仮面ライダー鎧武 外伝 「変身!光実、新たなるステージへ!」   作:ホールデン

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貴虎の思惟はディケイドのファイナルアタックライドのイメージです


仮面ライダー鎧武 外伝 「変身!光実、新たなるステージへ!」本章

仮面ライダー鎧武 外伝 「変身!光実、新たなるステージへ!」

 

《一線を越えた光実に躊躇はなく、遂に舞を誘拐してしまう。

鉱太は舞奪還の為、ユグドラシルの研究者•戦極稜馬と共同戦線をはりアーマードライダー鎧武、バロン、ナックル、グリドン、ブラーボ、デューク、マリカと共にユグドラシルタワーに乗り込んだ。数々の死闘の末、鉱太はオーバーロードへの覚醒を自覚し決戦への覚悟を新たにする。

そして鉱太と戒斗はオーバーロードの王ルシェオと邂逅を果たし、戦いを挑む。仲間が倒れていく最中、鉱太は遂にオーバーロードとして完全に覚醒してしまう。

熾烈な戦いの中、ルシェオはレデュエの騙し討ちにあってしまう。その姿を見た鉱太は激怒し鎧武極アームズとなりレデュエを撃破した。

しかし、ルシェオは黄金の果実を持っておらず、果実は舞の体内に埋め込まれていた。

そして戦いは"舞=黄金の果実"争奪戦へと移された...》

 

 

夜、雨、廃病院

薄暗い病院で手術台に舞が横たわっていた。

手術室とガラスで隔てられた隣の部屋で稜馬と光実はいた。

稜馬「このまま舞君は人間で無くなるかも。黄金の果実によってオーバーロードになる可能性が高い。」

稜馬はPCを使いながら、独特なイントネーションでそう言い放った。

光実「舞さんが化け物に...」

稜馬「彼女を救うには体内の果実を摘出するしかない。」

光実「そんなことが出来るのか?」

稜馬「私に任せたまえ。だが一つ問題がある...葛葉鉱太だ。」

光実「どうゆうこと?」

稜馬「彼は世界を救う為に黄金の果実を必要としている。だから舞君が始まりの女になることを望むはずだ。」

光実「世界を救う為に舞さんを犠牲にするっていうのか?バカな。」

稜馬「君は甘い。葛葉鉱太は異常だ。彼は自らオーバーロードになろうとしている。そんな人間が舞君のことを躊躇うと思うかい?」

稜馬「葛葉鉱太に舞君の治療を邪魔されたくない、だが彼の力は圧倒的だ。君のヨモツヘグリロックシードを持ってしても少し心もとない、そこでだ。」

光実「それは僕の。」

稜馬「そうヨモツヘグリロックシード。これを改良させて貰ったよ。君が使ってたブドウ龍砲とキウイ撃輪の強化版を使えるようにした。これで少しは葛葉鉱太に対抗できる。」

稜馬「だがこのロックシード、こんな物を使うなんて命が幾つあったって足りやしない。愛する者の為に命を捧げる...君のその覚悟見させてもらったよ。」

そういうとロックシードを机に置き、部屋を出た。

光実はロックシードを手に取り振り返り手術室へと一人入っていき、手術台に横たわった舞を見て呟いた。

光実「ねぇ舞さん...そんな顔しないでよ。もっと昔みたいな顔してよ!」

光実の目に涙が溢れ出た。

光実「なんでだろ、思い出せないや...あなた、昔どんな顔してたっけ...僕は何を守ろうとして、何の為に戦ってたんだっけ...」

光実(亡霊)「これが君がやってきたことの結果だよ。友達を騙してきた君が今更誰かと誰かと寄り添いあえる訳がないよね?」

光実は亡霊を無視して続けた

光実「それでもあなたは僕にとっての最後の光だ。あなたの為ならこんな命、投げ捨てたって構わない。」

光実(亡霊)「君の命に価値なんてないよ。舞さんの命と釣り合うはずがないよね?君は何も出来ないまま終わるだろぅ...」

光実「もう黙ってろよ...」

誰もいない部屋は光実の叫びが虚しく響いている。

光実の服の襟には茶色いヘルヘイムの植物が見えていたが本人は気付かなかった。

 

