ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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第84話 絶望が希望という名のお笑いへ

~Noside~

 

「うおおおおおおおお!!!!!!!」

 

「げぎゃああああああ!!!!!!!」

 

《ド、ドゴゴゴゴゴガガガガガガ!!!》

 

互いに連打した拳を高速ぶつけあうルフトとイッセー。その戦いをリアスは悲しそうな瞳でみつめていた。

 

「ルフト……イッセー……!」

 

「うら!」

 

「げおおおおおおお!!!」

 

しかし元の技術の差が大きくできているのかあっというまにルフトが競り勝つ。そしてその隙を逃さぬように連続で叩き込もうとする。

 

「獣厳百万叩き!!!」

 

「ぎゃおおおおおおお!!!!!」

 

《バシィッ、バシィッ!!!!!》

 

「!!!」

 

しかしその拳は先ほどのシャルバの時に使った宝玉から出た腕がルフトの拳をつかんで防ぐ。さらにその隙を狙い足もつかまれる。そう簡単に振りほどけないのかルフトとイッセーのいる地面が砕けていく。

 

「危ない!」

 

そのままイッセーはルフトと消し飛ばそうと兜の口を開き、レーザーを発射しようと赤いオーラが溜まって照射される。

 

「閉じてろ!」

 

「ぎゃるぼらあああああああ!!!!!!」

 

前に鎧の口をルフトの尾と髪の毛が口を掴み強制的に閉じさせる。結果行き場を失ったエネルギーは口の中で暴発し爆発する。

 

「げぎゃああああああ!?」

 

「人間の言葉をしゃべれ!手砲(ハンズ・キャノン)斑!!!」

 

するどい突きの連撃がイッセーにあたる。それは鎧に大量の罅を入れる。

 

「固いな……!」

 

しかし鎧を多少貫くようで打ったルフトは驚愕していた。まさか武装闘気を使ってもその程度とは思わなかったのだ。

 

「じゃあああああああ!!!!!」

 

「ふん!!!」

 

怒り狂ったイッセーが高速で向かってくるがルフトは簡単に地面に叩きつける。

 

「パワーとスピードはけた外れにパワーアップしているが、動きそのものは単純だな……!」

 

これがルフトがイッセーを圧倒できている理由だった。単純なスピードとパワーに両者に明確な差はないだろう。ただイッセーの動きが単純であったため、それはかなり読みやすかった。

 

「突然生えてくる腕も読めるようになった。イッセー!おとなしくしろ!」

 

「ぎゃぼああああああああ!!!!!」

 

「……といっても聞かねえか……しかたねえな。その鎧ぶっこわすぞ!」

 

「うぼあああああああああ!!!!!」

 

再び突っ込むイッセー、その動きは先ほどの直線と違いジグザクとした動きだ。

 

「動きを先読みさせないようにってか……?考えが浅いんだよ!!!生命帰還髪しばり!」

 

しかしそのような小細工はルフトには通じなかった。簡単にとらえられてしまい、動きを封じられる。

 

「獣厳!100万叩きだあああああああああ!!!!!」

 

そのまま大量の獣厳をぶつけ鎧を砕く。一瞬ルフトに笑みが浮かぶが……。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!!!」

 

「!」

 

赤いオーラがイッセーを包み込み、一瞬で鎧を修復してしまう。

 

「ちっ……これは面倒だな。」

 

 

この戦いはリアスたちももちろん見ていた。しかし表情はみなかんばしくない。

 

「イッセー……。」

 

「さっきの鎧……どうやらイッセー先輩の生命力を削って作られているようです。」

 

「!?それは本当小猫!?」

 

「はい……さっき鎧が修復された瞬間、生命力が一気に落ちましたから……。」

 

その言葉にみなが絶望に包まれる。このままではイッセーが死んでしまうからだ。悲観にくれていたその時、

 

「困っているようだな。」

第三者の声が聞こえ皆が振り向くと空間が割れ、そこからヴァーリと美候、さらに見慣れない男が現れた。見慣れない男からは聖剣のオーラをリアスたちは感じ取った。

 

「ヴァーリ……なぜここに?」

 

リアスが代表としてといかける。なぜ構えないかというと敵意を感じられないからだ。

 

「なに、俺の宿命のライバルを見に来たんだ。……赤龍帝の覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を。と言っても、中途半端な覇龍だがな、まあ覇龍がこの空間のフィールドでよかったな。現実だと都市部とその周辺が丸ごと消える騒ぎになっていたかもしれない。」

 

その言葉に全員に寒気が走る。あの覇龍はそれだけの力をもっているのか?

