DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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こちらも強化後初戦闘
凄いぞ強いぞウィングクロス!


sceneSKL FireWars

 

ドクロのパイルダー

威圧的な面相

胸の禍々しい赤い模様

強靭な四肢

片手に携えた巨大な剣

そして、背中に伸びるのは漆黒の翼

隻眼が黄色い炎に燃える

マジンカイザーSKL

そこにいたのは、魔神

否、魔神皇帝だ

「第二ラウンドの始まりだァッ!!」

パイルダーの中で、ナガイが歯を剥き出して笑う

カイザーは翼を翻し、空中のピクドロンに向かった

「おのれ・・・食らえ、ルストハリケーン!」

ピクドロンの口から、台風が打ち出された

それは真っ直ぐとカイザーへ飛んでいく

だがナガイは逃げも隠れもしなかった

「ルストストリームッ!」

カイザーの口部

格子状になった口元から、強靭なサイクロンが吹き荒れる

二つの竜巻が正面からぶつかり合った

打ち合いにすらならなかった

ピクドロンのルストハリケーンは、あっという間に掻き消され、カイザーのルストストリームがピクドロンに命中する

「ぎゃあああああ!!」

一瞬にして体の左側を削り取られ苦悶の声をあげる光る化け物

その悲鳴を聞きながら、ナガイは吠えた

「オラオラどうしたァ!お楽しみは、これからだぜェ!!」

大空を無茶苦茶に舞いながら、ピクドロンに剣を振り下ろす

真空波が地上を切り裂いた

一の太刀を潜り抜け、ピクドロンは右手を振った

「オルァ!」

カイザーが牙斬刀でそれを受け流す

「ごわっ!?」

あまりのパワーに、ピクドロンが仰け反った

そこを見逃すナガイではなかった

握り拳が握られ、その外部の刃が大回転を始める

そしてそれを、ナガイは雄叫びと共に放った

「トォルゥネェエエエドクラッシャァアアアアッ!パァアアアアアアンチィッ!!」

超速の巨大質量弾となったマジンカイザーの片腕が、隙だらけのピクドロンに飛んでいく

その体はあっさり貫かれ、怪物の腹に大穴が穿たれた

「この!この!貴様、神の僕たるこの俺様に牙を剥くとは!神を敵に回すことになるぞ!」

「知ったこっちゃねぇ!神が畏れ悪魔すら戦く!俺達が地獄だッ!!」

「く、狂ってやがる!」

「狂ってんのは承知の上だ!敵をブチのめすなら正気なんぞ関係ねぇ!覚悟しやがれッ!」

満身創痍の体を引きずるように空を飛んで、ピクドロンは残った片手を天に向けた

黒々とした雷雲が、その指に一撃の雷光を落とした

「サンダーブレーク!」

指先からの電撃光線

一度はカイザーすら痛手を負った技だ

だが、ウィングクロスしてパワーが完全解放され、完全にイカれたナガイが操る、マジンカイザーSKLの敵ではない

「おっしゃあッ!!」

サンダーブレークを牙斬刀で受け止める

雷がまとわり付いた大剣を振り上げ、天に向ける

そこへ、先とは比べ物にならない巨大な稲妻が叩き落とされた

カイザーの黒いボディが、稲光に飲まれて見えなくなる

「トォオオオオルハンマァアアアアア・・・ブレェカアアアアアアアーッ!」

剛腕が剣を振る

そこから迸るのは、この世のどんな落雷も出せないであろう巨大な雷だ

その電気の濁流が、ピクドロンを捉えた

「グギャアアアアア!」

とてつもなく狂気を感じさせる普通ではない笑みを隠そうともせず、ナガイは宣告した

「くたばるのはまだ早ぇぞ!!」

そう、彼らが地獄だ

トドメの具合も、彼らが決める

より派手に、より強く

トールハンマーブレーカーの出力が上がる

やがてそれはピクドロンよりも大きい雷を吐き出す

「ウガァアアアアア・・・!」

断末魔が響き渡り、後には何もなくなった

ピクドロンは、跡形もなく消え去った

 

カイザーの下の地面、廃墟となったブラスにて、レジスタンスの戦闘マシーンがカイザーを見上げていた

その勇姿を、一秒でも長く見たいと

その視界から、雨雲が消えた

トールハンマーブレーカーにより、ピクドロンごと消し飛ばしたのだ

暗黒の翼を羽ばたかせ、マジンカイザーSKLが大地に降り立った

牙斬刀を地面に突き刺し、ナガイは叫んだ

「俺達が、地獄だ!」

紛れもなくそれは、勝利宣言だった

 


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