朝、曇り空、埠頭

葛葉鉱太は埠頭にいた。

鉱太「舞...一体どこ行った...」

誰かの気配を感じハッと振り返った。

鉱太「光実...」

光実「葛葉鉱太、あなたはこの僕が止める。」

鉱太「もう止めよう。俺たち本当は傷付け合う必要なんて無いんだ。」

光実「結局僕は何も勝ち取ることが出来なかった。それでも舞さんだけは!」

鉱太「お前まだそんなロックシードを使って...!」

光実「舞さんだけは何としても守り抜いてみせる!その為なら僕の命なんか...!」ヨモツヘグリ!

ロックシードを持った手が植物に侵食されいた。

鉱太「おい命って...それにそんなに植物に侵されて...」

『ロックオン!』

光実「変身...」

光実はロックシードを戦極ドライバーに取り付け勢いよくカッティングレバーを倒した。

『ハイィ〜ッ!』

アームド•アームズが光実の頭上に降りていき展開していった。

『ヨモツヘグリアームズ!冥•界•ヨミ•ヨミ•ヨミ』

光実「うっ...ああっ...!」

鉱太「おい!大丈夫か!?」

変身の副作用が体を蝕み、その禍々しい姿は水溜りに不気味に反射している。

鉱太「光実、大丈夫か!?」

光実は答えずえんじ色のブドウ龍砲を取り出し鉱太に向かって放ったが鉱太はかわす。

鉱太はメロンエナジーロックシードを握りしめた。

鉱太「くっ...貴虎、俺に力を貸してくれ」オレンジ!メロンエナジー...!

戦極ドライバーにオレンジLSとメロンELSをセットしカッティングレバーを倒した。

『ソイヤ!ジンバーメロン!ハハァー!』

炎の中から鎧武ジンバーメロンアームズは姿を現す。

光実はキウイ撃輪を投げつけるが鉱汰はソニックアローで跳ね返す。

光実は鉱汰の首を掴み、投げ飛ばした。

鉱太「そのロックシードはやばい!早く変身を解け!」

光実「自分の命だからって...惜しむものか!!」

鉱太「何バカなこと言ってんだ!」

『ヨモツヘグリスカッシュ!』

光実が撃つブドウ龍砲を鉱汰はソニックアローで防ぐ。反動で巨大な爆破が起こった。

その中からは緑のオーラを纏った鉱汰とその後ろに呉島貴虎の思惟が斬月•真のように見えた。

光実はキウイ撃輪で斬りかかり、それを鉱汰はソニックアローの刃で受け止める。

鉱汰は背後に回り斬りつける、同じく貴虎の思惟も斬りつけた。

鉱汰「もう止めろ!」

光実は答えない。

間をとり再度ブドウ龍砲を打ち込む。

『ヨモツヘグリスカッシュ!』

光実は更にキックをするがヨモツヘグリの力を酷使し過ぎ、倒れこんだ。

鉱太「あっ...!おい光実!止めろ!これ以上はお前の身体がもたない!もう辞めよう!なぁ!?」

光実「僕にはもう何も残されていない。もう舞さんだけなんだ!」

鉱太「光実...」

鉱太はメロンELSをソニックアローに取り付けた。

背後の斬月•真の思惟も同じくアローを構えた。

光実「舞さんだけは失うわけにはいけない!」

光実から出た邪悪な波動は貴虎の思惟すら凌駕し鉱太を廃工場まで吹き飛ばした。

鉱太「それほどの覚悟なのか...?俺も覚悟するしかないのか?」フルーツバスケット!

