ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~イッセーside~
あれ……どうしたんだ俺?あの時一瞬覚えのある感覚が……。あの感覚は確か……。
「!ギャスパーの
「ようやく動いたかエスへお一世。」
「ルフト!?これは一体?つか黒い!!!」
ルフトの体は真っ黒だった。覇気か?つか周りを見るとほとんどの人が止まっていた。やっぱりギャスパーの……。
「ルフトとエースと朱乃と小猫とソーナと黒歌は直前に覇気を纏って、イッセーは赤龍帝を宿す者、祐斗は
本当だ。朱乃先輩や小猫ちゃん、ソーナ先輩に黒歌さん、ついでにエースも真っ黒だ。
「時間停止の感覚はなんとなく、体で覚えた。……停止させれる寸前にデュランダルの力を盾に使えば防げると思ったけど、正解だったな。」
すげーな。校舎の周りを見るとローブを着込んだ奴らに攻撃されていた。一体これは……?
「恐らくテロリスト当たりだな。どこの世界でも平和を嫌う輩はいるんだな。(もっともこのタイミングで襲ってきたってことは革命軍とは思想は大違いだな。)」
「恐らく何らかの手段で力をあの吸血鬼に譲渡して無理やり禁手にしたんだろう。」
アザゼルの説明を聞いた部長に怒りたまっていく……。
「ギャスパーは旧校舎でテロリストの武器にされている……。どこで私の下僕の情報を得たのかしら……。しかも、大事な会談を付けねらう戦力にされるなんて……!これほど侮辱される行為もないわ!!!」
たまった怒りが解放されるように部長から赤いオーラが迸る。こ、怖い!
「ちなみにこの校舎を外で取り囲んでいた堕天使、天使、悪魔の軍勢も全部停止させられているようだぜ。まったく、リアス・グレモリーの眷属は末恐ろしい限りだ。」
そう言ってアザゼルが腕を振り上げると光の槍が一斉にローブに降り注ぎかなりの数を消滅させる。けどまたたくさんでてくる……台所にいる黒いGかお前らは?
「しかも……。」
するとルフトが校舎の先を睨み付けるとローブたちは全員気絶したように倒れていく……けどたった数秒で立ち上がる。
「覇王色の覇気対策がきっちり施されやがるな……。」
「あれはまだ未完成だから使えねえし……、こっちのことをよく調べてやがるな。……ギロギロの実の能力者でもいんのか?」
「そのギロギロの実ってなんのことかしらねえが、タイミングといいテロの方法といい、こちらの内情に詳しい奴がいるのかもしれないな。こっちを覗けるやつがいるのか、案外ここに裏切り者がいるのか?」
呆れるようにアザゼルは息を吐く。裏切り者か……。それならいっそこと。
「ここから逃げられないんですか?」
逃げたらいいんじゃないか?そう思ったけどアザゼルは首を横に振る。
「逃げないさ。学園全体を囲う結界を解かないと俺たちは外へ出られない。だが、結界を解いたら人間界に被害を出すかもしれないだろ。俺たちは相手の親玉が出てくるのを待っているんだよ。しばらく篭城していれば痺れを切らせて顔を出すかもな。早く黒幕を知りたいもんだ。それに下手に外へ出て大暴れすると敵の思う壺かもしれないってわけだ。」
じゃあこのまま待つのか?
「というように、我々首脳陣は下調べ中で動けない。だが、まずテロリストの活動拠点となっている旧校舎からギャスパーくんを奪い返すのが目的となるね。」
なるほど……たしかにまずギャスパーを救い出すほうがいい。男だがあいつも部活の大切な仲間だ!
「お兄さま、私が行きますわ。ギャスパーは私の下僕です。私が責任を持って奪い返しに行きます!」
強い意志をもって部長がサーゼクス様に進言する。
「言うと思っていたよ。妹の性格ぐらい把握している。……しかし、旧校舎までどう行く?この新校舎の外は魔術師だらけだ。通常の転移も魔法に阻まれる。下手に力技を使ってたら彼の身が危うい。」
まずいじゃんそれ!
「……部室には私の未使用の
キャ、キャスリング?
「チェスで
「確かにそれはいい手だ。だけど相手は覇王色の覇気対策を行っている。できれば複数人で行ってもらいたいね。」
「サーゼクス様。術式を少し改造すればもう一人までならなんとかいけるかと。」
「そうか。じゃあ後の一人は……。」
「俺!俺が行きます!」
「そうか!じゃあ頼んだよ!」
「はい!」
ギャスパー……待ってろよ!
