金色の狐、緋色の尻尾   作:花海棠

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前編・後編ぐらいで収めたかったけど、長くなってしまったので三部作になりました。
いろいろと、オリ主の秘密が明らかになっていきます。

小生は、必死に頑張った瀬戸際の勝利、というのがわりかし好きなので、オリ主には強さと同じぐらい弱点もある予定です。

2015/04/24最終投稿。
2015/10/20名前変更。


4.『波の国・中編』

ようやくタズナの家にたどりついた一行だが、カカシは写輪眼の影響で一週間ほど動くことが出来なくなっていた。

そして気づいてしまった、追い忍の少年の行動の矛盾――おそらく、再不斬は生きている。カカシは再不斬らとの再戦に備えて、ナルトたちに修行を課した。

 

「――と、その前に。カミナ、お前身体の調子はどうだ?」

 

カミナは未だ布団の中に居るカカシに対し、すで普段通りの動きができるようになっていた。到着したころに比べて顔色も良くなっている。

 

「あ、はい。……まだちょっとだるいですけど、痛みの方は引きました。もう普通に動けます」

「おそらく、身体の不調は影分身によるチャクラ不足だな。何度も言うが、影分身は本来上忍レベルの術だ。ムリに使おうとすれば、命にも関わるんだからな。気を付けるように」

「はい」

「なんでナルトは、そんなにすごい術が使えんのよ?」

「ニシシ!オレってばスゴイ?スゴイ?! じつはこの術、前に火影のじっちゃんから――」

「こら、ナルト。それは極秘事項だって、火影様に何度も注意されたでしょーが。約束守らないと、今後の任務外されるぞ」

「ノぉーー!!それはダメだってばよぉ!!」

「うるせぇぞ、ウスラトンカチ……それで、カミナが倒れた本当の原因は何なんだ?あの様子は、尋常じゃなかったぞ」

 

サスケもそっけない割に気にしてくれているらしい。カミナはそんな気遣いがうれしくて、サスケに「心配してくれたの?」と聞くと「別に……任務中に、また倒れられたら困るかなら」とまたそっけない返事が返って来た。その時、そむけた顔の耳が赤くなっているのを、カミナはくすくすと笑みを浮かべて気づかないふりをした。

その様子を、サクラがじと目で見遣り、ナルトがサクラから放たれる黒いチャクラの気配(オーラ)にびびっていたとか。

 

「うーん、まぁたぶんなんだけど……カミナ、ちょっとこっち来て、服脱いでくれる?」

 

 

……………。

 

 

「「「ハァッ!?」」」

 

「……え?」

「カっカカシ先生!? な、何言ってんだってばよ!?この変態上忍!エロマスク!」

「え、ちょっ……はぁ、誤解しないでよ。ちょっとカミナの痛がってた箇所を見るだけだよ。ただの診察、わかった?」

 

教え子たちの反応にちょっと傷付きつつ、カカシはカミナの痛みを訴えた部分を観察した。

その間、ナルトとサスケはサクラに強制的に後ろを向かされており、しかしナルトの「カミナとはちっちゃい頃何度も一緒に風呂入ってっから、今更だってばよ」という独り言を二人に聞きとがめられ、ナルトはサスケの射るような視線とサクラの容赦ない胸ぐらを掴まれたシェイクに晒されてしまい、カカシの声がかかる頃にはへろへろになっていた。

そしてサクラたちは、ナルトとカミナがアパートのお隣同士で幼馴染の間柄というのを、この時ようやく知るのだった。

 

「……痣になってるな。ちょうど、タズナさんに変化させたカミナの影分身が斬られた位置と、同じ箇所だ」

「でも、攻撃を受けたのは影分身の方でしょ?なんでカミナの身体に?」

「んー、なんて言えばいいか……カミナの影分身はおそらく、ナルトのものより性能が良すぎるんだなぁ」

「「「?」」」

「カカシ先生ぇ……ソレじゃ意味わかんねぇってばよ」

「ま、口で説明するより、実際見比べてみたほうが分かりやすいでしょ。カミナ、ナルト。ここに一体ずつ、影分身だしてちょうだい」

 