『ロック•オープン!』

『極アームズ!大•大•大•大•大将軍!』

鉱汰は無双セイバーを、光実はレデュエの杖を取り出す。

二人は互いに駆け出し刃を交え火花が散った。

 

光実の自暴自棄な攻撃に鉱汰は押されるばかりだった。

鉱汰は瞬間を見てレデュエの杖を抑える。

鉱太「もうよせ!死ぬ気か!?」

光実「それであんたを殺せるなら喜んで死んでやる!」

鉱太「光実...」

光実は鉱汰の腹にブドウ龍砲を打ち込み鉱汰を吹っ飛ばす。

光実「舞さん...振り向いてくれなくなったっていい、もう会えなくなったとしても。葛葉鉱汰、あんたに渡すくらいなら!」

『ヨモツヘグリスカッシュ!』

光実「うああー!」

『オレンジチャージ!』

鉱太は攻撃に備え構える。

光実は飛び上がり、鉱太に襲いかかる。

が、光実の斬撃を受ける瞬間、鉱太は無双セイバーを手から離した。

光実「何!?」

鉱太「ううっ...うあー!」

鉱汰の腹部にレデュエの杖が突き刺さる。

咄嗟に鉱太は光実のヨモツヘグリロックシードをベルトから外し、握り潰し、お互い変身解除された。すると腹部は大量の血が流れていた。

光実の攻撃で周りの物も破壊され羽毛が宙を舞った。

光実は実の兄を手にかけた瞬間を思い出した。

光実「あんた...わざと...」

鉱太「だって俺たち...この間まで友達だったじゃないか。」

光実「違う!僕は...」

鉱太「お互いどこで間違えたのか、どこが分かれ道なのか、正直俺にはよく分からない。でもなそんなに昔じゃないと思うんだ。だから...引き返そう。」

光実「引き返すなんて...無理だ。」

鉱太は光実は抱き締めた。

鉱太「バカだなミッチは。これから先どれだけ長く歩くか分かってんのか!?それに比べりゃ大した事ねぇって」

光実「そんな理由で僕を許すっていうのか?」

鉱太「あぁ許す。だからお前も...許してやれよ今日までの自分の間違いを...」

そう言うと鉱太は羽毛の中に倒れ込んだ。

光実「許せるかよ...許される訳ないだろ!こんなんじゃ僕は何一つ...」

光実は気が抜けたように立ち上がった。

光実「まだだ、まだ残ってる。責めて、責めて舞さんだけはこの手で救う。」

廃工場を後にした。

光実「それだけ出来たら、あんたに許されるだけの価値はあったと思うよ。鉱汰さん..」

 

光実が廃病院に戻ると凌馬は優雅にワインを飲んでいた。

凌馬「お帰り光実君。まさか無事に帰ってくるとは予想もしていなかったよ。」

光実「葛葉鉱太は倒した。」

凌馬「これまた予想外!」

光実「舞さんは?」

凌馬「オペは成功だよ。」

そう言われると光実はすぐに手術室に駆け込んだ。

光実「舞さん!」

手術台の上には血の気が引いて冷たくなった舞が横たわっていた。

綺麗な状態だが死んでいることは一目瞭然だった。

凌馬「いや〜難しいオペだったよ。何せ心臓と完全に融合していたからね。」

そう言いながら大きな試験管に光り輝く"黄金の果実=舞の心臓"を持ってきた。

凌馬「禁断の果実は無事だ。」

光実は凌馬を睨み付ける。

光実「あんたは、舞さんを救うって...!」

凌馬「というか、なんで私の言葉を鵜呑みにしちゃうかな。私がこの果実を狙っていることは君も知っていただろう。」

光実「僕は、一生懸命やったのに...」

凌馬「その子を助けるために利用しようとかそういう思惑だったんだろうねぇ。」

光実「貴様ー!!」

そう言うと光実は凌馬に殴りかかった。

しかし、光実は前の戦いで消耗しておりいとも簡単に投げ飛ばされた。

地面に倒れこむとドクンと心臓の鼓動を感じ手を見ると茶色いヘルヘイムの植物に包まれていた。

凌馬「あぁ〜あ、そりゃああんなにゲテモノのロックシードを使えば副作用が出るのも当たり前だよねぇ。どこであんなのを拾ってきたのだが。」

凌馬「それにしても君は本当に子供だなぁ。大人の手口というものを全く分かってない。」

そう言うと光実を蹴りつけ、胸ぐらを掴んだ。

凌馬「ハハッ...なぁ呉島の坊ちゃん!貴虎に教わらなかったのか?なぜ悪い子に育っちゃいけないかその理由を。 嘘つき、卑怯者...そういう悪い子供こそ本当に悪い大人の格好の餌食になるからさ!」

