ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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第88話 英(略)とデートと……?

〜NoSide〜

 

町にある廃工場にグレモリー眷属+イリナが訪れていた。もう日が暮れて人もいないはずだが、廃工場から多数の人の気配がし、こちらに殺気を飛ばしていた。

 

「……グレモリー眷属か。嗅ぎつけるのが早い」

 

暗がりから一人の男が出てきた。その男は黒いコートを着た男性でその周りには人型の異形な存在がたくさんいた。リアスが一歩前に出て。

 

禍の団(カオス・ブリゲート)……英雄派ね?ごきげんよう、私はリアス・グレモリー。三大勢力からこの町を任されている上級悪魔よ」

 

リアスが挨拶をすると男は。

 

「ええ、よく知っていますよ。魔王の妹ですよね?我々の目的は貴様達、悪魔を浄化しこの町を救うことですから」

 

男はグレモリー眷族をごみを見るような目で見てくる。すると男の横から人影が前に出てきた。出てきたのは異形の生物ではなく人間だった。一人はサングラスをしていて顔はわからないが男だ。もう一人は中国の民族衣装的な物を着ていた。

 

「浄化ねえ……ならお前らが消えろ。くそテロリストども」

 

男たちがさらに殺気立つ。

ここ最近、英雄派が各勢力の重要拠点を度々襲来してくる事件が多発しており、ルフト達はそれらを迎撃している。

すると黒いコートを来た男の手から白い炎が出てくる。

 

「っ!また神器(セイグリッド・ギア)所有者か」

 

英雄派はその大部分が神器所有者だ。故に襲撃してくるものも大多数が神器所有者だ。

 

「困ったものね。ここのところ神器所有者とばかり戦っているわ」

 

リアスは溜息をつきながらそう言うものの、全くと言っていいほど困った顔をしていなかった。その瞳には揺らぐことのない決意がこもっていた。

 

「さて……じゃあ行くわよ!みんな!」

 

「「「「「「「「「「はい(おお)!!!」」」」」」」」」」

 

〜NoSideout〜

 

〜ルフトSide〜

 

おれたちと英雄派の戦いは終始おれたちが圧倒して終わった。いくらカウンターと技術で翻弄しようとおれたちにはその程度では通用せずに殆どを捕まえ、異形を殲滅した。ただ一人だけギリギリで逃げられた。イリナやアザゼルの考察によると英雄派がおれたちを中心に襲う訳は、禁手(バランス・ブレイク)化させるための経験値稼ぎや実験に利用するためだと。例え何十人、何百人死のうと1人が禁手に至れればいいという狂った考え方かつ、なんとも非効率的な考えだ。わざわざ急ぐ理由もあるまいし、じっくり腰を据えて準備をしていたほうがよいからだ。その点を考えれば金獅子のシキはひじょうに我慢強い人物といえよう。わざわざ20年もかけたのだからな。それとも英雄派は急ぐ必要でもあるのか?分からないな……。

だがそれよりおれが気になるのはそのシキたち海賊派が何もしかけてこないことだ。不気味でしょうがねえ……。聞いた話じゃ奴らはどこかに閉じこもっていて情報が殆ど分からない。人間界にも冥界にも天界にも影も形も見当たらない……やつらはいったいどこに……?

 

「もう一体何を考えているんですか?」

 

「で!?」

 

考え事をしていたら朱乃に足を踏まれた……。そう今は朱乃と約束していた埋め合わせとしてデートをすることになったのだ。ちなみに費用は全部おれ持ち。足りるかな……?

 

「さてルフトさん?次はあっちに行きましょう!」

 

「お、おう!」

 

そう言いながら腕にくっつきながら引っ張る朱乃……多分気付いて見せびらかしてるな。

 

「…………」

 

さっきから何の気配を感じない空間が追ってくるのだ。恐らくほぼ確実にリアスだろう……。一人だけ埋め合わせ無しと他の皆に断られたからふくれていたからな。

 

「それにしても困りますわね……。せっかくのデートなのにお邪魔虫がついてくるなんて……」

 

すると後ろから殺気が増す。聞かれると分かっていってるなこいつ……。しかし面倒なのも確かだ……撒くか。

 

「行くぞ。朱乃」

 

「え?え?」

 

リアスを撒くために朱乃を抱え路地裏に入る。当然リアスも追ってくるが、視界から外れた瞬間に結界で気配を隠し上に飛ぶ。すると次の瞬間にリアスが路地裏に入ってくる。

 

「くっ……どこいったのよあの二人は!?」

 

そのままリアスは路地裏を抜けていく……。気づかなかったな。やはりいざという時の視野が狭いのは問題か……。

 

「たっく……さて次はどこに行く?」

 

そう朱乃を下ろしながら聞くと……。

 

「あ、あそこが良いですわ……」

 

そう言って指さした先は……。

 

「ラブホ……?」

 

そう、そういったことを目的としているホテルだった。そういやあれから何度かシタが、一対一は一回もなかったな……ここで初めてそれをするか……?しかし真昼間からやるのはどうかね……?

 

「……(すがるような、期待するような目)」

 

……これを待たせたらさすがに駄目だな。そうしておれは朱乃に返事をしようとした瞬間に気が付く。

 

「!」

 

「!」

 

そして二人して振り返るとその先には……。

 

「まったく。昼間から女を抱こうだなんてなかなかやりおるの。若造が」

 

「いやいやそれが良いんだろうよ?」

 

「オーディン様もゼフィ様もしっかりしてください!」

 

「あ……あ……」

 

帽子をかぶったラフな格好をしているオーディンとそのお付きらしき女性、そしてなにか驚愕している堕天使であろう男、さらにはゼフィまでもがいた。

 

「あ、ああ、朱乃!?お前こんなところで何をしているんだ!?」

 

どうやら朱乃の知り合いらしい。もしや……?

 

「父様には関係ないでしょ!」

 

……やはりか。朱乃の父……つまりは堕天使幹部のバラキエル……。

 

「そんなことはいいから早くここから立ち去りなさい!」

 

「いやよ!私はこれからルフトさんとここに入るんですから!」

 

「な!こんなどこの誰かも知らないやつに朱乃を……!」

 

するとバラキエルがおれをにらみつけてくる……確かに並ではないようだが、おれからしてみればしょぼい。

 

「父様!この人を誰だと思ってるんですか!?」

 

「あ、朱乃……!?」

 

そんなバラキエルに朱乃が反論する。

 

「この人は昔、私と母様を救ってくれた命の恩人ですよ!?」

 

「何!?ということは君が……」

 

するとバラキエルは体裁を整え、こちに歩み寄ってくる。

 

「君が竜成ルフトくんか……私はバラキエル。妻と娘の命を救ってくれてありがとう」

 

ほー。ただの親馬鹿かと思えば、しっかり人間できてるな。

 

「いやーあれ「だが朱乃との交際の話は別だぁあ!!!!!」……」

 

訂正。やっぱただの親馬鹿だ。

 

「何度でも言いますけど、父様には関係ないでしょう!?」

 

「朱乃!!!私も何度でも言うが、なにをするつもりだあああ!?」

 

そしてその日のデートは結局おじゃんになった。なお朱乃はデートがおじゃんになったせいでバラキエルと軽い絶縁状態になり、バラキエルはへこんだ。……おい。

 

〜ルフトSide〜


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