場所は箱庭2105380外門ぺリベット通り・噴水広場前
「ジーン、ジーン疲れた。黒ウサギのおねぇちゃんはまだ戻ってこないの?」
「私達もう疲れちゃった」
「‥‥そうだね。皆は先に帰ってて。僕は新しい仲間と、黒ウサギをまってるから。」
「じゃあ頼んだよジン君」
そういって子供達数人は、自分達のコミュニティーに戻っ
ていった。
(なんか箱庭の外に作られた国が、最近活発になってきたけど、やっぱりぺリベット通りは"世界の果て"と向かい合っているから、閑散としているからなぁ‥‥)
箱庭世界における"国"の定義とは、超巨大コミュニティーの俗称である。明確な"世界の果て"が存在する箱庭の世界だが、その表面積は恒星に匹敵するとまで云われている。
(もしやって来た人達が、使えない人達だったら‥‥‥‥僕達も箱庭を捨てて、外の世界に移住した方がいいのかな)
ぼーっと呆けているジンのもとに黒ウサギが戻ってきた
「ジン坊ちゃーン。連れてきました。」
そこには、女性二人が
「黒ウサギ!!そちらのお二方が?」
「ええ。こちらの4人様方が‥‥ってあれ?」
さっきまで、そこにいたと思っていた"THE問題児"逆廻十六夜と、なぜかはわからないが、褌姿の残念なイケメン加賀伊織が消えていた。
「いったいどこへ‥‥」
「黒ウサギ、私伊織君から手紙を貰っているわ」
飛鳥が貰った手紙には
Dear黒ウサギ
なんか十六夜が「"世界の果て"まで行ってくる」とか、面白い("面白い"の部分に横線が引かれている)ふざけたぬかしてるから、付いて("付いて"の部分に横線が引かれている)お灸を据えてくる。あと、ついでに《水源》を頂いてくる(はあと)
PS 付いてきたければ自慢の足でおいで~
「はあと‥‥じゃねぇですよ‥‥ジン坊っちゃんお二方を頼みます。伊織さんのお陰で場所はわかりましたから、そこに向かいます。いいでしょう。私の足を見せてあげますよ」
「ま、まずいよ黒ウサギ。あそこには野放しにされている"幻獣"が」
「幻獣?」
「ええ、ギフトをもった獣を指す言葉で、特に"世界の果て"付近には強力なギフトをもったものがいます。出くわせば最後、とても人間では‥‥」
「それじゃあもう彼等はゲームオーバー?」
「‥‥あ、そう言えば、もう一枚飛鳥が紙を渡した後に渡しておいてって言われた物が」
そこには
Dear黒ウサギ part2
いや~吃驚だね、黒ウサギまさか"幻獣"がいるなんてΣ(゜Д゜)
でも大丈夫。僕、加賀伊織がいるからね。あ、はやくおいで~じゃ、待ってるよ~。
「なんであの褌さんは、幻獣のことを知っているんです?もしかして‥‥彼ってとんでもないワイルドカードなのですか?‥‥ってすみませんジン坊ちゃン。いってきます。」
「わかった。じゃあ、お二方は私に付いてきて下さい」
「よろしくお願いします」
「本当に、あの伊織君は何者なの?」
「‥‥只の変態ではない」
「なんで褌なのでしょう?あ、紹介が遅れました。僕は、ジン=ラッセル。僕達のコミュニティーのリーダーです。」
「私は、久遠飛鳥。飛鳥でいいわ」
「‥‥春日部耀」
お互いに話した後、三人は大通りに向かった
一方、所代わって黒ウサギside
(まずい、まずいのですよ。よりによって幻獣なんて‥‥)
ひたすら広大な森林を駆けていた。すると途中で
「十六夜さん!?」
逆廻十六夜が倒れていた。相当な怪我である。
「や、やはり幻獣が」
「いや、恐らく獣程度なら楽勝だ。相手はもっとヤバイ」
「い、一体誰です?」
話していると、ドゴォォォォォォンという、天変地異が起こったかのような音
「なに、唯 加賀伊織にお灸を据えられただけさ。」
黒ウサギが音の方へ進むと、そこには
「はーいこれで39回目だよ~。残念だね後1回だよ。」
箱庭でも決して弱くない、只の"人間"では勝つことどころか、傷一つ付けられる相手ではない。その《蛇神》をまるで子供が人形を扱うように‥‥
「おー遅かったなウサギさん。後1回で終わるから待ってて~。あ、十六夜も起きた?」
「ああ、漸く終わるのか。さあ一思いにやってくれ」
「ああ、暇潰しにはなったかな?」
「えーっと、とりあえず状況を‥‥」
「はっはっは。ウサギちゃん君のコミュニティーの惨状を皆に教えないのに、俺に先に教えろって?そいつは都合の良いお話しで」
「!?」
そこには、さっきまでの"褌姿の変態"の姿はなかった。しかし、
「まあ、ウサギちゃんが話さないと言うなら、僕は他のコミュニティーにいくけど?」
「!?それは困ります。わかりました、お答えします。」
「まあ、僕はわかってるけどね~」
「そ、そうです。なぜ私に手紙を出したときに、幻獣の存在を知っていたり、《水源》をとってくるといって、的確に蛇神の元へいけたのですか?」
「うん。じゃあ説明しよう。十六夜君も気になるでしょ?ぶっちゃけ」
「ああ、気になるね。」
「じゃあ僕の能力ここで言うギフトを教えよう。僕と元々の能力は『相手の使った能力をコピーする能力』と『あらゆる現象を昇華・退化させる能力』さ。例えばウサギちゃんさっきみたいに走ってみて」
「はあ、では‥‥ってあれ?」
先程までぴょんぴょんと跳ねていた黒ウサギが全く跳べなくなっており、普通の人間のジャンプ程度になっていた。
「これが相手の能力を退化させる能力。んで、十六夜君との勝負で使った能力が『相手の使った能力をコピーする能力』と『あらゆる現象を昇華する能力』さ。」
「なるほどな。ということは一撃必殺じゃない限り、あんたは負け無しってわけか‥‥」
「おっ、頭の回転はまずまずだね。そう事実上僕は無敵さ。ウサギちゃんに手紙を送ったときは『未来を透視する能力』。ウサギちゃんのコミュニティーの惨状を知ったのは『相手の考えを透視する能力』だね。」
「そ、そんな能力‥‥最強じゃありませんか。」
「いや。今でこそ何人もの"異能者"にあったから"最強"ではあるが、最初は弱いからね。まあ、チート能力だとは思っているけど。」
「じゃ、十六夜君には僕が知っている彼女のコミュニティーの惨状を『能力を創造する能力』で今作った『記憶を譲渡する程度の能力』を使って見せてあげよう」
いかがでしょうか?
褌男の変態なのに‥‥
あ、因みに蛇神との戦い以外服は着てますよ
ではまた次回