「「?……影分身の術!!」」

 

カカシの意図が分からないまでも、二人は影分身を出した。見た目に違いは全くない、オリジナルとうり二つの分身体だ。

 

「影分身の二人はこっち来て、そこに座って。……動いちゃだーめよ?」

 

―――ばちんっ――

 

「だあッ!!」

 

――ボヒュンッ――

 

まず、カカシの前触れの無い強烈なデコピンをくらって、ナルトの影分身が消えた。

 

「なにすんだよっ、カカシ先生!せっかくの影分身消えっちゃったじゃんか。しかも、すんげー痛そうな音……」

「まぁまぁ。次、カミナね」

「う……はい。――いだッ!!」

 

ぎゅっと目をつぶって構える影分身のカミナは、先ほどの影分身ナルトと同様にいい音を立てたデコピンをくらう。影分身は悶絶して後ろにのけぞると、そのまま額を抑えてうー、うー、と痛みに耐えるようにうずくまってしまった。

 

「うわぁ…イタそ…」

「……おい、なんでカミナの影分身は消えないんだ?」

「「あっ!!」」

「つまりな、カミナの影分身はナルトのものよりいくらか頑丈だっていうことだ。影分身は通常ある程度の衝撃を加えれば消えるものだが、カミナの場合その耐久度が高い。戦闘中なんかだと、消えない仲間が居ると言うのは一見心強くみえるが……カミナ、影分身を解いてみろ」

「………"解"!」

 

カミナはすでにカカシの言わんとする意味に気が付いたのか、若干顔をしかめて解の印を組んだ。

 

――ボヒュンッ――

 

「ッ、いったぁーーーー!!」

「うおっ!?どぉしたってばよ、カミナ!?」

「えっカミナ!?」

「……そういうことか」

「そ。どうやらカミナの影分身は性能が良すぎで、影分身が体験した痛みとかも本体に還元しちゃうみたいね」

 

そもそも影分身の術は、危険な場所への偵察や情報収集に使う術でもある。潜入先で情報を得た影分身体をその場で解くことで、本体を危険に晒すことなく情報のみを蓄積することができるのだ。

しかしカミナの場合、還元される際に余計な影分身の得た痛みまでもリアルにフィードバックしてしまうようだった。

 

天才ゆえの不器用さと言うべきか。

しかし、習得してまだ日の浅いはずのこの術を、カミナがここまで高性能に使用できるのは一体何故なのか……。

 

なにはともあれ、諸刃の剣であるとわかったカミナの影分身は、コントロールができるようになるまで使用禁止となった。これには普段素直なカミナも不満の色を隠させなかったが、背に腹は代えられない。戦闘中に自身の不調によってチームを危機に晒すわけにはいかないからだ。

 

 

◆◆◆

 

 

ナルトたちは、場所を近くの森に移して修行に取り掛かった。

 

カカシが課した修行は、"手を使わない"木登り。これはチャクラの"調節(コントロール)"と"持続力(スタミナ)"を身に着けるため、足の裏にチャクラを集めて、垂直に立つ木を駆け上がると言うものだった。

 

「よっしゃーー!いっくぞォーー!!」

 

――ダダダダッ、ガッ、つるっ…ゴチッ!!――

 

「いっっってェーー!!!」

 

今一番伸びている男と調子づいていたナルトは、勢いよく木に足を掛けたが……第一歩目から、落ちた。

足の裏に貯めたチャクラが弱すぎて吸着力が生まれず、身体を保持できなかったのだ。

 

――ダッダッダッダッ……バキっ!――

 

「ぐっ―――うわっ…!!」

 

――ガッ!!――

 

中腹まで上ったサスケだが、途中でチャクラに弾かれてクナイで印をつけると同時に地面に下り立つ。サスケは、予想以上に困難なこの修行の厳しさを感じた。

 

「案外カンタンね!」

 

最も高い位置にクナイを刺していたのはサクラだった。

今のところ、チャクラのコントロールが最も上手いのはサクラ、かに思えた……

 

