DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》 作:アルファるふぁ/保利滝良
よーくわからんけどゲッター編はなかなかロボットが出てこないんですよ
なんでかなー?
展開のせいかなー?
クソッ、喉がカラカラだ
こんなに長台詞喋ったのは久しぶりだぜ
「ふむ」
おいジジィ、ここまで喋ってよくわかんなかったじゃ困るぞ?
「おいイシカワ、もう一度言え」
「ハアア!?ふざけんなテメェ!」
「お前の話し方じゃ伝わらなかったのだ、いいからもう一度ゲッター線について教えろ」
チッ、このクソジジィ
「仕方ねえ・・・もう一度話してやるから、耳かっぽじってよーく聞きやがれ」
「ゲッター線っていうのは、ゲッターロボを動かすエネルギーのことだ
普通のエネルギーとは比べ物にならねえくらい強いエネルギーだ
ゲッターロボを動かすには必要不可欠な代物だ
だが、人類はゲッター線によって進化したなんて胡散臭ぇ説もあるほどわからねえ部分もあるエネルギーだ
実際、色々危険な面も持ち合わせちゃいるが、今はそこは関係ねぇ
問題は、巨獣の発生する原因である緑色の光といくつか一致する点があるところだな
まずゲッター線は緑色だ
ゲッター線も爬虫類を溶かしてしまう性質をもっている
流石に虫やらなんならまで進化させるなんて話は聞いたことないが、さっき言った通り人類はゲッター線によって進化したなんて説もある
完全にそうとは言えねえが、用心に越したことはねえハズだ」
「ふむ、そうか」
イシカワの話を聞き終わったマイナー国王が、顎に手を当てて何かを考え始めた
それを見て、イシカワは眉をひそめた
「おい、どうしたジジィ」
イシカワの声を無視して、マイナー王はいきなり玉座から降りた
真っ白くなった髭と髪の毛を揺らし、壁のレバーを押す
すると玉座が割れて、地下へ続く階段が現れた
隠し通路だ
「着いてこい、見せたいものがある」
「今度はなんだあ?」
さっさと降りていくマイナー王の背中を、イシカワは呆けた声で追い掛けた
薄暗ぇところだ、あんまり好きじゃねえな
それより、この階段はどこまで続いてんだ
妙に長くねえか?
「おい、どこに連れていく気だ」
「来ればわかる」
「チッ・・・」
説明くらいしやがれ
ん?明るくなってきたぞ
そろそろ階段は終わりか?階段の下の部屋に着いたのか
「・・・これは・・・!?」
なんだこの部屋は!?一面ガラスで覆われてやがる
「ジジィ、一体こりゃあ何だ!」
「驚いたか、これは擬似ゲッター線の貯蔵庫だ」
「擬似ゲッター線?」
なんだ、そりゃ?
「巨獣を発生させる緑色の光に、私が今付けた名前だ・・・この城の地下には、擬似ゲッター線が発生していた」
なんだと?
一体そりゃどういうことだ
「そんな場所にわざわざ城を建てたってのか?」
「そうだ」
どういうこった、なに考えてやがる
「このマイナー国では巨獣の被害が増加している・・・擬似ゲッター線を研究し、巨獣の秘密を解き明かせねば、この国に明日はないだろう」
「・・・成果は、あんのか」
「ない!」
何?
「いいかげんにしろ!」
「話は最後まで聞け」
テメェから区切って何言ってんだ、この野郎!
もったいぶってんじゃねえぞ!
「以前ここに虫を放り込んだことがある」
「おい、それじゃ巨獣が・・・」
「いや、巨獣は現れなかった!虫は砕け散った・・・あの光の中で!」
んなバカな・・・いや
ゲッタービームと同じだ
ゲッタービームはゲッター線を圧縮するなり増幅するなり熱エネルギーに変えるなりして放つ武器だ
ここの擬似ゲッター線のあまりの量に、虫が巨獣になる前に粉々になったなら・・・
「ゲッターロボと言ったか、お前の乗っている機体の武器に、ゲッター線を撃つ武器があったな」
「あぁ、これは・・・この光は、ゲッター線の可能性が高いってことか・・・」
・・・気持ちわりい