ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~イッセーside~
「そろそろ時間ね。」
部長がそういい立ち上がる。そう、今日は待ちに待った下種オドラとのレーティング・ゲームの日。皆が部室に集まっていた……絶対に負けるわけにはいかない。ただ俺にはひとつだけ不安なことがあった。ルフトだ。
「それで……ルフト、どうかしら?」
「確かに魔力は殆ど使えないし能力も使えないが、とくに問題はない。」
ルフトに制限がかけられたことだ。下種オドラが部長だけ将軍を持っているから卑怯だといい、ルフトに制限を求めて上層部がこれを承認、結果ルフトは今回のゲームじゃ覇王色の覇気に加えて魔力と能力も禁止にされてしまったからだ。なおこれによりオカルト研究部だけでなく、魔王たちの評価も下がったらしい。とくに下種オドラの兄は呆れているらしい。ざまーみろ。
けどそれをさしおいてもルフトの能力が使えないのは少し不安だ……ルフトの一番頼れる部分である身体能力が落ちてないのは幸いだが。
ちなみ服装はほとんどが制服だ。アーシアはシスター服、ゼノヴィアはボンテージそっくりの戦闘服、ルフトはおなじみの正義のコートだ。
そして全員が中央に集まり転送の瞬間を待つ。そして時間が来ると魔法陣が光だし、俺たちは転送した。
「……着いたのか?」
そして光が収まるとそこはただだだっ広い空間だった。一定の間隔で太い柱が立って並んでおり、地面は石造りだ。後方には神殿てきなものもある……やけに……ん?……!
「部長!アーシアがいません!」
「何ですって!?ってルフトもいない!?」
一緒に転移したはずの二人がどっか行ってしまった……何が起きてるんだ?すると神殿とは逆方向に魔法陣が展開しだす。
「……アスタロトの紋章じゃない!」
木場が剣をかまえる。この魔法陣の紋章は……?
「魔法陣全てに共通性はありませんわ。ただ……。」
「全部、悪魔。それに魔法陣から察するに
「……ッ!?」
部長の言葉に俺たちは驚きの表情を浮かべた。そうしてると大量の悪魔が俺たちを囲む……1000人はいるぞ!?
「忌々しき偽りの魔法の血縁者、グレモリー。ここで散ってもらおう。」
「……!」
《ヒュン。ズォーン。》
囲む悪魔の1人が挑戦的な物言いをしてきた。それに反応して部長が覇王色の覇気を飛ばすが、一瞬で目を覚ます。対策をしているのか……くそ!アーシアもルフトもどこにいったのか分からないのに……!
「きゃあ!」
ッ!この悲鳴は……!
「アーシア!」
上を見ると下種オドラがアーシアを捕らえていた。アーシア……!
「やあ、リアス・グレモリー。そして赤龍帝。アーシア・アルジェントはいただくよ。」
なにをふざけた事を……!めっちゃぶん殴りたいけどぶんぐれねえ……代わりに今は言葉に出す!
「アーシアを話せ、このクソ野郎!卑怯だぞ!ゲームをして決めるんじゃないのかよ!?」
俺の叫びに、下種オドラは始めて醜悪な笑みを浮かべた。
「バカじゃないの? ゲームなんてしないさ。キミたちはここで彼ら、禍の団のエージェントたちに殺されるんだよ。いくら力あるキミたちでもこの数の上級悪魔と中級悪魔を相手にできやしないだろう?ハハハハ、死んでくれ。速やかに散ってくれ。」
その言葉に怒りを隠せない俺たち……。こいつ本当に下種だな!!!!!
「あなた、禍の団とも通じたというの?最低だわ。しかもゲームまで汚すなんて万死に値する!何よりも私のかわいいアーシアを奪い取ろうとするなんて……!」
「彼らと行動したほうが、僕の好きなことを好きなだけ出来そうだと思ったものだからね。まあ、最後のあがきをしてくれ。僕はその間にアーシアと契る。意味はわかるかな? 赤龍帝、僕はアーシアを自分のものにするよ。追ってきたかったら、神殿の奥まで来てごらん。素敵なものが見られるはずだ。」
今俺の顔ってどうなってるんだろう……?ただ怒りに染まっているということは分かる。
「ディオドラ!ルフトはどこにやったの!?」
すると下種オドラは言いたくてたまらなかったという感じに嘲笑を浮かべる。
「ああ、君の
《バヒュ!》
最後まで言い切る前に部長が滅びの魔力で下種オドラを消し飛ばす。ただ俺たちの表情はすぐれない。あの下種オドラが映像だということが分かっていたからだ。
「……アーシア……!」
「イッセーくん!悲観にくれていてもしょうがない!いまは目の前の敵をなぎ払うのが先だ!その後でアーシアさんを助けに行こう!」
木場……そうだ……まずはここを切り抜けねえと……あの下種をぶっとばせねえ!
「!」
すると突然背中に現れた気配に向かって部長と朱乃先輩が滅びの魔力と雷光の槍を打ち出す。しかし現れた気配はあっさりと交わす。
「うおお!?危ないじゃないか!?」
「オーディンさま!どうしてここへ?」
現れたのはこの前匙と会ったオーディンとかいうエロじじいだった。こいつひょっとして部長たちのスカートをめくろうとしたんじゃ……?
そんな空気の中オーディーンの爺さんは長くて白いあごひげをさすりながら疑問に答える。
「うむ。話すと長くなるんじゃがのうぅ。簡潔に言うと、禍の団にゲームを乗っ取られたんじゃよ。」
本当に簡潔だな。
「いま、運営側と各勢力の面々が協力態勢で迎え撃っとる。ま、ディオドラ・アスタロトが裏で旧魔王派の手を引いていたまでは判明しとる。先日の試合での急激なパワー向上もオーフィスに蛇でももらい受けたのじゃろう。」
蛇?たしか前にアザゼルが言っていた、使用者の力を増幅させるってやつか。
「このままじゃとお主らが危険じゃろうと、そんじょそこらの力の持ち主では突破も破壊も難しい結界を、ミーミルの泉に方目を差し出したときに得たわしの能力で突破して、お主らの救援にきたんじゃ。まあ必要だったかどうか怪しいものじゃな……。」
まあ確かに倒すだけなら難しくはないけど、消耗はするだろうな。
「相手は北欧の主神だ!討ち取れば名が揚がるぞ!」
そして放たれる無数の魔力の弾。かなりの数だ!俺たちは着弾位置を先読みしてかわそうとするが、その前に爺さんが杖を一度だけトンと地面を突く。すると空中の魔力弾はひとつ残らず消え失せる。すげえ……エロくても神か……。あまりの実力の差に相手も顔色を変える。
「ホッホッホッ。ああそうじゃ、これをとりあえず渡すようアザゼルの小僧から言われてのぅ。まったく年寄りを使いに出すとはあの若造はどうしてくれるものか……。」
そう行ってじいさんが渡したのは通信機だった。
「ん?ひとつ余っておるのう……お主等あの竜人はどうしたんじゃ?」
そうだルフト!ルフトは今も一人で戦っているんだ!
「実は転移の時、離されてしまって一人だけ戦ってるんです……。」
「そうか……まああ奴も只者じゃないし、わしが殲滅するまでは持ちこたえるじゃろう。早くいけ。」
「……お願いします!」
そう言って俺たちは走り出す……ルフトも心配だが、アーシアのほうが心配だ。待ってろよアーシア!
~イッセーside~