そしてまた光実を投げ飛ばした。

光実「どうして僕は、こんなに遠ざかっちゃったんだ?」

光実(亡霊)「君は遠ざかったんじゃないよ。ずっと同じ場所にいようとして立ち止まっていただけ。」

光実「...何?」

光実(亡霊)「そんな君を置き去りにしてみんなは先に進んでいった。それぞれの運命の向かう道を選んでね。」

光実「そうやってあんたはいつまで僕を嘲笑っていれば気が済むんだ?」

光実(亡霊)「君こそいつまで僕の影にすがりつくつもりだい?」

光実「え...?待てよ...待てったら!」

光実(亡霊)「君は何者にもなれなかった。その意味をもう一度よく考えてみろ。」

凌馬「何を一人でゴチャゴチャと!」

光実は段々呼吸が荒くなっていき手術台をたよりに起き上がると舞の亡骸が光と共にスッと消えた。

光実「うわぁー!!」

光実の身体が茶色い植物に包まれて倒れ込みそのまま動かなくなった。

凌馬「フッ呆気ない最後だなぁ。」

振り返ると試験管が眩い光を放ち金髪の舞が現れた。

始まりの女は倒れている光実は撫ぜた。

始まりの女「ミッチ...聞こえてないかもしれない。でももういいんだよ。そんな辛い思いをする必要なんてないの。私、決めたんだ。こんな悲しい結末にならないように精いっぱいの事をやってみる。」

そのまま始まりの女は光が弾けたように消えた。

凌馬「何が起こったんだ...」

凌馬はただ呆気に取られるだけだった。

 

 

《後に廃病院と辿り着いた戒斗と燿子は舞殺害の事実を知り激怒する。凌馬に戦いを挑んだ戒斗は窮地に立たされ、遂にヘルヘイムの植物を口にしてしまう。そして戒斗はオーバーロードへの覚醒を果たし凌馬に致命傷を与え転落死する。》

戒斗「これがヘルヘイムの力!」

《ヘルヘイムの力を手に入れた戒斗は黄金の果実を手に入れるため、凰蓮と城之内のドライバーとロックシードを破壊しザックを味方に付ける。しかしザックは凰蓮に爆弾の製作を依頼し戒斗を止めようとしていた。》

燿子「戒斗ォーー!」ピーチエナジー...!

《だが失敗し燿子は戒斗を庇い命を落としザックは戒斗にドライバーを破壊される。》

ザック「俺には守るものがある!犠牲を超えて戦う価値がある!」

戒斗「そうか...強くなったな...ザック!」

《鉱汰は戒斗と同じく果実を口にし決意を固める。時同じくして自衛隊のヘリが沢芽市に駆けつけ残った人々を救助して行った。》

城之内「どうして僕達がまだここに居るって?」

自衛隊員「はい、それは...」

貴虎「私が手配した。」

 

《運命の二人、鉱汰と戒斗は無数のインベスを連れて遂に対峙した...!》

 

鉱汰「お前を倒し証明してみせる!ただの力じゃない、本当の強さを!」オレンジ!

戒斗「それでいい。貴様こそ俺の運命を決めるに相応しい。」バナーナ!