「いててて…アレ?……カミナってば、どこいった?」

 

ナルトがきょろきょろしており、確かにカミナの姿が見えない。サクラもサスケも気付いてあたりを見渡していると、不意にがさっと近くの木の葉が揺れた。

 

「わっ!カミナ!!…もう、びっくりしたじゃない!!」

「あ、ごめんサクラ……あの、カカシ先生……」

「ん?どうした?」

「……てっぺんまで登れちゃったんですけど、この後どうすれば?」

 

「「「「……え?」」」」

 

一息で木を登り切ったカミナは、誰も頂上まで登ってこないことに途方に暮れて、止む負えずとぼとぼと"歩いて"木の幹を降りてきたのだそうだ。現に、サクラが座った木の枝と同じ高さに居るカミナは、木の幹に足を着けたまま、まるで地面の上にいるかのように自然に"立っている"。

 

「「「………。」」」

 

「………(汗)」

「(……まぁ、カミナはすでにあれだけ精巧な影分身ができるんだ。今更、チャクラコントロールの修行は必要ないだろうな…)」

 

しかし、さすがに一発で頂上まで登り切れるとはカカシも思っていなかったので、ここは正直に驚いていた。

その後、すでにチャクラコントロールの良いサクラとカミナはスタミナをつけるために、ナルトとサスケはとにかくより高くまで登れることを目指して、4人はひたすら木登りを続けた。

 

 

◆◆◆

 

 

木登りの修行を続けること、早5日。

修行の成果が芳しくないナルトとサスケは今日も木を登り続け、サクラとカミナは修行の合間にタズナの護衛を行っていた。

 

しかしながら、橋の建設はガトーを恐れて去る仲間たちが後を絶たず、そして予想以上にひどい貧困に苦しむ波の国の現状を目の当たりにしたサクラたちは、修行を続けているだろうナルトとサスケに思いを馳せ……一刻も早く、この国の人たちに希望の橋が架かることを願った。

 

その夜、ナルトたちはタズナから、かつてこの国の英雄と呼ばれたタズナの孫イナリの父親のことを聞かされる。ガトーの侵略により、イナリの義父であったカイザは、国民たちの前で公開処刑されたのだ。以来イナリは心を閉ざしてしまっていた。

そしてナルトは、「この世に英雄(ヒーロ)ーがいるってことを 証明してやる!!」と宣言して、再び修行をしに出て行ったのだった。

 

 

◆◆◆

 

 

「(……ナルトったら、あれからずっと修行をしていたのかしら?朝になっても帰ってこないなんて……)」

 

翌朝、いまだ帰らぬナルトが心配になって、カミナは早朝の木漏れ日が差し込む森の中を歩いていた。

すると、森の奥から人影が歩いてくるのが見えた。ナルトかと思ったが歩き方で違うと分かり、近づくにつれてそれがとてもきれいな"少年"であることが分かった。一瞬女の子に見えたのは、それが無理からぬぐらい彼が可憐な容姿をしていたからだ。

 

「おはようございます。お散歩ですか?」

「あ…はい。ぁ、いえ…友達を探していて…」

「もしかして、オレンジの服を着た男の子?」

「知っているんですか?」

「この先で会いましたよ。修行をしていたそうで…薬草摘みを手伝ってもらって、とても助かりました」

「ナルトらしいです」

 

この国の住人だろうか。少年の淡雪のような笑顔につられて、カミナも自然と笑みを返す。会釈してナルトの元へ駆けていくと、カミナはふと背後を振り返った。そこには少年がまだ居て、じっとカミナを見ていた。その視線に何かを感じながらも……カミナは、森の奥へと向かって足を速めた。

 

カミナの駆け去った後に、少年は――白の姿は、すでにその場から消えていた。

 

 

◆◆◆

 

 

さらに一日が経過して、修行7日目。

日がとっぷりと暮れるまで修行を続けていたナルトとサスケは、森の中で最も高い木の頂上まで登ることができるようになり、明日からは全員でタズナの護衛に付くこととなった。

