ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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風邪引いてダウンしました……おかげでストックの執筆が全然進みませんでした。もしかしたら次の更新送れるかもしれません。


第68話 決戦直前

〜ルフトSide〜

 

ソーナとの決戦前夜、おれたちはアザゼルの部屋に集まり、最後のミーティングをおこなっていた。そこでアザゼルが禁手(バランス・ブレイカー)に至ったエスオに禁手の状態について訊く。禁手には至れたがエスオ曰く、無制限になれるわけじゃねえ。

まず、禁手である赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)になるには1分ちょい時間がかかるらしい。

しかもその状態になると、神器(セイグリッド・ギア)は使えず、増大も譲渡も不可能で中止もできない。おまけとばかりに、一日一度しか変身できず、解除しても神器の力はほとんど失われる。変身状態も一時間ぐらいしか保てずに、力を使うともっと減る。禁手に至ることこそできたものの、まだまだ改善すべき問題点は山積みだ。ゲームが終わったら鍛えてやるから楽しみにしとけよ?

 

「……!何か悪寒が……!」

 

「知るか。それよりもリアス、ソーナ・シトリーはグレモリー眷属のことをある程度知っているんだろう?」

 

「ええ、おおまかなところは把握されているわね。たとえばイッセーや祐斗、朱乃、アーシア、ゼノヴィアの主力武器は認識しているわ。恐らくルフトの能力と七星剣もね。」

 

まあ向こうにはエースがいるしな。能力は知られている。恐らく六式も知ってるだろうな。まあ魔法は……どうだろうか?あいつの目の前で使ったが……。ちなみに七星剣のことも皆知っている。ただしちょっとしたサプライズがあることはおれとアザゼルしか知らない……。

 

「ま、ほぼ知られているわけか。で、おまえのほうはどれくらいあちらを把握している?」

 

「ソーナのこと、副会長である女王のこと他数名の能力は知っているわ。一部判明していない能力の者もいるけれど。ルフトはエースのことは知ってるわね?」

 

「当然だ。向こうがおれのことを知ってるようにおれも向こうのことはわかってる。」

 

逆もまたしかりってな。

 

「不利な面もあると。まあ、その辺はゲームでも実際の戦闘でもよくある事だ。戦闘中に神器が進化、変化する例もある。細心の注意を払えばいい。相手の数は八名か。」

 

「ええ、(キング)1、将軍(ジェネラル)1、女王(クイーン)1、戦車(ルーク)1、騎士(ナイト)1、僧侶(ビショップ)2、兵士(ポーン)2で9名。まだ全部の駒は揃っていないみたいだけれど、数では同じね。もっともこっちのほうが優秀であるとういう自負があるけど。」

 

そしてアザゼルはホワイトボードに何かを書いていく。

 

「レーティングゲームは、プレイヤーに細かなタイプをつけて分けている。パワー、テクニック、ウィザード、サポート。このなかでなら、リアスはウィザードタイプ。いわゆる魔力全般に秀でたタイプだ。もっともある程度ならテクニックもこなせるな。朱乃も同様だ。木場はテクニックタイプ。スピードや技で戦う者だ。パワーも悪くない。ゼノヴィアはスピード方面に秀でたパワータイプ。一撃必殺を狙うプレイヤーだ。アーシアとギャスパーはサポートタイプだ。細かく分けるとアーシアはウィザード寄り、ギャスパーはテクニックタイプのほうに近い。小猫はパワータイプだが、スピードもあるし仙術である程度サポートはできる。イッセー。おまえもパワータイプだ。ただしサポートのほうにもいける。ギフトの力でな。」

 

何気にエスオってサポートできるんだな……そうだ。エスオのギフトでおれの技を強化できるかためすか……。

 

「そしてルフト、お前はこの中で一番のパワーを持ちながらテクニックもハイレベルだ。ウィザードも悪くはない。魔力もあるし。仙術も使えばサポートもできる……。まあいわゆる万能タイプだ。しかも飛びぬけてすぐれている呆れたやつだ。っていうかお前ら何気に別タイプをこなせるやつが多いな……。」

 

そう言ってため息をはくアザゼル……知るか!

