危ない男が異世界から来るそうですよ   作:霞ヶ丘スペンサー恵

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はい、どうも作者の岡崎渚です。


30、開始

(昨日のやつの話によれば、忠告したそうじゃからな。心配はいらんじゃろう。)

 

 

「さってと、やりますか。」

「……夫婦の絆を見せる時。」

「夫婦はともかく絆を見せるときではあるな。」

「……"夫婦の力"を見せるとき。」

「いや、そもそも夫婦じゃ」

「……何か問題がある?」

 

アイアンクローをする耀。

 

「びびべばびぼごばびばべん。」

「……ならいい。」

(ひ、日に日に頭を掴む力が強くなってる)

「では、場所へ二チームを移動させる。両チームともお手を拝借」

 

四人ともてを叩く準備をする。

そして、バシンと手を叩くと木で囲まれた場所に出た。

 

「ふーん。ここが対戦場所か~」

「……けっこう広い」

「あんたらが対戦相手?」

「不満そうだな。」

 

不機嫌な目で見ているアーシャに問う伊織。

 

「ああ。不満で不満で仕方ねえ。」

「そっちのカボチャさんもか?」

「yahohohoho~」

「まあ、そっちは"ウィル・オ・ウィスプ"様に対してこっちは"ノーネーム"そりゃ不満で不満で仕方ないわ。」

 

わはははと笑う伊織。

 

「でもここまでこれた実力はみとめてるぜ。」

「で、どんな感じだ耀」

「こら、無視すんな 」

「……この感じ根の中みたい。」

 

なるほど概ね先に出たもん勝ちってことか。

 

「へえ、ここは根の中なんだ。教えてくれてありがとう。」

「はっ、いいよ。しっかし早く来いよなうさぴょん。始められないじゃん」

「お待たせいたしました。」

 

突如空間に(ひび)が入り、現れた黒ウサギ。ホストマスターによって作成された"契約書類(ギアスロール)"を振りかざした黒ウサギは、書面の内容を読み上げる

 

『ギフトゲーム名"アンダーウッドの迷路"

・勝利条件

 

1、プレイヤーが大樹の根の迷路より野外に出る。

2、対戦プレイヤーのギフトを破壊。

3、対戦プレイヤーが勝利条件を満たせなくなった場合(降参を含む)

 

敗北条件

 

1、対戦プレイヤーが勝利条件を一つ満たした場合。

2、上記の勝利条件を満たせなくなった場合

 

 

「ー "審判権限"の名において。以上が両者不可侵であることを御旗の下に契ります。御二人ともどうか誇りある戦いを。此処にゲームの開始を、宣言します。」

 

いい終えた瞬間。

 

「いけ、耀。」

「……先手必勝」

「ちっ、やられた。ジャックさん。」

 

追おうとする二人。

 

「いかせるとでも?」

「ちっ、邪魔だな。ジャックさん。」

「YAッFUFUUUUU!!」

 

炎を出す、二人。

 

「しゃらくせぇ!!」

 

それをなぐって消す伊織。

 

「そこの嬢ちゃんいってもいいよ。殺ろうぜパンプキン」

「いきなさいアーシャ。」

「ジャックさん……わかった。」

 

たたたっと走っていくアーシャ。

 

「よーし、けっこう楽しみだったんだぜジャック・オーラタン」

「ヤホホ。やはりばれておりましたか。」

「ったりめえだ。しかもあの嬢ちゃんが作ったんじゃねえな。」

「流石です。その通り。生と死の境界に顕現せし大悪魔!ウィラ=ザ=イグニファトゥス製作の大傑作!それが私、世界最古のカボチャのお化け…………ジャック・オーラタンです。」

「……お前は元は人間(..)だな?」

「その通り。我がコミュニティー"ウィル・オ・ウィスプ"は人間の遺体を復活させております。」

「なるほどだからお前に"切り裂きジャック"に似た感覚を持ったのか」

「!?なぜその名を?」

「あ?なぜってだって俺の世界だと……俺が倒しちゃってんだもん」




いかがでしょうか?
まだもう少し続きますね

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