ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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第65話 いろんな修業

〜NoSide〜

 

ここはグレモリー領土の一部。そこである二人の男が戦っていた。

 

「「獣厳!!!」」

 

《ドゴォォォォン!!!》

 

二人のパンチのぶつかり合いは衝撃で地面が吹き飛び互いに大きく飛び退く。そして再び速攻で接近する。

 

「鉄塊‘判子(スタンプ)’!」

 

「鉄塊‘節槍’!」

 

ゼファーが掌底を繰り出すとルフトはそれを迎撃するために肘で止める。カウンターを受けたゼファーの掌にはダメージがかなり残った。しかしルフトも肘に衝撃がかなり伝わっている。しかし二人の表情は違う。

 

「はっ!成長してるじゃねーかしっかり!」

 

「当たり前です!」

 

「だがまだまだだぁぁぁぁぁあああ!!!ぬうん!!!」

 

「くっ!鉄塊!」

 

《ゴオオオオォォォォォォォォォン!!!》

 

老けたほう……ゼファーは楽しそうに笑っている。教え子の成長が素晴らしくてたまらないといった感じだ。対照的に青年……ルフトは楽しそうではあるものの同時に苦しそうでもあった。

 

(くっ……根本的な身体能力じゃおれのほうが勝っているというのに……あっさり相殺させられた。技術と経験の差が違いすぎる!しかも覇気の技量がとんでもない!これが黒腕……!すごい!)

 

「さて、それじゃあ少し休憩に入るぞ……。」

 

「いえ、自分はまだやれますが……。」

 

「この後……おれは本気で行く。お前も持てるすべてを出してこい。」

 

「!!!!!!」

 

この言葉にルフトの顔に緊張が一気に走る。本気。ルフトはゼファーが本気を出してないことに気が付いていた。その本気を出すというのだからルフトは柄にもなく緊張しているのだ。

 

「……はい!」

 

そして休憩が終わると二人は向き合う。ルフトは能力を使い、獣人型になっている上に武装闘気もまとっている。ゼファーもバトルスマッシャーⅡを装備している上に武装魔闘気を纏っている。

 

(すごい……!人間の身で武装魔闘気まで使えるなんて……やはりゼファー先生はすごい!)

 

「さあ来い!魔竜ルフト!!!!!!!」

 

「全力でいかせて……全力で行くぞ!黒腕のゼファー!!!!!!!」

 

《ドゴゴゴゴォォォォォォォオオオオオオン!!!!!!!!》

 

この二人戦いは、ぶつかり合いの衝撃で地面は大きくえぐれ、草木もほとんど失うことになった。結果はわからない。ただ清々しい両者の顔があっただけだ。ただしルフトはリアスにみっちり怒られた。

 

〜NoSideout〜

 

〜ルフトSide〜

 

「結局今回も話聞かせてくれなかったな……。」

 

ルフトだ。稽古が終わったんでグレモリー邸に帰された。ゼファー先生の稽古はこれで一旦終わりということになった。しかし最後までゼファー先生は有無を言わせなかったな。なんか過去の話をためらっている感じがあったな。……一体あの後何があったんだ?そしておれは今……。

 

「ワン、ツー、スリー、フォー。はい、そこでターン。ルフトさん、初めてとは思えない程の上達ぶりですね。」

 

「元々舞とかの知識は持ってますからね。応用すればなんとかなります。それにパートナーのリードが絶妙だからですよ。」

 

「まあ、お上手ですこと。」

 

……リアスの母親とダンスの稽古をして。なんでも眷族として身に着けたほうがいいらしい。ちなみにエロス一世もいる。こいつだいぶ変わったな。覇気のONOFFがちゃんとできている。どうやら修業はちょっとは効果があったようだな。禁手(バランス・ブレイカー)がまだまだらしいが。

 

「あいつは大丈夫か……?」

 

まあそれはなんとかなるだろう。それよりも今はおれのことだ。今回の稽古でいやというほど分かったが、やはり七星剣……あれでは本気が出せない。もともとあれは魔法の補助のために使っていたが、だからといっても今のままじゃ足手まといになりかねない。かと言って手放すのもなにか違う……やはりあの手か。アザゼルに頼んでどうにかしてもらうか……。

 

「はいルフトさん。今はレッスンの途中です。余計なことは考えないように。」

 

「……はい。」

 

〜ルフトSideout〜

 

〜イッセーSide〜

 

そんなこんなで時は過ぎ、8月15日。シトリー眷属との戦いまであと5日となった。ゲーム前にも魔王主催のパーティがあるので、修業は明日までとなる。

 

「今日までよくやったな。……しかし、残念だったな赤龍帝。もう少し日があれば可能だったかもしれない。明日で修業は終わりだが……おそらく無理だろう。」

 

タンニーンのおっさんがため息を吐く。そうなのだ。俺は身体能力と魔力の向上、覇気のONOFFはできるようになったものの、結局は禁手には至れなかった。そのまま俺はタンニーンのおっさんの背中に乗って戻った。おっさんはパーティ当日にまた来るらしい……。中に入って待っていると木場とゼノヴィアが来た。ただしゼノヴィアの姿は……。

 

「み、ミイラ。」

 

そう思うほど包帯でぐるぐる巻きだった。

 

「失敬な。私は永久保存されるつもりはないぞ。ただ修業してケガして包帯巻いて修業してケガして包帯巻いていたら、こうなっただけだ。」

 

「いやそういう意味じゃ……。」

 

そうこうしているうちにみんなが戻ってきた。リリスちゃんは祐斗に抱き付いてきた。うらやましい!!!しかもみんな話を聞く限り、最低限の住処があったらしい。ルフトにさえだ。なんで俺だけ!?俺なんかサバイバルしてたんだぞ!?そんなサバイバリティを湛えてあの山の名前はイッセー山と名付けることになったらしい。部長〜〜。ちなみにルフトが戦ったところは平地なのに大きなクレーターができたらしい……ルフトとルフトの恩師……すごすぎる!

 

〜イッセーSideout〜




鉄塊‘節槍’
鉄塊をかけた肘や膝で相手の攻撃をカウンターする技。

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