ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
ちょっと微妙なキャラ改変もあります。
~イッセーside~
俺たちが案内されたのは異様な雰囲気が漂う場所だった。かなり高い所に席が置かれ、そこに偉そうな方々が座っている。見下している感じがするな……。ルフトが不機嫌だ。
もう一つ上の段には見知った顔がいた……魔王サーゼクス様と魔王セラフォルー様だ。今日はさすがに魔法少女のコスプレじゃないようです。この人たちは見下す感じはなく、面白そうに見ていた。
そんな空気の中、部長を含めた若手六人が一歩前に出る。チンピラも一応復活していた。
「よく、集まってくれた。次世代を担う貴殿らの顔を改めて確認するため、集まってもらった。これは一定周期ごとにおこなう、若き悪魔を見定める会合でもある。」
年老いた男性悪魔が手を組みながら、威厳ある声で言う。この人ほかの人と違って見下す感じがないな。かといってサーゼクス様みたいに目をかけてる感じもない。
「さっそく、やってくれたようだが……。」
そんな中、ヒゲたっぷりの悪魔が皮肉げに言う。さっきの騒ぎの事か?
「キミたち六名は家柄、実力共に申し分ない次世代の悪魔だ。だからこそ、デビュー前にお互い競い合い、力を高めてもらおうと思う。」
一番上の段のサーゼクス様が言う。
「我々もいずれ
サイラオーグがど直球で訊く。俺もいずれヴァーリの相手にでることになるのかな……?
「それはまだわからない。だが、できるだけ若い悪魔たちは投入したくないと思っている。」
その答えに、サイラオーグさんは納得できないといったように眉を吊り上げる。
「なぜです?若いとはいえ、我らとて悪魔の一端を担います。この歳になるまで先人の方々からご厚意を受け、なお、何もできないとなれば……。」
「サイラオーグ、その勇気は認めよう。しかし、無謀だ。何よりも成長途中のキミたちを戦場に送るのは避けたい。それに次世代の悪魔を失うのはあまりにおおきいのだよ。理解して欲しい。キミたちはキミたちが思う以上に我々にとって宝なのだよ。だからこそ、大事に、段階を踏んで成長して欲しいと思っている。」
「そういうことだサイラオーグ。お前ももうちょっと成長してからだ。」
サイラオーグさんはニューゲートさんにいさめられてはいちおう納得したようだ。その後は、お偉いさんたちの話やら、今後のゲームについての話が続いた。……難してあまり理解できない!
「最後にそれぞれの今後の目標を聞かせてもらえないだろうか?」
サーゼクス様の問いかけにまずサイラオーグさんが答えた。
「俺は魔王になり、親父を超えるのが夢です。」
「ほう……」
サイラオーグさんの目標に感嘆するお偉いさんたち。
「大王家から魔王が出るとしたら前代未聞だな。」
「俺が魔王になるしかないと冥界の民が感じれば、そうなるでしょう。」
すげえ自信満々に言い切ったサイラオーグさん。
「だが彼を超えるのは……魔王になるよりも難しいよ?」
そう言ってサーゼクス様はニューゲートさんを見つめる。たしかに難しそうだ!
「熟知してます。俺の親父ですから。」
また言い切った!すごい!
「私の目標はレーティングゲームでナンバー1になることです。」
こんどは部長の目標!でかい!さすが部長です!
「ふむ……それは魔王級に匹敵する実力がなければ無理だ。その覚悟はあるのか?」
「あります。」
部長は自信満々に答える。すげえ……!