 

「ダメ白か!生憎!てめえの!相手をしている!暇はねえ!」

 

かわしながらヴァーリに叫ぶルフト。その動きは序盤よりかなり余裕があった。しかし表情はやはりかんばしくない。

 

「くっ……このやろ!獣型(ドラゴン・ポイント)……おらあ!」

 

ルフトは戦いの隙を突き、獣型となりイッセーを地面に押さえつける。しかし……。

 

「ぐっ……。」

 

「ぶぎゃああああああああ!!!!!!!!!」

 

力勝負では若干分が悪いのか、その顔には余裕はかけらもなかった。さらに……。

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!!!!』

 

「ぐ、ぐおおおお!?」

 

力を高速で倍加していくのには耐えきれないのかドラゴンと化したルフトの腕が持ち上がりかける。

 

「く、くそ……。」

 

「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

「寝てろ!」

 

しかし次の瞬間には再び地面に押さえつけられるイッセー。ゼフィがルフトの手の甲に乗っかり手の甲ごと押さえつけてるのだ。

 

「ゼフィ!!!」

 

「ルフト!俺も力を貸す!今の状態ならお前の力も倍になる!」

 

「ありがてえ!」

 

再びイッセーを地面に抑え込む。今度は先ほどもよりも余裕があった。

 

「竜成ルフト……彼はすごいな。中途半端とはいえ、覇龍相手にあそこまで抑え込めるとは……。恐らく殺す気で戦えば楽に勝てるだろう。もう一人の彼も素晴らしい……とても強いな。」

 

「ほらよ。これお前らのところの僧侶(ビショップ)だろ?」

すると美猴が木場に手渡す。渡したのはなんとアーシアだった。それを見たリアスたちが驚き声を上げる。

「アーシア!」

 

「アーシアちゃん!」

アーシアに近づき外傷を確かめ息を確認し木場が。

 

「……息があります!」

その一言でリアスたちが安堵の息をついた。しかし何故アーシアを……?疑問に思ってリアスたちがヴァーリたちを見ると聖剣を持っていた男が答える。

「ちょうど次元の狭間を彷徨っていたら彼女が狭間を彷徨っていたので回収しました。もし私たちがいなかったら彼女はそのまま消滅していましたけどね。」

「……そう。ありがとう。アーシアを助けてくれて。」

リアスが礼を言うと、堪えきれなくなったのかゼノヴィアが泣き出した。

「ウワァァァァァァンッ!」

感極まったのかアーシアに抱き着いている。かなりうれしいようだ 。

 

「話こんでんじゃねえ!この状態をもとに戻す方法があるのならとっとと教えろ!」

 

ゼフィがヴァーリに怒鳴る。それを聞いたヴァーリは考え込む。

 

「そうだな、何か彼の深層心理を大きく揺さぶる現象が起こればいいのだが……。」

 

「おっぱいでも見せればいいんじゃね?」

 

美猴が頭をかきながら言う。確かにイッセーには大きく揺さぶられる現象だろう。

 

「あの状態ではな。ドラゴンを鎮めるのはいつだって歌声だったが……そのようなものはないし、赤龍帝と白龍皇の歌なんてものはない。」

 

どうやら頼みのおっぱいも今のイッセーには効かない……今までとはかなり違う絶望がリアスたちを襲う。

 

「あるわよーーーーーー!」

 

「な、なんで私まで……?」

 

すると遠くから白い翼の天使と黒い翼の堕天使が飛んでくる。人間から天使に転生した紫藤イリナとレイナーレだった。

 

「はー、着いたー。って、あれがいまのイッセーくん!?ミカエル様とアザゼル様が言っていたけど大変なことになっているわね!」

 

どうやらイッセーの状態が見えているようだ。押さえつけられてほとんど見えないはずなのにすごい。

 

「イリナ、レイナーレどうしてここに?」

 

ゼノヴィアが訊くと、イリナは手に持った立体映像機器を突きだした。

 

「イッセー君が危険な状態なのは観戦室にいたみなさんは知っているの。それで私がサーゼクス様とアザゼル様から秘密兵器を持たせてくれたの。あと、このフィールドに連れて来てもらったのはオーディン様のおかげよ!さすがに北の神様よね!おひげがたっぷり!」

