ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~ルフトside~
「うーん、あれ?何がどうなったんだ?」
エスオが目を覚ます。どうやら暴走していた間のことを何も覚えていないようだ。詳しい説明は祐斗がしている。その中でゼノヴィアが抱えているアーシアに気づく。
「アーシア!アーシア!」
「……あれ?……イッセーさん?」
エスオに呼ばれ、目を覚ますアーシア。エスオは喜びのあまり抱きつこうとするものの、ゼノヴィアに弾き飛ばされた。そのゼノヴィアは再び号泣しながらアーシアに抱きつく。
「ゼ、ゼノヴィアさん。どうしたんですか?く、苦しいです……」
「アーシア!アーシア!アーシア!アーシア!私とおまえは友達だ!ずっとずっと友達だ!だから、もう私を置いていかないでくれ!」
「……はい、ずっとお友達です!」
ゼノヴィアの頭をなでるアーシア。まるで聖女……いや実際にそうか。
「アーシア……」
「レイナーレさん……」
「こんな私が言うのも何だけど……本当によかったわ……」
そう言うレイナーレも少し涙ぐんでいた。
「そんなこと言わないでください!レイナーレさんだって私のお友達です!」
その言葉に耐え切れなくなったのか、レイナーレも泣きながらアーシアに抱き着く。もはや聖女とおうより聖母だな。
「兵藤一誠。無事だったようだな」
ヴァーリがイッセーに話しかけてくる。
「ああ。なんだか、世話になっちまったようだな」
「なに、ただの気まぐれさ。それにあそこには用があったんだ」
あそこに用だと……?
「次元の狭間に一体何の用があるんだよ?」
「そうだな、そろそろだろう」
そう言ってヴァーリたちは空を見上げる。おれたちも見上げると上にはげるとそこにはかなり巨大なドラゴンが飛んでいた。なんだあのドラゴンは……明らからにとんでもないレベルだ……。下手したら白ひげやゼファー先生、シキ並みだぞ……?ダメ……ヴァーリがそのドラゴンを見て呟く。
「赤い龍と呼ばれるドラゴンは二種類いる。ひとつはキミに宿るウェールズの古のドラゴン、ウェルシュ・ドラゴン。赤龍帝だ。白龍皇もその伝承に出てくる同じ出自のもの。だが、もう一体だけ赤い龍がいる。それが黙示録に記されし、赤いドラゴンだ」
黙示録……?
「ヨハネの黙示録か」
「ああ、その通りだ。
あれはすさまじいな……おそらく今のおれじゃダメージを与えることはできても倒せねえ……。
「でも、どうしてこんなところを飛んでいるんだ?」
「さあね。いろいろな説はあるが。あれがオーフィスの目的であり、俺が倒したい目標だ」
ヴァーリは今まで見せたことのない真っ直ぐな瞳で言った
「俺が最も戦いたい相手
でかい目的だな……だがあれはいい……おれの能力の目標足りえる存在だ……!
「グレートレッド、久しい」
この声は……?声のした方向を振り向くと、すぐ近くに黒髪黒ワンピースの少女が立っていた。何者だ?
「……そいつは何者だ?」
苦笑するようにヴァーリが答える。
「……オーフィス。ウロボロスだ。
「!!!」
あれがオーフィスか……見た目は少々可笑しい程度だが、中身は全く計り知れないな……。するとオーフィスはグレートレッドに指鉄砲のかまえでバンッと撃ちだす構えをした。
「我は、いつか必ず静寂を手にする」
それがこいつの目的か……。すると羽ばたき音がして、巨大なものが降ってきた。タンニーンとアザゼルか。
「先生、おっさん!」
「おー、イッセー。元に戻ったようだな。俺もどうなるか怖かったが、おまえならあの歌や女の胸で
「おい暇人」
「ちなみにサーゼクスからオファーがきた。あいつもセラフォルーもノリノリで作曲とダンスの振り付けしやがったし」
「各勢力のトップはみなガープさんか!?こんなお調子者ばっかでマジで大丈夫なのか!?」
果てしなく不安だ……ミカエルは大丈夫だよな?だよな?だよな?
