ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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放課後のラグナロク
第86話 鑑賞会


~ルフトSide~

 

ルフトだ。今回色々な事があったな。旧魔王派のトップであったハエ屑ことシャルバ・ベルゼブブとクルゼレイ・アスモデウスは死亡。下種屑ことディオドラ・アスタロトは現政権を裏切ったこととこれまでの悪事を全て公開されたことにより、上級悪魔の称号を剥奪、更にアスタロト家は次期魔王輩出権を失った。そして下種屑は二度と表世界を歩けず永遠に罰に与えることとなった。死も許されない永遠の生き地獄を与えることになったそうだ。上の方ではアジュカ・ベルゼブブの魔王としての立場を剥奪することも考えていたそうだが、それは無しになった。まあ感情的に考えても合理的に考えてもデメリットしかないな。

ゼフィはおれの眷族になることを約束してくれた。ただまだヒーロー活動としての護衛が残ってるからしばらくはこれないらしい。黒歌は色々悩んだが女王(クイーン)になることを選んだ。まあ信頼と能力を選んだら黒歌しかいねーな。親父もおれの眷族になった。兵士(ポーン)だがな。ただ早く上級悪魔にという思いは強いからな……積極的に契約取りを行っているし仕事もやめたらしい。結局なんの仕事していたんだろうな親父……?ちなみに契約取りは上級悪魔への昇格が興味ない黒歌の分もやっている。すっげえな……やはり親父は天才ではないが、それを上回る努力家だ。しかもあれだけして無理はしてない……いや正確にはお袋のおかげで無理がとれるといった方がいいか……お袋がきっちりスケジュール管理してるから。本当にお袋もすごい。

更に体育祭も行った。ただしおれはあらかじめ出る種目は決められていたが。おれの運動能力が凄すぎるかららしい。全く……まあ運動会は特に何もなかったな。エスオが覇龍(ジャガーノート・ドライブ)の影響で倒れたぐらいか……。ん?今何をしているかって?今は……。

 

『フハハハッ!ついに貴様の最後だ!乳龍帝よ!』

 

グレモリー眷族全員+エースでおれの家に集まり、リビングに巨大スクリーンをだしアザゼルが持ってきた『乳龍帝おっぱいドラゴン』という特撮作品を鑑賞している。

 

『何を!この乳龍帝が貴様ら闇の軍勢に負けるわけなかろう!行くぞ!禁手化(バランス・ブレイカー)!』

 

エスオに似た男がそういうと特撮ヒーローごとく変身遂げる。変身後はイッセーの禁手に似た鎧を着ているな。後闇の軍団って……悪魔もどちらかと言えば闇じゃね?

 

「だっはっはっはっは!」

 

エースはツボにはまったのか思いっきり笑っていた。

 

「こんなものが面白いのかねー?」

 

そんなおれの呟きに膝の上の小猫が応える。

 

「……始まってすぐに冥界で大人気だそうです。特撮ヒーロー、乳龍帝おっぱいドラゴン」

 

「こんなのが人気なのか?……冥界の将来は大丈夫か?」

 

ちなみ作品があの時収録した作品みたいだ。そしてこの作品はエスオみたいにおっぱいを愛し、おっぱいのために戦うヒーローらしい。邪悪な悪事を働く輩を成敗するため、伝説のおっぱいドラゴンになって戦う。

 

『これでもくらえっ!ドラゴンキィィィィックッ!』

 

『おっぱいドラゴン』が敵に必殺技を決めると派手に爆発が起こり演出をしていた。敵が新兵器をだしピンチになった時、この作品のヒロインが登場した。

 

『来たわよおっぱいドラゴン!』

 

メイド服に堕天使の翼……どっからどう見てもレイナーレだった。ちなみにこの堕天使は昔おっぱいドラゴンと敵対していたが逆に救われそのままおっぱいドラゴンに惚れて仲間になったやつらしい……話似ているなおい。

 

「…………」

 

恥ずかしそうに顔を伏せるレイナーレ……まああんなのは……。

 

「俺は本来なら主であるリアスがいいかと思ったんだがな。それをするとやばい感じがしたからやめといた」

 

命拾いしたな。もしリアスがエスオのヒロインにしていたら筆者権限で……今おれは何を考えていた?

 

〈うおおおおおおおお……!〉

 

「ッ!?赤犬!?」

 

すると突然ドライグの鳴き声……いや泣き声が聞こえてくる。エースはやはりサカズキさんと間違えていたが。

 

〈お……れ、は…………じゃない。……俺は……乳龍などでは……。俺は、伝説の……、伝説の……、赤龍帝……〉

 

「ドライグ!?ドライグ!?しっかりしろ!?」

 

乳龍帝扱いが相当効いたようだ。めっちゃダメージを受けている……。その様子を見たエースは毒気が抜かれたのか何とも言えない表情をしている。

 

「ちなみにルフトのヤツもあるぜ」

 

「ええ!?」

 

その言葉に皆騒然となる……そういや言ってなかったな。そしてアザゼルが新しいディスクをセットして映し出す。OPが流れると皆が静かになる。

 

~歌は決まってません~

 

大体のあらすじはこうだった。主人公は正義の組織で戦っていてかつてはジャスティスドラゴンと呼ばれるほどだったが、自分の所属する組織の正義に疑問を抱き脱退。以降はヘアードラゴンと呼ばれる賞金稼ぎとなる。そして自国の姫君を誘拐した輩を捕え、姫君と出会ったことによりストーリーが一気に加速するという少しありきたりな設定だった。ただなぜかおれはこの話のおれを他人事とは思えなかった……創作の話なのになんでだろう?←あえて言うのならお前の可能性。

……?なんか聞こえたような……気のせいか?

