DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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今回はちょっとだけ重要なお話
でもやっぱり戦闘メイン回




sceneSKL 斬って撃ってぶっ殺す!

トシロウは戦慄した

再びあんな化け物と戦うのかと恐怖におののいた

異常に強い戦闘マシーンを倒せと命令が来たとき、あの海で戦った変形合体する野郎を思い出した

アレのせいでトシロウがローンを組んで買った水中用マシーンがお釈迦になってしまった

トシロウは最初、その時の野郎だと考えていた

だが別の奴だと判明したとき、背筋が凍った

「アレと同等の奴がもう一機いんのか・・・」

そしてこう思った

「世の中どうなってんだ、畜生!」

 

 

 

 

 

 

   

「さぁて、最初に死にてえ奴はどいつだッ!」

ナガイはそう吠えると同時に、マジンカイザーSKLの腕を振り回した

本体と同じように刺々しいその腕に握られているのは、カイザーの身の丈と同じ程の長さを持つ牙斬刀である

その刃が空気を切り裂いて衝撃波を何度も発生させる度、戦闘マシーンのパイロット達は恐怖に震え上がった

「ぬぬぬ・・・ええい何をやっておるか!さっさと奴を仕留めろっ!」

その中のリーダー格らしき機体が部下を叱責する

すると彼等は、恐る恐るといった風にカイザーに武器を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ナガイ・・・」

「しっかり捕まってろ!喋ってると舌噛むぞ!」

コイツら、性懲りもなくまた来やがった

もう少し歯応えがあるならいくらでも歓迎したんだがなあ・・・まあ贅沢は言えねえか

「神に会うては神を斬りッ!悪魔に会うてはその悪魔をも撃つッ!」

ジャンジャンブッ飛ばすとするかァ!

 

 

 

 

 

 

「戦いたいから戦い、潰したいから潰すッ!」

ナガイが操作するマジンカイザーは、まず牙斬刀を投擲した

たまたま先頭にいた一機が串刺しになり、その動きを止める

「俺達に大義名分など無いのさアッ!!」

カイザーはトルネードクラッシャーパンチを放つ

とんでもない勢いで飛ぶ腕は更に戦闘マシーンを破砕した

空飛ぶ腕はマシーンの亡骸に刺さった牙斬刀を引き抜き、持ち主のもとへ戻っていく

「う、うぎゃあああああ!」

「わああああっ!こっち来んなっ!」

戻ってくる途中、その刃で敵を何機も叩き斬りながら

「フン、次はコイツを食らって貰おう」

腕を接続し牙斬刀を背負うと、ナガイはブレストリガーを引き抜いた

そして挑発的に問う

「さあ、どこを撃ち抜いて欲しい?五秒以内ならリクエストに応えてやる」

「撃て、撃てええええええ!」

ナガイの質問を無視し、戦闘マシーン部隊は銃をカイザーに向ける

一斉に弾丸がカイザーを襲うが、一発も当たらない

カイザーがアクロバティックかつダイナミックな動きで弾を避け続けているのだ

回避をしながらナガイは素早く敵の懐へ入り込んだ

ブレストリガーの銃口を向けて、告げる

「五秒経過」

それは、死の宣告だった

「残念、時間切れだ」

それから先は一瞬だった

まず懐へ入り込まれた戦闘マシーンが銃弾によって粉々になる

続いて左右、後ろ、斜め裏の機体が蜂の巣になった

蜂の巣になった戦闘マシーンが倒れると、その後ろの戦闘マシーンが銃弾の餌食となっていく

瞬きすら許されぬ早さで、マジンカイザー以外のロボットは全て鉄屑となった

 

 

 

 

 

 

「ぐっえええ・・・」

「ミユキさん、大丈夫ですか?」

「いつも思うけど、ナガイの操縦は荒すぎるぞ・・・」

ケッ

戦闘用ロボットの乗り心地が良い訳ねえだろ、そんくらいもわかんねえのか

それに俺は原作の二人組じゃねえ、荒すぎんのは当たり前だ

「吐くなよ」

「うるっさい!」

「お前がうるせえ!」

「まあまあ・・・」

しかし本当にうざってえなブラスとやらは

戦力自体はお笑いモノだが、何度も来られちゃなあ

いつまでもこの二人を乗せたまま戦うのも限界があるし・・・

 

 

 

 

 

 

 

トシロウは、粉砕された戦闘マシーンから這いずり出ようとした

「野郎、俺とブラス部隊をまとめて叩き潰しやがった・・・」

しかし、ドクロ野郎が勝利に浸ってる今がチャンスだ

今回も上手く逃げおおせるかもしれない

強いロボットを乗り回す奴は満身するに違いない、だから逃げられる可能性も上がるかもしれない・・・トシロウはそう思っていた

だが、相手はあの合体野郎とは別の奴なのだ

「うげぇっ!」

あの二丁拳銃の銃口が、生身のトシロウに向けられている

「や、やめろおおお!」

それがトシロウの最期の言葉となった

もうそこには、トマトをぶちまけたような跡しかなかったのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、後始末は完璧に済んだな

「おいお前ら」

「な、なんだ?」

「なんでしょう?」

しゃあねえ、背に腹は代えられねえってことだ

「タクマのとこへ戻るぞ」

 

 

 




イシカワ→新ゲッターロボ基準なので、人間は基本不殺
ナガイ→マジンカイザーSKL基準なので、容赦なくブッ殺

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