「オーフィスを追ってきたらとんでもないものが出ているな」
タンニーンが懐かしそうにグレードレッドを見つめている。
「タンニーンも戦ったことあるのか?」
アザゼルの言葉にタンニーンは首を横に振る。
「いや、俺なぞ歯牙にもかけてくれなかったさ」
タンニーンでもまったく相手にならない……。
「オーフィス。各地で暴れ回った旧魔王派の連中は退却及び降伏した。事実上、まとめていた末裔どもを失った旧魔王派は壊滅状態だ」
オーフィスに言うアザゼル。確かに旧魔王派のボスはほとんど死んだ……?だが確かもうひとりカテレアという奴が残っているはずでは?
「そう。それもまたひとつの結末」
まったく動じる様子を見せないオーフィス。
「おまえらのなかであとヴァーリ以外に大きな勢力は人間の英雄や勇者の末裔、
成程、カテレアも事実上海賊派か。
「さーて……やるか?……と言いたいがな」
一瞬だけやる気を見せるアザゼルだが、すぐにあきらめたように呟く。まさかこいつ……。
「気づいたか?俺も覇気を習得したんだ。お蔭でオーフィスの感情も分かるぜ。今は帰ることしか考えてない」
その通りだった。オーフィスは帰ることしか考えていない。というより随分単純で分かりやすい感情だな……。
「待て!オーフィス!」
オーフィスがタンニーンのほうを向き不気味な笑みを浮かべる。
「タンニーン。龍王が再び集まりつつある。……楽しくなるぞ」
そういいオーフィスが消えようとして……。
「忘れてた」
消える前にこちらに歩いてくる。全員に緊張が走る……そしてオーフィスはおれとゼフィの前に立ち止まり見上げる。
「お前たち名前は?」
……は?
「お前たち名前は?」
聞こえてないと思われたのかもう一度聞かれる。……まあ答えるか。
「竜成ルフトだ」
「ゼフィだ。ゼフィ・フォレ」
「竜成ルフト、ゼフィ・フォレ、
……!まさかのスカウトか!
「断る!興味がない!」
「俺もだな。ヒーローは悪に屈しない!」
「……そう」
はっきり断るとトボトボした感じになり、落ち込みながら消えた……子供かあいつは。それを見たタンニーンが嘆息を吐く。
「それじゃ俺たちも引き上げるかな」
ヴァーリの声が聞こえそっちを向くと空間に切れ目が入りその中に入るところだった。
「兵藤一誠。今度会う時まで強くなってくれよ。俺も強くなる。新しい力を完全にものにして……」
そういうヴァーリの手は黒く染まっていた。あいつも覇気が使えるようなったのか……。そしたら今度は聖剣を持った男が話かける。
「聖魔剣の木場佑斗君、デュランダルのゼノヴィアさん、七聖剣の竜成ルフト君。私は聖王剣、コールブランドと七本中最強のエクスカリバー、
その言葉に全員が驚く。この男が持っている剣は地上最強の聖剣と最後のエクスカリバーだと……?後おれの剣は七聖剣じゃなくて七星剣だ。
「そして私はアーサー・ペンドラゴンの末裔。アーサーと呼んでください。いつか聖剣をめぐる戦いをしましょう」
そういいアーサーと名乗った男が切れ目の中に消えていき空間に出来た切れ目も消えていった。また面倒くさい奴も来たものだな……。エスオはアーシアの手を取り。
「今度こそ帰ろう、アーシア。俺たちの家へ」
「はい、イッセーさん。お父さんとお母さんがいる家に帰りましょう」
そのままおれたちはフィールドを後にした。
~ルフトsideout~
~Noside~
「ジハハハハ!あれがグレードレッドか……すっげえでけえじゃねえか……」
「ヤハハハ。私からすれば図体がでかいだけなり」
「そんな簡単にいくわけないでしょう?あいては世界最強よ?」
「だが、どんなすごい存在でも絶対ではない」
「ウッホ、ウッホ、ウホホ」
「きゃっきゃっきゃ……おれとしてはあいつを殺したいんだがな」
「今はまだ時期ではありません。もう少し待ちましょう」
「それよりカメラを……む?カメラどこにいった?」
「あなたカメラ持ってないでしょ?」
「チキキキキ……まあなんでもいいですよ。僕が楽しければね……」
~Nosideout~