「ヴァーリ、お前は外のテロリスト達を相手しろ。」
「面倒だな。そんなことをするより旧校舎を吹き飛ばしたほうが手っ取り早くていいんじゃないのか?」
!この野郎……!そう思っているとルフトがヴァーリにゆったりと視線を向ける。
「おいくそヴァーリ。次そんなことを言ってみろ。さもなくば……。」
「さもなくば?俺を殺すとでも?」
……こいつめっちゃ楽しそうにしてやがる!戦えればそれでいいのか!
「お前とは戦ってやらん。」
「……!!!それは困るな!」
だけどルフトは戦ってやらないと口に出した。成程!戦闘狂なら戦わないほうが苦痛だな!
「はあ……仕方ない、行くか。」
『VanishingDragon BalanceBreaker!!!!!!』
すると突然光りだしたとそれが収まったら初めて会ったときと同じ鎧姿をしたヴァーリがいた!
「ところでサーゼクス様。少し聞きたいことがあるんだが……。」
ルフトがサーゼクス様に話しかける。なんだ一体こんなときに?
「……相手は覇王色の覇気のことに対策をたてていた。知っている奴にしか対策はたてられない。それは限られている……黒幕はすでに分かっているんじゃないか?」
そうか!知ってなきゃ対策は立てられない!覇気を使う奴は限られているから、相手は将軍持ちの王の確率が高い!
「彼はこんなことはしない……だがもう一人……彼女ならやりかねない。」
「誰だ?そしてどんな将軍だ?」
「それは……「旧魔王です。」!」
どこからかサーゼクス様の声を遮って女性の声が聞こえてきた。
「!もう来たのか!グレイフィア!リアスとイッセーくんを急いで飛ばせ!」
「はい!」
「え!?ちょっ……。」
~イッセーsideout~
~ルフトside~
室内に一つの魔法陣が展開される。なんだこの文様は?
「……レヴィアタンの魔法陣。」
「は?セラがここにいるのになんでだ?」
エースの言うとおりだ。魔王は一人じゃないのか?
「ヴァチカンの書物で見た事があるぞ。あれは旧魔王レヴィアタンの魔方陣だ。」
「旧魔王?」
そして魔法陣から胸元を大きく露出させてスリットの入ったドレスをきた女性がでてきた。……エスへお一世が見たら飛びつきそうだな。しかも覇気使い……こいつがか。
「お久しぶりですね現魔王。そして初めまして各勢力のトップの方々。」
「先代レヴィアタンの血を引く者、カテレア・レヴィアタン。これはどういうことだ?」
「旧魔王派の者達は殆どが
禍の団……こいつらがか。
「目的は我々を殺して、魔王になりかわることか?」
「昔はそうでしたが、今はそんな小さなことはどうでもいいです。」
「「「!?」」」
その言葉にこの場のほとんどのものが驚愕する。どうやら予想と違いすぎたようだな。
「馬鹿な……。あれほど拘っていたというのに。我々を欺いて新しい駒を作らせたのにそれをどうでもいいというのか……。」
欺いて?
「他の二人はそうですが私は違います!私は魔王を超える存在になるのです!」
「カテレアちゃん……どうして?」
セラフォルーが悲しそうに問いかける。
「礼をいいましょうセラフォルー・レヴィアタン。私はあなたに魔王争いに敗れたお蔭で、より高みに行くための力を手に入れました。はあ!」
気合を入れるとカテレア・レヴィアタンの体が黒く染まる。覇気……しかも全身か。上級者だな。
「あなた方も得たようですが、私にはかないません。さて……私自身の目的はここまでです。さて力試しに誰か相手をしてもらいましょうか。」
そう言うと戦闘態勢に入り始める。俺たちも構えようとすると笑い声が遮る。
「ジーハーハーハーハーハ!もうちょっと話していてもいいんじゃねえかカテレアちゃん?」
「あら来てたのですか?私の愛しい人……。」
…………おいおい。冗談きつくね?なんでこんな存在がいるんだ?
「そりゃ楽しくなりそうだったからなぁあ。」
「おいおい誰だよこりゃ?……とてつもなくやばそうだ。」
「アザゼル。彼は初代将軍……恐らくルフトくんやエースくんと同じ世界から……。」
「恐らくじゃなくてその通りだ。」
「おいルフト?こいつのこと知ってるのか?」
「お前も名前ぐらい聞いたことがあるだろう……海賊王ゴールド・ロジャー時代を生き抜いた男……。」
「なんだと?」
その言葉にエースは機嫌が悪くなる。
「ゴールド・ロジャーや白ひげと肩を並べた伝説の海賊……海賊艦隊提督金獅子のシキだ!」
「ジハハハハ!覚えといてもらおうか?」
ジンエよりもはるかにやばすぎるぞ……!
~ルフトsideout~