「冥界にレーティングゲームの学校を建てることです。」
今度は会長の目標、けどお偉いさんたちは眉根を寄せていた。
「レーティングゲームを学ぶところならば、すでにあるはずだが?」
確認するように言うお偉いさんに、会長は淡々と答える
「それは上級悪魔と一部の特権階級の悪魔のみしか行くことが許されない学校のことです。私が建てたいのは下級悪魔、転生悪魔も通える分け隔てのない学舎です」
しかしその目標は聞いたほとんどの悪魔は……。
「「「あははははは!!!」」」
馬鹿にするように笑い出した。
「それは無理だ!」
「これは傑作だ!」
「なるほど!夢見る乙女というわけですな!」
「若いというのはいい!しかし、シトリー家の次期当主ともあろう者がそのような夢を語るとは。ここがデビュー前の顔合わせの場で良かったというものだ。」
「私は本気です。」
中傷するなか、会長は真っ直ぐに言い放つ。セラフォルー様もうんうんと頷いていた。しかし、冷徹な言葉をお偉いさんは口にする。
「ソーナ・シトリー殿。下級悪魔、転生悪魔は上級悪魔たる主に仕え、才能を見出されるのが常。それのような養成施設をつくっては伝統と誇りを重んじる旧家の顔を潰すこととなりますぞ?いくら悪魔の世界が変革の次期に入っていると言っても変えていいものと悪い者があります。まったく関係のない、たかが転生悪魔に教えるなどと……。」
《ドゴォォォォン!!!》
《ボアアアアアア!!!》
すると突然衝撃が走り、炎が燃え上がった。見るとルフトが地面を踏み砕き、エースが燃えていた。ちょっ!?
「転生悪魔や下級悪魔は才能がないから意味がない?おかしいな。おれも駒がもらえることになってるんだが……そうか!あんたらはおれよりも強いのか!じゃあ試してみようじゃねーか。」
そう言ってルフトが立ちあがる。それを見ておどおどしだす上層部の悪魔たち。そうだよなー。弱いなら
「い、いやしかし……。」
「おいおいルフト。お前が出るなおれがやる!」
そう言ってエースも立ち上がる。ちょ、ちょっとまずいんじゃ……。
「落ち着けお前等。」
そう言って声をだすのはニューゲートさん。すごい威厳に満ち溢れている……!
「そいつらはそういうやつらに自分の立場を脅かされるのを嫌う小物だ。お前たちが手を出したらむしろお前たちの誇りが傷つく。無視しとけ。」
その言葉を聞いてルフトもエースもおとなしく席に座る。これがルフトたちの世界でも最強と称された存在……!
「こ、この我々を誰だと思っている!?」
「無礼だ!上級悪魔昇格を取り消せ!」
座った途端騒ぎ出す悪魔たち。さっきまで怯えてたのにこれかよ……つかエースも上級悪魔昇格が決まっていたのか?
「黙っておれ。」
そんな中一人の悪魔が他の悪魔の意見を封殺する。一人だけ見下してなかった老人悪魔だ。
「し、しかし……!」
「ソーナ・シトリー。君の語った目標は夢物語に近い。それでも貫き通す覚悟はあるのか?」
その老人悪魔はほかの悪魔の言うことを無視して会長に話かける。すげえ。
「はい。私はこの目標を貫き通したいです。」
「ならばそれを見せてもらおう。若手同士でゲームをしてもらおう。」
え?ゲーム?
「そうだな……同じ将軍もちで君の幼馴染、リアス・グレモリーと戦ってもらおう。」
「それはちょうどいいです。もともと近日中にリアスのゲームをする予定だった。アザゼルが各勢力のレーティングゲームのファンを集めてデビュー前の若手の試合を観戦させる名目もあったものだからね。そこでリアスとソーナで1ゲーム執りおこなってみようではないか。」
か、会長とレーティングゲーム……。その言葉を聞いた二人に挑発的な笑みが浮かぶ。
「公式ではないとはいえ、私にとっての初レーティングゲームの相手があなただなんて運命を感じてしまうわね、リアス。」
「競う以上は負けられないわ、ソーナ。」
さっそく火花を散らしている二人……というか実際に散ってる。……よくみればエースがさっき出した炎が中央で燃えている。ちょっ、ちょっちょっちょっちょっ!
「対戦の日取りは、人間界の時間で八月二十日。それまで各自好きに時間を割り振ってくれてかまわない。詳細は改めて後日送信する。」
俺が混乱している間に部長と会長のレーティングゲームが開始されることとなった。ちょっと炎は!?
《ゴォォォオォォォ!!!》
《バリ!!》
《バリ》
《バリバリィ!!!》
すると再び火花?が散ったかと思えば、周りの大多数が気絶していく……あれ……なんだか俺もだんだん意識が……。これは……部長やルフトがよく使う覇王色の覇気……なんで……?
〜イッセーSideout〜