイシカワを賢ちゃん
と呼ぶのは、それぞれの名前の由来である永井豪先生と石川賢先生が互いにそう呼びあっていたことから参考にしました
元ネタに忠実にしたからか、この作品でこの呼び方を使うと違和感を通り越して不思議な気持ちになりますね






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