 

「それにしてもお兄ちゃんの作品のヒロインはリアスお義姉ちゃんそっくりね」

 

『なぜあなたはジャスティスドラゴンと名乗ることを辞めたの?』

 

『ならば聞かせてくれ、滅殺姫(ルイン・プリンセス)よ。正義とは何なんだ!?』

 

……収録の時、誰が一番いいかって悩んだが結局リアスにしたからな。

 

「そういやルフト、エース?」

 

「なんだエスオ?」

 

「どうした?」

 

「お前らって前世で有名だったんだろう?なんか二つ名とかなかったのか?」

 

その言葉に全員が興味津々におれとエースを見てくる。おれはともかくエースは言ってなかったっけ?

 

「まあおれの二つ名は魔竜ルフトだ」

 

「おれは火拳だな」

 

その言葉に全員がそれだけ?といった感じで見てくるがそれだけだ。

 

「おれたちのいた世界で二つ名なんて見た目か能力の印象でつけられる。ニューゲートは‘白ひげ’、ゼファー先生は‘黒腕’、シキは‘金獅子’、ティーガは‘いかれ虎’って感じにな」

 

「確かにそんな感じに見た目の印象や能力がわかりやすい二つ名だったな」

 

それ故に基本的に二つ名はシンプルだ。紅髪の滅殺姫なんて長い名前はそうそうないな。

 

「ティーガって確か……ルフトと同じ転生者で、部長たちに会うきっかけになったってあの?」

 

「ああそうだ。覚えてたか?おれとリアスたちが会うきっかけになった転生者のはぐれ悪魔だ」

 

ティーガの名前を聞いて初期オカルト研究部のメンバーが皆なんとも言えない表情になる……特にリアスの表情は若干怖い。まあそりゃあんなことをしでかされかけたからな……。

 

「はあ……そいつってどれぐらい強いんだ?」

 

「まあ今のお前なら……覇龍(ジャガーノート・ドライブ)抜きでぎりぎり互角ってところか?」

 

それを考えるとエスオって短期間で相当強くなったな。いくら赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)があるとはいえ……口には出さないが大したやつだ。

 

「もっとも才能という点ではここにいる連中に劣らないだろうな。独学であそこまで強くなったんだ……誰かに師事すれば相当やばかっただろうな……」

 

その言葉に場の空気が少し悪くなる……。今する話じゃなかったかな?

 

「でも幼馴染みや命の恩人がこうやって有名になるって私もうれしいわね。そういえばイッセーくんって小さい頃は特撮ヒーローが大好きだったよね。私も付き合ってヒーローごっこしたわ」

 

場の空気を変えるためか話を変えるイリナ。それしてもヒーローか……ゼファー先生やゼフィは今どうしているのかね?

 

「確かにやったなぁ。あの頃のイリナは男の子っぽくて、やんちゃばかりしてた記憶があるよ。それが今じゃ美少女さまなんだから、人間の成長って分からない」

 

「確かに写真とはかなり印象が違ったな。変わるもんなんだな人間って……まあそれはおれもか」

 

昔は悪党というか下種屑みたいな屑だったな……それを考えると、おれを更生させたガープさんはすげえな……よく更生させる気になったもんだ。←確かに屑でしたがディオドラ程ではありませんでした。……?また聞こえたな。疲れてるのか?

 

「もう!ルフトくんったら、そんな風に口説くんだから!そ、そういう風にリアスさん達を口説いていったのね……?怖い潜在能力だわ!堕ちちゃう!私、堕天使に堕ちちゃうぅぅぅぅぅぅ!」

 

イリナの翼が白と黒に点滅し始める。これが天使が堕天使になる前か……つかそんな潜在能力おれないから。それを見たアザゼルは豪快に笑う。

 

「ハハハハ、安心しろ。堕天歓迎だぜ。ミカエル直属の部下だ。VIP待遇で席を用意してやる」

 

「いやぁぁぁぁぁっ!堕天使のボスが私を勧誘してくるぅぅぅぅっ!ミカエル様、お助けくださぁぁぁぁいっ!」

 

イリナが涙目で天に祈りを捧げる。しかし堕天使か。

 

「確かにイリナは眷族に誘うだけの価値はあるな。ただおれとしては天使のままがいい。天使の翼と悪魔の翼……見てみたいね」

 

「そ、そう?」

 

すると翼の点滅が収まる。……単純だなおい。

 

「……今の見たか?」

 

「これがルフトの潜在能力か……」

 

……いやこれこいつが単純なだけだから。

 

「ルフトさん?聞きましたよ?ヒロインをリアスに決めたのはあなただって」

 

何時の間にか朱乃が背中に抱き付いてきて囁いた。どうやって知った……?

 

「酷いですわ。私にも何か欲しいですわ」

 

「ふむ……それなら私も何か欲しいな」

 

「私もだにゃ!」

 

「……私も」

 

「私もよ!」

 

すると群がるように集まってくる……つか小猫とイリナもか!?

 

「分かった分かった!今度なんかしてやるから!」

 

とりあえず今はこの言葉でなんとか凌ぐ……ただリアスの視線が怖かった。

 

「だっはっはっはっは!!!」

 

笑うなエース!!!

 

〜ルフトSideout〜


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