DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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sceneCROSS 唸る必殺の一撃

 

岩石と大蛇の怪物は、大口を開いて吼えた

周囲の空気がビリビリと震え、巨大な音声が辺りを暴れまわる

さらに口を大きく開けて、魔神がさらに大きな叫びをあげようとした

「「うるせぇッ!!」」

その寸前、二体のスーパーロボットがその顔面に拳を同時に叩き込んだ

相当な質量を持っていると思われる魔神は、そのコンビネーションにダウンした

すぐさま下半身の蛇から生えた脚で起き上がる

「偉大なるあのお方のしもべたる我にこのような狼藉・・・貴様ら!その力をあのお方よりたまわったご恩を・・・」

「「黙ってろッ!!」」

何事か言おうとした瞬間、今度は蛇の方の頭を勢いよく蹴られる

痛みに悲鳴をあげながら、怪物は反撃を繰り出した

両目のビーム、口から火炎、蛇の口から毒液、蛇の目からは怪光線

無数の攻撃が、弾幕のようにカイザーとゲッターに襲い掛かる

「へっ、目ェ瞑ってても避けれるぜ」

「当たるか、ヘタクソ!」

だが、カイザーはウイングを翻し、ゲッターは空中を飛び回り、攻撃を全てかわしていく

いくつかは手持ちの武器で叩き落としたりしていた

「なんだと!?」

ギルギルガンが驚愕に固まる

全火力を集中して、一発も当たらないとは

「「オルァッ!!」」

敵が動きを止めるのを見逃すほど、ナガイとイシカワは間抜けではない

それぞれ、柄を伸ばした牙斬刀と二個を繋げたトマホークを思い切り投擲した

それぞれ、反対側から、岩の魔神と大蛇との接合部分へ突き刺さる

「ぐぉおおおお!!」

ギルギルガンが叫ぶ

その瞬間、マジンカイザーSKLが、刺さった牙斬刀に飛び掛かる

「ずぉおおりゃああああッ!」

柄を握り、横へ振る

それと同時に、新ゲッターロボも、突き立ったゲッターダブルトマホークを掴んだ

「でぇええりゃああああッ!」

柄を握り、横へ振る

二体のロボットが刃を振るうことにより、ギルギルガンは上下に切断された

上の岩の魔神と、下の百足脚の大蛇

その二つが、互い違いにゴロゴロと転がる

「行くぜぇえええええッ!」

ナガイが雄叫びをあげる

マジンカイザーSKLが、岩の魔神へ向かっていった

「おらおらぁああああッ!」

イシカワが雄叫びをあげる

新ゲッターロボが、百足脚の蛇へ飛んでいった

 

 

 

 

 

震えながら地面に腕を着ける、ギルギルガンの半身

もう少し放っておけば、先程のように足を生やすかもしれない

だが、ナガイはそれを待つつもりはなかった

「トドメだァッ!!」

カイザーが胸の前で両手を交差させた

その胸部に納められた赤い装甲板から、おぞましいまでの光が生まれる

元々真っ赤なブレストリガーは、真っ赤に熱せられる

「グゥオオオオ、バカなっ、バカな!」

ギルギルガンが怯えたような声を出した

だがもう遅い

彼は、自分が何と敵対したか思い知らされるのだ

そう、それは地獄

カイザーが両手を広げた

それに合わせるように、紅の翼も左右へ伸ばされる

「イィンフェルノォ・・・ブラスタァアアアアアアアーッ!!」

ついに解き放たれる胸部の熱光

何もかもを焼き尽くす地獄の業火が、マジンカイザーSKLの胸板から奔流の如く吹き出す

空気が、木々が、山が、土が、射線上の全てに炎が浴びせられた

「私は、神の・・・ぎぃやああああ!!」

断末魔も、焔に飲まれて消え去った

その瞬間、そこにあった全てが焼かれ、燃え、塵と化した

インフェルノブラスターが撃ち終わったまさにそのとき、カイザーが燃え盛る大地に降り立った

その頭部、スカルパイルダーのコクピットにて、ナガイの顔が炎に照らされていた

「俺達が地獄だ・・・!」

 

 

 

 

 

 

わなわなと蠢きながら、大蛇は鎌首を持ち上げた

その目の前で空を飛ぶ、赤い戦鬼

その腹部が少しだけ開き、中からピンクに光る何かが現れた

砲身である

「ゲェッタァアアアアアアビィイイイイイイイイイイイイムッ!!」

まさに光速で打ち出された桃色の閃光が、百足脚の蛇に撃ち込まれた

光線はさらに太く、色濃く、勢いも増していく

放たれるビームが、波打っているようにすら見えた

「フルパワァァアアアアアアアーッ!!」

その叫びが響いた直後、ゲッタービームに異変が起きた

桃色の光線は巨大な竜巻となり、あっという間に大蛇を飲み込んでしまった

竜巻の中心には緑の直線があった

それは、限界まで解放されたゲッター線

その全てが、威力として一匹の哀れな怪物に注ぎ込まれた

着弾地点に大爆発

大地が震える

ゲッタービームは少しずつ弱まり、本来の出力にまで戻り、やがて止まった

ゲッター1が見下ろす所に、地面は無かった

巨大なクレーターのみが、攻撃の凄まじさを、物語っている

「ヘッ、ざっとこんなもんよ」

イシカワが獰猛な笑みを浮かべた

ゲッターロボが、一瞬だけ、緑色に輝いた

 





次こそいよいよ最終盤
あと三、四話で終わりです

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