ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~ルフトside~
「……それじゃそろそろ教えてくれるかしら?」
竜成ルフトだ。あの後、紅髪美人ことリアス・グレモリーに説明を求められてリアスの居城であるオカルト研究部に招かれた。いや~あの後は大変だった。白音……今は塔城小猫と名乗ってるのか。目覚めたら黒歌に怯えだしてなだめるのに苦労した。黒髪美人……姫島朱乃が目覚めたときはとくに大変だった。目を覚ましておれの顔を見た途端に思いっきり抱き着いてきて、それで黒歌からおれが怯える程の殺気を醸し出しやがった……腕上げたな黒歌。
「何をだ?ありすぎてどれから説明すればいいか分からないのだが?」
「そうね…………じゃあ黒歌とあなたの関係は?」
少し悩んだみたいだが、小猫の様子を見てこれから解決すべきとおもったのか。
「まぁあ……おれと黒歌のかんけ……「婚約者《ドゴォ!》だにゃ!?!?!」……状況をよく見て言えてめーは。」
こんな状況で冗談言うやつがいるか!
「ウフフフフ……オモシロイコトヲオッシャリマスネクロカサン?《ゴゴゴゴゴ》」
「「「「ゾワ!?」」」」
「ウルサイニャ……コノパットデガニャ!《ゴゴゴゴゴ》」
「「「「ゾワゾワ!!?」」」」
このおれがここまでの恐怖を抱かせるとは……!黒歌だけじゃなく朱乃もすげえ……!
「……けど話が進まねえし、二人を放っておいて先進めていいか?」
「「「コクコク!」」」
「おれとあいつの出会いは5年前でな…………。」
おれは語った。5年前黒歌と出会い、その場で下種な連中から黒歌の現状を知り、下種どもを始末し、その後家族に説明し、母親の説得によりうちに住みだしたことを。
「く、黒歌姉さまぁ~~~!」
「し、白音ぇ~~~!」
話を聞いた小猫が黒歌に抱きついて泣いてやがる。黒歌もやっと分かってくれた嬉しさに泣いてる……。
「あの事件の裏にそんな話があったのね……分かったわ。後でお兄様に連絡してはぐれ悪魔から解除してもらうわ。」
「……意外とあっさりしてるんだな。」
「元々あの一族にはいい噂を聞かなかったしね。それに同じ女としてもゆるせないわよ……《ゴゴゴゴゴ》」
なんつう威圧感だ……ん?さっきの黒歌や朱乃と違うな……これは僅かばかりだが……覇気?だが威圧感に覇気が混ざる?普通じゃそんなのはありえない……これはまさか……?
「……フト!ルフト!」
「《はっ》な、なんだ?」
「いきなり黙りこくちゃって……。どうしたの?」
「いやただの考え事だ。」
「そう……それなら次の話に移っていいかしら?」
「いいぜ。次は何が聞きたい?」
「じゃあ……あなたは一体何者?私達が相手にならなかったティーガをものともしないなんて……普通の人間じゃありえないわ。」
……とうとうその質問が来たか。まぁ別に黙るようなことでもないな。
「おれは一応普通の人間だ。」
「「「「「いやそれは嘘ね(ですね)(だろ)(です)(だにゃ)」」」」」
「揃いもそろって失礼だな!?」
つか黒歌まで言うことじゃないだろ!?
「まぁ気にしてもしょうがないか……おれは別世界で死んで生まれ変わった人間だ。」
「「「「…………は?」」」」
息ぴったりだなお前ら。
~ルフトsideout~
~リアスside~
ルフトの語ったことは悪魔である私からしても衝撃的だった。別世界……冥界や天界と全く違う世界……その世界で死に、この世界で赤ん坊に生まれ変わる……そんな話聞いたこともない…………それに海賊、海軍、
「じゃああのティーガもあなたと同じ世界の人間だったと言うこと?」
「そうだ。あの男は懸賞金1億3000万
……捕えた?そう言えばティーガが海軍本部大佐って言ってたわね。
「ティーガがあなたのこと大佐と言ったけれど、海軍に一体何人の大佐がいるの?」
「そりゃ本部だけか?それとも支部含めてか?」
「本部と支部で実力が違うの?」
「そりゃ違う。大体3階級ぐらいだな。支部の大佐なら本部で大体大尉程度だ。」
「なら本部の大佐は一体何人ぐらいいるの?」
「そうだな……大体……3000人ぐらいか?」
3000人ですって!?
「ということは……君クラスの人間がそんなにいるのかい?」
「いや、おれは階級こそ大佐だが、実力は中将級だぜ?」
中将級……!?そんなに強いの!?
「じゃ、じゃあ竜成君、僕の実力は海軍のクラスではどのくらいだい?」
「ん~~。お前がどんな能力を持っているか変わるが……パッと見の実力は……大体本部准尉クラスじゃね?」
准尉……!佑人でその程度なの!?ルフトたちの世界はかなりの実力者ぞろいなのね……。
「まぁこれは見た限りの話だ。実際に動き見てみないと詳しいことは分からん。」
「そ、そう……。ところでもう一つ聞きたいのだけれど……。」
「なんだ?」
「悪魔の実ってどんなものがあるのかしら?」
「おう、悪魔のは大別して3種類に分けられるんだ。」
3種類……?
「
「人智を超えた?どんなのがあるの?」
「たとえば触れたものを錆びつかせるサビサビの実とか、体の各部を車輪状にし、回転させることができるシャリシャリの実とか。」
「そのまんまですね……。」
「考えたおれじゃねえよ。次は
「それってさっきティーガ使ってたものですか?」
「そうだネコネコの実、モデル
「ところでふと思ったんですけど3種類で唯一もなにもないと思うんですけど。」
「………………。」
あら黙った。
「最後は
誤魔化したわね……でもあります……。
「自然物そのものですって……!?」
「そうだ!三種の中では最も希少であり、体を原形を留めない自然物に変えることで、通常の物理攻撃を受け流し無効化できるそのほぼ絶対的な防御力と、広範囲に及ぶ自然現象さながらの攻撃力から、三種の中でも最強種と言われている!」
「そんなの無敵じゃないか……。」
私の消滅の魔力ならダメージを与えることはできるかもしれないけど、そんな広範囲の攻撃は防ぎきれないわ……。
「安心しろ、ほぼ無敵だが完全に無敵ってわけじゃない。対抗策はある。」
「対抗策……?」
「そうだ。覇気の力だ。」
「覇気……ティーガも言ってたのだけど……覇気って一体何なの?」
「覇気ってのは全世界の全ての人生物に潜在する力。‘気配’‘気合’‘威圧’などの感覚と同じもんだが、引き出すのは容易じゃねえ。大半の人間は気づかないまま、あるいは引き出そうにも引き出せず一生を終えるもんだ。」
「それはどんな力を得られるんだい?」
「それは……」
「「「「それは?」」」」
「これ以上説明するのが面倒だから明日実演する。」
《ズコォ!》
ここでそうするの……?
「とりあえず、おれは帰って寝るぜ……。」
「私も帰るニャ。」
「あ、待って!」
立ち上がろうとするルフトと黒歌を私は止める。
「何だ?」
「最後にあなたたちを勧誘したいの。」
「勧誘……?」
「リアス・グレモリー……まさか?」
「ええ、あなたの想像通り……私の眷族にならない?」
~リアスsideout~