 

そんな話をしていた矢先、部屋に居たイナリが突然ナルトに向かって喚き出した。

 

「なんでそんなに必死に頑張るんだよ!!修行なんかしたって、ガトーの手下には敵いっこないんだよ!いくらカッコイイこと言って努力したって、本当に強いヤツの前じゃ弱いヤツはやられちゃうんだ!」

 

ナルトたちが必死になればなるほど、イナリは亡き父カイザとの思い出が蘇り、そしてガトーに殺された父の最後の姿が瞼に焼き付いて離れなかった――父は、カイザは……イナリの英雄は、結局は自分と波の国の民を守れず殺されてしまったのだ。

大好きだった父の強さが嘘になったことを信じたくなくて、何もできなかった自分が惨めで……ガトーの恐さを知らないナルトの大言を語る姿が、疎ましかった。いや、妬ましかったのだ……まぶしいほどに光に溢れたナルトの笑顔が、父カイザの笑顔に重なって見えて……

 

「お前にボクの何が分かるんだ!」

「………だから、悲劇の主人公気取って、ビービー泣いてりゃいいってか……お前みたいなバカはずっと泣いてろ!泣き虫ヤローが!!」

「っ!!(びくっ)」

 

ナルトの大声にイナリは身をすくめる。ナルトがふて腐れたように居間を出ていった後には、イナリのすすり泣く音だけが小さく響いていた。

 

 

真夜中。

家の縁にある桟橋で膝を抱えていたイナリの元を訪れたカカシは、彼にナルトの生い立ちを話した。イナリとナルトの辛さや苦しみは比べられるものではないが、同じ痛みを抱える者として、ナルトは一番イナリの気持ちが分かるのかもしれないと……だからこそ、ナルトはイナリを放ってはおけないのだと、カカシは優しくイナリに諭すのだった。

 

「――ああいう年頃の相手は、難しいねぇ…」

「……でもきっと、イナリ君はわかってくれましたよ」

 

イナリが部屋に戻った頃合いを見計らって、カミナがカカシの傍にやってくる。ふたりはしばらく、寄せては引く波の音に聞き入っていた。

 

「……なぁ、カミナ。お前、その腹の傷は…」

 

カカシは、少し言いにくそうに口を開く。こと人間関係に関しては器用ではないと自覚のあるこの大人は、不器用なりに女の子のカミナを気を使っての言葉だった。

――数日前、再不斬に斬られたカミナの傷を(斬られたのは影分身だが)診た折、カカシは彼女の腹部にある傷痕に気が付いた。

へそを中心に胸元のやや下から腰のあたりにかけて、元来柔らかな肌色を持つカミナの皮膚の色が、その部分だけわずかに異なった色合いをしていたのだ。……まるで、腹部の広範囲にかけて他者の皮膚を移植したような、そんな治療痕だった。

 

「……わからないんです。私は6歳の時に気が付けばある里に居て、そこから木ノ葉隠れに来ました。…あの里に、居てはいけないと言われて……その里で過ごした数か月と、木ノ葉に来てからが私の記憶のすべてなんです」

 

カミナは木ノ葉隠れの里外の出身であるほかに、里に来た当時の6歳から、それ以前の記憶がなかったのである。そして、忍者アカデミーに入ってすぐ、カミナは自身の異質性に気づく。

――どこか、はじめて聞く話では無いような忍の知識。他の同期たちより遅い入学であったにも関わらず、体術のスキルは平均値以上に備わっていた。周りや教師はそれを才能があると褒めてくれたが、それがいかに"普通"ではないということに気づいたカミナは、己の全力を隠すようになった。ナルトの為だけではない、カミナは自衛の為、卑怯な処世術を使っていたに過ぎなかった。

 

 

「……カカシ先生。私って、いったい何なんでしょう?」

 

そう答えのない問い掛けをするカミナは、今――闇色に染まった"海面"に、泣きそうな笑顔を浮かべて"立って"いた。

 

