DOUBLE:violence 《二人の特典付き転生者が異世界でアテもなく暴れ続けるお話》   作:アルファるふぁ/保利滝良

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スーパーロボットはギミックが素敵すぎる
ゲッターとマジンガーはその頂点ですよ



sceneSKL 助けるなんてガラじゃねえ

多量の弾が飛んでいく

ブレストリガーの弾道である

射線上の全てが風穴だらけになった

「おら、オラオラオラオラ・・・!」

マガジンが空になった瞬間、両手の銃を胸へ戻す

そして、背中の剣を引き抜いた

「オ・ラ・ア・ッ!」

そのまま、マジンカイザーは牙斬刀を降り下ろした

地面が割れ、へっぴり腰でカイザーと対峙していた戦闘マシーンがバランスを崩す

「こいつは奢りだァッ!」

拳を、コケた敵に向ける

カイザーの肘から下が無くなったかと思うと、その戦闘マシーンの腹部に大穴が空いていた

大爆発する戦闘マシーンから目を離し、ナガイは振り向いた

振り向き様に、薙刀のように柄を伸ばした牙斬刀を振った

別の戦闘マシーンの上半身と下半身が泣き別れとなった

「だ、ダメだあっ!奴は強すぎる!」

「こっちは50いたんだぞ!なんであと30もいないんだよ!」

ブラスの兵達は口々に叫ぶ

戦闘に突入してから、彼らはナガイが駆るマジンカイザーSKLをあっという間に包囲した

軍隊ならではの、綺麗に良くできた囲みだった

問題は、包囲することと敵を倒せることがイコールではなかったことである

「野郎は化け物だ!悪魔だ!」

「神がかった強さだ!」

その、雑魚達の悲鳴混じりの表現を、ナガイは口角を吊り上げなら否定した

「神だぁ?悪魔だぁ?違うぜッ!」

戻ってきた片手を肘に接続して、カイザーはブレストリガーを取り外した

ブレストリガーの上部同士をくっつける

すると、2丁拳銃の銃口から長い棒が生えてきた

「神が恐れ、悪魔すら戦く!」

ブレストリガーが変形してできた大戦斧を左手に、薙刀モードの牙斬刀を右手に持ち、マジンカイザーが走り出す

「来るなあああアアアア!!!」

真正面の戦闘マシーンのパイロットが叫ぶ

そんなものはお構い無し

ナガイはひたすら進む

「俺達が地獄だ!!」

左手を大きくしならせ、振る

三機が纏めて切断された

もう動かない敵を弾き飛ばすカイザー

そのままさらに進む、進む

右手を縦に振り下ろす

咄嗟に槍を横に構えて防御したその戦闘マシーンは、なんとその防御した武器ごと叩き切られてしまった

槍を突き込む機体が一機

しかしナガイはそれを牙斬刀で防いだ

穂先と刃先がぶつかり、大きな火花を散らす

一撃

ブレストマホークは斜め左からその敵機を引き裂いた

残骸と化した、また一機

カイザーは両手を交差させた

そして、勢いよく開く

正面から見れば、大の字のようなポーズをとった

力強いポーズの変更は、その過程で衝撃波すら起こす

塵と破片が巻き上げられた

その光景は、まるで魔神の周囲に竜巻が発生したかのごとくであった

「逃げろおおおおお!」

「敵いっこねぇ!ずらかれ!」

「助けてくれ!」

完全に戦意を喪失したブラス国の兵団は、我先にと逃げ出していった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

へっ!歯応えのねえ連中だったぜ

「ナガイ、無事か!」

お?ミユキか

「なんだ?俺が負けるとでも?」

「この町を助けたのか、お前」

あぁ?助けただぁ?

「助けるなんてガラじゃあねえ、暴れたかっただけだ!」

「はあ?なんだと?」

「たまたま相手が、弱いものイジメの糞野郎共だったってだけのことよ!」

正義だなんだと回りくどいこたあ抜きだ!

簡単だろ?

 


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