 

「オーディン様に私も一緒にいったほうがよいと言われてきたのだが……なぜだ?」

 

この状況でも余裕があるのは大物か。イリナは持っていた機器をリアスに渡す。

 

「よくわからないんだけど、お兄様とアザゼルが用意したんだから、効果は期待できるわよね?」

そういいながらなんだか不安になっているリアス。あの二人の性格はよく知っているからだ。そしてそれを見ていたルフトは映像に心当たりがあった。

 

(あれって……恐らくあのとき収録した歌だよな……?確かにあの時イッセーが歌ったのならイッセーを止められるだろう。……だがなぜだろう……果てしなく不安だ!)

 

そしてリアスがスイッチを押す。すると空中に大きく映像が映しだされる。

 

『おっぱいドラゴン!はっじまっるよー!』

 

映像に映しだされた禁手(バランス・ブレイカー)の鎧姿のイッセーがそう声を出すと、子供たちが集まってくる。

 

『おっぱい!』

 

ダンスを始めるイッセーと子供たち。全員が唖然とした表情をした、

 

宙に文字……タイトルと歌詞が表示された。驚愕の展開に全員の目だけでなく、歯も飛びだした!そんな全員の心理はひとつだけだった。

 

な  ん  だ  こ  れ  は  ?

 

おっぱいドラゴンの歌

作詞:アザ☆ゼル

作曲:サーゼクス・ルシファー

ダンスの振り付け:セラフォルー・レヴィアたん

 

歌詞省略。

 

全員あっけにとられていた。ヴァーリたちやゼフィ、ルフトでさえ驚き、持ってきたイリナも驚いていた。何よりも作詞、作曲を行った人物にあきれていた。トップは何をしているんだ……。

 

「……う、うぅ……おっぱい……。」

 

「反応するんかい!ったく……。」

 

ルフトとゼフィが押さえつけていた腕を放す。イッセーは頭を抱えてうめいていた。

 

「紫藤さん、もう一回流してちょうだい!」

 

「は、はい!」

リアスは押したくないのかいつのまにか機器をイリナに返していた。 イリナがもう一度流す。

 

「うぅ、おっぱい……もみもみ、ちゅーちゅー……。」

 

イッセーが苦しみだした。言っていることはひどいが。

 

「……ず、ず、ずむずむ……いやーん……ポチッと。」

 

イッセーは映像と同じように何かを求めるように指を押す仕草をする。

 

「そうか……こういうことだったのね……レイナーレ!」

 

「な、なによ!」

 

イリナが突然レイナーレに喋りかける。

 

「あなたのおっぱいをイッセーくんにつっつかせなさい!」

 

「……はあ!?」

 

その言葉に場は再び騒然となる。

 

「な、なんで私が!?」

 

「おそらくあなたをよこしたのはこのためだったのよ!あなたの胸を突かせればいいのよ!」

 

「だからって……!」

 

「あなた!イッセーくんのことが好きなんでしょう!?」

 

「!!!」

 

その言葉にレイナーレはショックを受けたような表情をする。

 

「ふふふ……そうね……たぶん私は心のそこでイッセーくんが好きだったのでしょうね……。」

 

「なら今こそその思いを発揮するときだわ!さあいきなさい!」

 

「……うん!」

 

そう言ってイッセーの元に歩み寄るレイナーレ……。ちなみにこのとき見ていたほかの人の心理。

 

((((((((((なにこの寸劇……?))))))))))

 

(ギャハハハハハ!!!!!!)

 

(だっはっはっは!!!!!!)

 

(流石イリナだな。)

 

誰がだれか押して知るべし。そんなこんなしているうちにレイナーレがイッセーの目の前でおっぱいをはだけさせる。

 

「お、俺の……おっぱい……。」

 

イッセーは求めるものを発見し、震える指をレイナーレの胸へ……。次の瞬間、イッセーの鎧が解除された。

 

「あの堕天使の胸は兵藤一誠の制御スイッチか何かなのか?」

 

「おまえ、それは酷い言い草だろ!」

 

「同wwwwwwwww感wwwwwwwww」

 

真面目に悩むヴァーリの横で美猴とついでにゼフィが爆笑していた。そんな中でほとんどのもの心理が……。

 

やっぱりこいつはおっぱいドラゴンだ……。

 

~Nosideout~

 




オリジナル技
手砲‘斑’
手砲を連続で放つ技。

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