ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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第52話 金獅子のシキ

~NoSide~

 

「ジハハハハ!」

 

そう笑いながら歩いてくる男は金獅子のシキ。その雰囲気に呑まれこの場にいる者の殆どが動けずにいる。

 

「全く……相変わらず自分勝手ですね。それに惚れてしまった私も私もですが《ボソッ》。」

 

「いいじゃねえかよ……あれ!?」

 

「な、何☆!?」

 

すると突然セラフォルーを指差すシキ。一体何を感じたのか?

 

「オオクワガタがいる!!!」

 

《ガタタタタ》

 

予想外の発言に全員がずっこける。意外と天然だ。

 

「セラフォルーでしょう!?どう見ても!?」

 

いやカテレアだけがつっこむ。どうやら慣れているようだ。

 

「オオクワガタに間違われるなんて、セラちゃんショック……。」

 

「金獅子だが近似日だがしらねえが、こいつひょっとしてたいしたことないんじゃ……?」

 

あまりのぼけっぷりに油断するアザゼル。

 

《ズドォ!!!》

 

その隙を狙うかのように突然地面から棘が生えて、アザゼルの腕を千切った。

 

「なぁあ……!?」

 

「誰が大したことないって?」

 

「ぐ、ぐおおおお!?」

 

「アザゼル!?」

 

「今何をしたのあいつ!?」

 

あまりの驚きに☆が抜けるセラフォルー。

 

「フワフワの実の能力……。」

 

「フワフワ?何だか柔らかそうな能力の名前だね?」

 

「そんな能力じゃねえ!フワフワの実は触れたものを浮かせる能力だ!」

 

「その能力でどうやって地面を棘にしたんだよ?」

 

確かにアザゼルの疑問はもっともだ。浮いたところで地面ごと浮くだけだ。

 

「フワフワの実は、物体の一部分だけを浮かすして操るなんて真似もできるからな……。棘になるようにうかせたんだろう。」

 

「応用性の高い能力だな。しかも我々に触れられたら……。」

 

全員に怖い想像が走る。もし一部分だけ浮かされて、心臓を抜き取られたらまさしく一撃必殺だ。しかしシキはそれを笑い飛ばす。

 

「ジハハハハ!安心しろ!おれ以外の生き物は動かせねえからな。」

 

その言葉に一同はホッとするが同時に怪訝に思う。わざわざ自分の弱点をばらす必要があるのかと?

 

「どうせ速いか遅いかの違いだ。」

 

その言葉にルフトは感じる。イリナと違い、自惚れているのではなく己に絶対の自信をもっていることに。

 

「さて……シキ君。君の目的はなんだ?」

 

全員を代表してサーゼクスが問いかける。それを聞いたシキは大仰に両手を広げサーゼクスたちを見下すように喋る。

 

「空から全てを支配することだ!!!まぁ今回は、お前だ!エース!」

 

「おれ……?」

 

「お前……おれの右腕になれ。」

 

「……!?」

 

その言葉に会場のものが再び驚かされる。いきなり敵を勧誘したのだ。

 

「ことわる!おれは支配に興味はねえ。やりてえようにやらねえと、意味がないだろう?」

 

「…………!!!」

 

エースの言葉にシキの表情が固まる。なにか癪にさわることでもいったのか?

 

「……そのセリフ……やっぱてめえはロジャーのガキだな。そっくりだ!」

 

「……!ろくでもねえ父親と一緒にするな!」

 

今度はエースの表情に怒りが浮かぶ。一緒にされることは好きではないようだ。

 

「いいぜ。本当は挨拶と勧誘だけのつもりだったが、警告も兼ねててめえを始末して……ん?」

 

すると急に止まっていた者たちが動き出す。どうやらイッセーたちがギャスパーを助け出したようだ。

 

「もう助け出したのかよ……以外とはええな。」

 

すると急に部屋の壁を突き破り飛び出すシキ。それに続くようにカテレアも部屋をでる。

 

「待て!」

 

「逃がさないぞ金獅子!」

 

「この野郎!俺の腕を千切りやがって!」

 

「カテレアちゃん!」

 

その後をエース、ルフト、アザゼル、セラフォルーが追う。

 

「お兄ちゃん!」

 

「リリス!」

 

「ルフト先輩……!」

 

「ルフト!」

 

「ルフトさん!」

 

「エース!」

 

「会長!」

 

「エースさん!」

 

それを追うようにグレモリー眷族とシトリー眷族が追いかける。何名かは別の者を追いかけたようだが。

 

「待ちたまえ……!っともう出て言ってしまった後か。」

 

「どうしますかサーゼクス様?」

 

「……彼らの実力なら大丈夫だろうが、問題はシキ……!どうする……私たちも応援に行くべきか?」

 

そうサーゼクスが悩んでいるとグレイフィアがサーゼクスに進言する。

 

「そのことですが、先ほど彼から連絡がありました。」

 

「彼……?そうか!なら心配ないだろう。彼は私よりずっと強い。なら私たちは結界の強化をしよう!」

 

「サーゼクス……彼とは?そこまで頼りになるのか?」

 

「ああ……冥界最強にして最高の悪魔だ!」

 

ミカエルの疑問に答えるサーゼクスの顔は彼に対する信頼で満ちていた。

 

~Nosideout~


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