そしてアザゼルが言うにはパワータイプはカウンターに気を付けなければいけないらしい。強力なパワーをカウンターで返されるとやばいことになるらしいからな。

 

「おまえたちが今回のゲームで勝利する確立は70%以上とも言われている。俺も総合的なお前らの戦力差の観点からおまえたちが勝つと思っているがあえて言わせてもらおう。」

 

そう言うとアザゼルはこちらを見渡し言い放つ。

 

「絶対に勝てるとは思うな。だが、絶対に勝ちたいとは思え。これが合宿で俺がおまえたちに伝える最後のアドバイスだ。」

 

へえ……何気に重みのあることが言えるんだな。その後、アザゼルが抜けたおれたちオカルト研究部で決戦の日まで戦術を話し合ったのだった。

 

……そして決戦日。

 

おれたちは魔法陣でジャンプしていく。するとその場には見慣れた飲食店が連なっていた。この場所は……!

 

『皆様、この度はグレモリー家、シトリー家のレーティングゲームの審判役を担う事となりました、ルシファー眷属女王のグレイフィアでございます。我が主サーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。早速ですが、今回のバトルフィールドはリアス様とソーナ様の通われる学舎駒王学園の近隣に存在するデパートをゲームのフィールドとして異空間にご用意致しました。』

 

やはりあのデパートか……。

 

『両陣営、転移された先が本陣でございます。リアスさまの本陣が二階の東側、ソーナさまの本陣は一階西側でございます。兵士の方はプロモーションをする際、相手の本陣まで赴いてください。今回、特別なルールがございます。陣営に資料が送られていますので、ご確認ください。回復品であるフェニックスの涙は今回両チームにひとつずつ支給されます。』

 

そしてのその後に細かいルールブックを配られた。それによるとデパートを破壊し尽くさないなど、ルール制限も付け加えられた。これはこっちが結構不利だ。なにせゼノヴィアのデュランダル、一誠の赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で高めたドラゴンショット、朱乃の雷光、祐斗の対消滅剣(デリート・ソード)と言った高火力の技や武器を持つ者が多い。無論おれも本気を出したら余波で会場を破壊しかねない……これは結構きついな。だがそれはエースも同じ。奴の火力じゃ会場を燃やしかねない。お互い本気の出せない勝負か……歯がゆいな。エースを無視して王を狙うという手もあるが、このルールブックによると王だけでなく、将軍も倒さなければ勝ちにならないらしい……。

そして皆で念入りに戦術を考える。三十分の作戦会議のうち半分が過ぎたころ、いちおうのプランは決まった。リアスは全員を見渡して言う。

 

「ゲーム開始は十五分後ね。十分後にここに集合。各自、それまでそれぞれのリラックス方法で待機していてちょうだい。」

 

そう言うとその場の者が解散していく。アーシアとゼノヴィアは一緒にハンバーガー店に向かった。大分仲がいいなあの二人。へたれ二世はドーナツ店の前でウロウロしている……何をしているんだ?祐斗は薬局に行くらしい。使えるものがあるかみてくるらしい。エスオは本屋に行った。……目的が顔で丸分かりだ……。おれと小猫は飯を食いに行った。コックはいないが作り置きのバイキングがあるのでそれを食うつもりだ。しかしそこまで再現するか普通?……しかしそれよりも気になっていることが……。

 

「……なんでお前らついてくる?」

 

「それぞれのリラックス方法って言ったでしょう?私はあなたと一緒にいるのがいいのよ。」

 

「私もですわ。」

 

……なぜかリアスと朱乃もついてきた。まあそれはいいけど……いくらなんでもあーんするのはやめてくれ。

 

「そうだ小猫。お前が修業ですごい力を身に着けたって黒歌が言っていたんだが……それは一体なんだんだ?」

 

黒歌が言うには、予想を遥かに超える成長って言ったが……なんなんだろう?

 

「……それは私も聞きたいわね……。」

 

「一体なんですか?」

 

リアスと朱乃も乗ってきた……それを見た小猫はゆっくり口を開く。

 

「……それは……。」

 

「「「それは?」」」

 

「秘密です。」

 

《どがしゃああん!!!》

 

こ……ここまで引っ張ってそれか!黒歌に似てきたなおい……。

 

「あ。そろそろ時間です。集合しましょう。」

 

そしてそのまま去っていく黒歌……違った小猫か。こんなので大丈夫かな?

しかしおれは甘く見ていた。それはエースでもなく、ソーナでもなく、スプーンでもない。小猫の才能を……。ん?スプーンって?……生徒会の本名が思い出せない男だ。

 

〜ルフトSide〜


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