DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》

sceneＧＥＴ 空を飛ぶサーガ

イシカワは目覚めていた

既にハッキリと意識を元に戻し、最初にした行動は、胸に手をあてることだった

生前に受けた致命傷は、まったく消えてしまっていた

ただ、それよりも不思議なことがひとつあった

「なんで・・・」

それは、アニメの存在のはずだったもの

三機の、特殊な、戦闘機

それは

「なんでゲットマシンが、ありやがる？」

これが、あの『カミサマ気取り』の言ってた特典ってヤツか

・・・物騒過ぎやしねえか？悪用すりゃ人類が滅んじまうんだぞ

まあ、見たところ俺以外に乗るヤツは今のところいねぇみたいだし・・・

乗っても・・・良いよな？

よし、善は急げだ！

さーて、どのゲットマシンに乗ろうかな～っと

ん？

イーグル号以外コクピットが無えぞ？

まさかこれ、一人乗りだってんじゃねえよな！？

が～っ！ロマンがねえ仕様だな！合体ロボはメカの人数分パイロットいて、そいつらと絆を深めるのが醍醐味だってのに

チッ、まあいい

とにかく動きゃいいんだからよ

それに・・・

「グおおおおおおおおおお！！」

ちょうどサンドバッグ代わりになりそうなのがおあつらえ向きに出てきやがったんだしなぁ

野郎の足下にゃ民家があるという、出来すぎたお膳立てもありやがる

相手してやらなきゃ、可愛そうだろ・・・？

「よっしゃ、行くぜぇ！」

「どうやって動かしゃいいんだ、コレ？」

ゲットマシンに乗り込んだイシカワは一瞬、操縦法を知らないことに固まった

が、

「ま、いいか」

レバーを適当に引けばゲッターロボは動くことを思い出した

アニメでは大体そうだった

なので、まずは

「ゲットマシン、発ッ進！」

腹の底から声を張り上げた

とてつもない勢いで三機の飛行機が飛び出す

カブトムシに良く似た巨大な怪獣はそのゲットマシンに気が付いたが、時既に遅し

「チェエエエエエンジッ！ゲッタアアアアア、ワンッ！」

まるで折る気ではないかと思うほどに、レバーを力強く前へ倒す

赤いイーグル号が先頭へ、白いジャガー号が真ん中へ、そして黄色いベアー号が最後尾へ

フォーメーションが完成した

飛行の勢いのまま、三機はそれぞれ接続する

合体

赤いボディ、所々が緑に光る

二本の角は天を指す

ゲッター1が、大地へ降り立った

「行くぜえええええ！」

左手を握り込み、腕を引く

放たれたストレートは、あっさりとカブトムシの腹を突き破った

「グギいいいいい！」

カブトムシが角を振り回す

後ろへ飛び下がり、ゲッターはその攻撃を避けた

引き抜いた腕には、怪獣のものらしき臓物が絡み付いていた

「ゲッタアアアアア！ウィングッ！」

ゲッター1の背中から三角形の翼が一対、瞬間的に現れる

地を蹴り、空へ飛び上がるゲッターロボ

カブトムシの怪獣が、透明の羽根を出してそれを追いかける

角をゲッターに向け、全速力で突っ込むカブトムシ怪獣

「そう来るならこっちも相手してやろうじゃねぇか！ゲッタアアアアア！トォマホオオオオオクッ！」

ゲッターの肩から飛び出した鉄球から、持ち手と刃が発生する

そしてできた斧を手に、カブトムシに突撃する

交差する二体

堅い金属が切れたような、甲高い音が響いた

重力に従い大地へ落ちるカブトムシの角

「ゴアああああああああああああ！」

悲鳴をあげるカブトムシ

ゲッターの腹部装甲が少しだけ開いた

「コイツでトドメだ！」

ピンクの光が開いた装甲の穴から溢れ出す

その光が突如、爆発的に輝く

「ゲッタアアアアア！ビイイイイイイイイイム！！！！！！！！！！」

文字通り光の速さで、光線が突き進む

ビームはカブトムシを貫き、そのまま地表へと進む

射線上の大地を焼き、そしてビームは止まった

カブトムシが、大爆発を起こした

欠片すら残らず消し飛んだ怪獣の花火が、ゲッターを照らした

コイツはすげぇぜ

流石はゲッターロボ、まるでバケモノだ

さて、これからどうするか

とりあえず地上に降りるか

「おーーーい！そこの赤鬼～っ！」　

？誰だ、呼んでやがるのは

赤鬼だと？失敬な、確かにナリは怖えが

下か？

「助けてくれて、ありがと～！」

・・・女？

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イシカワの乗ってる奴の見た目は新ゲ仕様です