勝利を勝ち取り雪華は、固まる皆にむけ優雅な一礼をした。
「今の魔法は、一体なんだったんですか?」
「詳しいことは言えませんが、精神干渉魔法です」
「こういう言い方は好きではないんですが、何故2科生の貴方がそんな高等魔法を使えるのですか?」
皆が疑問に思っていた質問を鈴音が、聞いたためその答えを皆は聞き逃さないように、耳を済ませていた。
「他言無用でなら言います」
その雪華の言葉に皆は同意しをはった。
「私は本来、1科生主席の深雪以上の力を持っています。」
「じゃあ何で2科生なんだ?」
また皆が固まってしまったので渡部が今度は質問をする。
「私はこの一高で1科生、2科生の差別を行う者が多いことに深く憤っています。」
「それでは、理由になっていない気がするのだが」
「その差別意識をなくすため、1科と2科の生徒の距離がもっと縮まって欲しい。私はそう考えました。ですが、私が1科生でしかも総代では1位がなにを言ってるんだ、としかなりません。しかし私の成績は200位つまりは、この高校の最下位です。そんな私が試験では認められない能力で、上に上がったり、評価を受けたらどうでしょうか?2科生でもエリート、試験が全てではない。私はそのことをこの高校の生徒たちに伝えたいのです。」
「そのために試験で手を抜き、優秀な教師達の講義を受ける権利を捨てたというのか、それは勿体無いことだと思わなかったのか?」
そこで初めて深雪が口を挟んだ。その内容は雪華自信が言っては、嫌味にしか聞こえないことだからだった。
「お姉様は、世界最強の魔法師です。」
「今の試合で司波雪華は優秀な魔法師であることは分かりましたが、それは流石に買いかぶりではないのですか?」
「いえ、買いかぶりなどではありません。みなさんは"刹羅の魔法師"はご存知ですか?」
その言葉に対して皆は頷いた。なぜなら、刹羅の魔法師は、日本最強もとい世界最強の魔法師として君臨する、言わずと知れた伝説の魔法師だったからだ。
「それは、知っています。公開されている13の戦略級魔法を行使することができ、それに加え非公式の戦略級魔法、固有の戦略級魔法を持つと言われる、最強の魔法師ですから。」
深雪は、雪華が制止しようとしていたにも関わらず言った。
「お姉様が、刹羅の魔法師です。」
皆の反応は驚く者、不信感を持つ者様々な反応であったが、信じた者はいなかった。
「深雪がすいません。これは冗談ですので起きになさらずに」
雪華が誤魔化すような事を言うと、深雪は切り札を使った。
「嘘つきお姉様は、大嫌いです」
その言葉で雪華は、地面に何の受け身もせず倒れこんだ。
皆が心配そうに覗き込んでいると、笑い声が聞こえた
「ふふふ、ふふふふふふ私が、刹羅の魔法師です。今から証拠をお見せします。プールまで移動お願いします。」
プールに移動すると雪華は、戦略級魔法深淵(勿論半径数mの小規模の物)を繰り出し、その瞬間水面は陥没した。皆が驚嘆や、青ざめた顔と言った顔をするのを横目に雪華は、魔法を解除し小規模の津波が引き起こった。
「これが私の力。私が刹羅の魔法師。だから深雪私を嫌いにならないで…………」
「お姉様のことを嫌いになることなんてありませんよ」
その瞬間嵌められたと思う雪華であったが、先輩達を取り込めたのは大きかったかもしれないなって思うのであった。