 

戒斗「葛葉ァーー!!」

 

鉱汰「戒斗ォーー!!」

 

鉱汰「戒斗!悲しみや絶望の他に手に入れたものは無かったのか!?」

 

戒斗「今その全てを滅ぼす力に手が届く!貴様を超えた先に...!」

 

戒斗「これで終わりだ...葛葉...」

 

鉱汰「それでも...俺は...!」

 

《二人の壮絶な戦いは鉱汰の勝利に終わった》

 

戒斗「何がお前をそこまで強くした?」

鉱汰「守りたいという祈り。見捨てないという近い。それが俺の全てだ。」

戒斗「何故泣く?」

鉱汰「泣いていいんだ。それが俺の弱さだとしても...拒まない。俺は泣きながら進む!」

戒斗「お前は...本当に強い。」

 

《戒斗は鉱汰の胸を叩き命を散らせた。そして鉱汰は黄金の果実を手にし、始まりの男となった。そしてサガラは如何に世界を終わらせるかと問うたが鉱汰はそれを否定した。》

 

サガラ「甘ったれた事を言うな!破壊なくして創造はない。古い世界を生贄にすることしかお前達に未来は無いんだぞ!」

 

鉱汰「ここで道がないのなら別の世界を探せばいい。諦めない限り道はある。この世界を滅ぼして支配するよりも新たな世界を一から創り出す。これが俺達の新しいステージだ。」

 

《空に巨大なクラックが開きヘルヘイムの植物、動物、光実を蝕んだ茶色の植物も全てを吸い込んだ。》

 

サガラ「ヘビと呼ばれた俺がこう言うのはおこがましいが...産めよ。増えよ。地に満ちよ。さもなきゃどうにもならんぞ。」

 

三ヶ月後

 

《呉島貴虎の手配により沢芽市の復興は進んだがまだまだ被害は残っていた。

かつてアーマードライダーとして戦ったザックは傷が残ってはいるがビートライダーズに復帰し、城之内と凰蓮はシャルモンを再オープンした。

そして、光実は...》

 

 

朝、病院、ベット

貴虎はベットに横たわる光実をみてさっきの医師との会話を思い出していた。

 

医師「ヘルヘイム災害の後、救助が来るまでずっと昏睡状態だったことになりますし、生きてるだけでも奇跡のようなものです。」

貴虎「それじゃあ回復は...」

医師「残念ながら...植物はないが前のヘルヘイム症候群と同じ状態なんです。いや、それより酷いかも...現代の医療ではとても...」

 

貴虎「光実...」

 

Team.鎧武ガレージ

 

貴虎「ここは...ビートライダーズの?」

鉱汰「よう!」

貴虎「葛葉...鉱汰?」

鉱汰「邪魔しちゃって悪いな。でも、もうあんたとはこんな形でしか話しが出来なくてな。」

貴虎「そうか...やはりお前はもう行ってしまったんだな。」

鉱汰「あぁ、にしても貴虎、あんたはよくやったよ。そんで、もう十分過ぎるほど苦しんだ。あんたが背負っていたのは一人で引き受けるには重すぎる荷物だったしな。」

貴虎「お前にそう言われるとはな。」

鉱汰「だけど一つだけまだ伝えてほしい事がある」

貴虎「この期に及んで...か?」

鉱汰「あんたにしか出来ない。他の誰でも駄目なんだ。」

貴虎「私に何をしろと?」

鉱汰「ミッチはもうすぐに目覚める。」

貴虎「あいつが私の言葉を聞き届けるだろうか?」

鉱汰「大変なのは分かってる。今ではもう、あそこの場所はミッチには辛い場所になるだろう。いっそこのまま眠り続けた方が幸せになるかもしれない。」

鉱汰「でもな、ミッチに伝えてほしい。どんな過去を背負っていようと新しい道を探して先に進む事が出来るって。」

貴虎「それは私にも出来なかった事だ。」

鉱汰「人は変わる事が出来る俺みたいな奴でさえ違った自分になれたんだ。変身だよ!貴虎。」

貴虎「葛葉...」

鉱汰「今の自分が許せないなら新しい自分に変わればいい。それが出来るって事をミッチにも教えてやってくれ。貴虎、あんたが変わる事で。」

貴虎「そうか...確かに難題だな。」

鉱汰「引き受けてくれるか?」

 

貴虎「分かった...」

貴虎は自分の寝言で夢から覚め、自分が病室の椅子に座ったまま寝ている事に気付いた。

貴虎「あっ...」

ベットに横たわっていた光実は目を開きこっちを見た。

貴虎「光実...」

 

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