皆の心を引きつけた深雪の挨拶が終わり。雪華たちはクラスのことなどを話していた。
「雪華は何組?」
「1年E組です」
「じゃあ私たちと同じわけね」
「そうですね、この学校に通って始めての友達たちが同じクラスなのは、嬉しいです」
「じゃあ、ホームにいってみる?」
「すいません、妹と待ち合わせをしてまして・・・」
「新入生総代の司波深雪さんですよね」
「さっき雪華がとっても可愛いって言ってた子ね、双子なの?」
「よく訊かれるけど双子じゃないわ。私が四月生まれで深雪が三月生まれ」
へぇ、とみんなが雪華をみていると
そこに、深雪が声をかけてきた
「お姉様、お待たせしました」
「あぁ、ちょうどよかった!この子が私の可愛い妹深雪、でこっちの三人が西条レオンハルト君、千葉エリカさん、柴田美月さんね」
「よろしくお願いします。みなさん」
「こっちこそよろしくな」とレオ
「よろしくねー!」とエリカ
「よろしくお願いします」と美月
雪華はそんな自己紹介をしながらも、まずは少しだけだけど1科と2科の溝を埋めるきっかけになればいいなと思っていた。
次の日
雪華たちE組メンバーが昼ごはんを食べているとクラスメイトを引き連れた深雪が雪華を見つけてやって来た。
そこで一悶着。
雪華たちと一緒に食べようとする深雪。
けれど座れるのは彼女一人。
深雪のクラスメイトたちは彼女と相席を狙って深雪についてきている
最初は狭いとか邪魔しちゃ悪いとか気持ちオブラートに包んだ表現ではあったが、深雪の執着が強く深雪を止めるのは無理と判断すると、今度は相応しくないだのけじめだの、言い出した。
そこで雪華は問いかけた
「何故、私たちがここをどかなくてはいけないんですか?後から来ておいて無礼とは思いませんか?」
「なんだと?2科生の分際で1科生の俺に逆らうのか?」
「2科生の分際で?1科生と2科生そんなに大きな差があるんですか?まだ入学したばかりの私たちであれば特にです。」
「そうか、ならわからせてやる」
森崎は、特化型CADを操作し雪華に向けて魔法を放った。
周囲で様子を伺っていた生徒の中に短い悲鳴を上げる者がいるほどだった。
しかし、魔法が発動することはなかった。雪華が術式解体を行ったのだ
「どうされました?魔法発動しないようですが、もしかして使い方を忘れてしまったのでしょうか?」
その煽りの言葉で森崎はキレた
もう一度CADを操作し魔法を放とうとしたのだ。
しかし、その起動式が魔法式に変わる前に
飛んできたサイオン弾丸によって無効化された
「止めなさい! 自衛目的以外の魔法による対人攻撃は、校則違反である以前に、犯罪行為ですよ!」
サイオン弾で魔法の発動を妨害したのは、生徒会長の真由美だった。
しかし、真由美は一人ではなく隣に見知らぬ1科生の上級生がいた
「風紀委員長、渡辺摩利だ。
君たちは1-Aと1-Eの生徒だな。事情を聞きます。ついてきなさい」
レオも、美月も、深雪のクラスメイトも、言葉無く、硬直している。
「すみません、あの1科生が2科生を侮辱した物ですから争ってしまいました」
「あちらの女子が攻性魔法を起動していたのはそういうことか……」
「いえ彼女は私を助けてくれようとしたんです。条件反射で魔法を起動できるとは、優秀な方です。しかも攻撃といっても、彼女が編成しようとしていたのは目くらましの閃光魔法ですから。
それも、失明したり視力障害を起こしたりする程のレベルではありませんでした」
「では、君たちを侮辱しその話ぶりからすると攻撃をしようとしていたのは、どの生徒なんだ?」
雪華はビシッと森崎を指差し言った
「あの生徒です」
「わかった。あの生徒から話を聞くもう帰っていいぞ。けど最後に聞きたいことがある。なんであの女子生徒の魔法の威力がわかったんだ?」
術式を読み取りましたと言い残しその場を後にした
「真由美、私はあの女子生徒を風紀委員に誘おうと思う。生徒会推薦してくれないか?」