木登りよりも、より緻密なチャクラコントロールを必要とする水面歩行まで、カミナはすでに完璧にマスターしていたのだ。

カミナは優しく、そして賢い女の子だった。理由はともあれ自身の卓越した才能を、誇るでなく驕るでなく、彼女はむしろ恐怖を抱いていた。

 

「お前はお前だよ、カミナ」

 

そう言って、カカシは桟橋の上から海面に居るカミナに向けて手を差し出した。顔の半分以上を覆い隠すカカシだが、唯一表情のうかがえる右眼は、温かな光を宿していた。

 

――正直、お前の才能にはオレもびっくりだ。……だがな、お前がだれであろうと、お前はオレの部下で、第7班の仲間で、ナルトの幼馴染で……木ノ葉隠れの里の、火の意思を継ぐにふさわしい忍だ。

オレ、言ったよね?仲間を頼れって。ナルトはバカで、サスケは面倒くさい性格で、サクラは恋に一生懸命すぎるけど、皆カミナのことが大好きだから……カミナが不安で困った時は、それを一緒に背負ってあげるぐらいには皆頼もしくなってきてるよ?

 

「あとは……お前が、皆を信じなきゃね?」

「……私、皆のこと信じてますよ?」

「本当に"信じる"ってことは、とても難しいんだ。信じているつもりでも、心のどこかで皆に遠慮していることがあるんじゃないのか?」

「………。」

「その顔は図星だねぇ」

「……無理なんて、してません。でも……自分でも分からないことを、どう頼ればいいのか…」

「今はそれでいいんじゃない?考えすぎもよくないしね」

 

何より今は任務中。明日からは…いや、明日にでも、再不斬たちとの死闘が始まるかもしれない。

カミナはおそるおそる迷うように、それでもしっかりと差し出されたカカシの手を握った。カカシも強く握り返して、そのままカミナを桟橋の上に引っ張り上げる。

 

「少なくとも今のお前には、こうして伸ばした手を握り返すオレと仲間が傍に居るんだからな。覚えておいて。……お前は、オレみたいな失敗はするなよ…」

「え?」

「んー、なんでもないよ」

 

カカシは笑って、カミナに就寝するように促した。

パタン…と閉まる戸。遠ざかっていく気配に、カカシはふぅ…と小さな吐息を零す。

 

「…盗み聞きは、よくないよねぇ?」

 

ナルト、サクラ、サスケ――カカシが呼ぶと、なぜか落ち込み顔のナルトと、ばつの悪い顔をしたサクラが家の影から出てきて、サスケが屋根の上から音も立てずに飛び降りてきた。

 

「……俺たちが聞いているのを知ってて、あえて話を止めなかっただろ。アンタも同罪だ」

「手厳しーな、サスケくんは。……でも、聞けて良かっただろ?」

「フン」

「…ちょっとナルト。あんた、なに落ち込んでんのよ?」

「サクラちゃん……オレ、カミナがあんな風に悩んでたの、知らなかったってばよ……」

 

どうやらナルトは、幼馴染でありながらカミナの苦しみを知らずにいたことが思いのほかショックだったらしい。

 

「カミナのやつ、いっつもニコニコしてっから…そりゃ、脱いだ靴ちゃんと並べなかったり洗濯物散らかしていると怒るけどさ、オレの苦手な野菜美味しくなるようにメシ作ってくれたり、アカデミーの宿題手伝ってくれたり、部屋の掃除してくれたり……オレってば、すんげーカミナの世話になってばっかで――」

「ちょ、ちょちょちょっと! ナルト、カミナにそんなことまでさせてるわけ!? てか、洗濯にご飯ってッ…それ、幼馴染って言うより、もうおくさ――」

「あー、サクラ?いま夜中だからな、静かにね?」

 

ずぅーーんと落ち込むナルト、トキメキに眼を輝かせるサクラ、その声音の大きさを注意するカカシ、そしてサスケは「カミナのメシだとっ…ウスラトンカチの分際でッ…!」と、静かなる嫉妬と殺気をナルトに向けているのだった。

 

 

 

 

 

 


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