ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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来週更新できるか怪しいです。


第49話 へたれ二世修業!?

~イッセーside~

 

イッセーです。ただ今俺の目の前には……。

 

「ほら、走れ。デイウォーカーなら日中でも走れるはずだ。」

 

「ヒィィィィッ!デュランダルを振り回しながら追いかけてこないでぇぇぇぇえ!」

 

「……ギャーく……へたれ二世、ニンニクを食べれば健康になれる。」

 

「いやぁぁぁぁん!小猫ちゃんが僕を色々いじめるぅぅぅぅ!」

 

「走れ走れ!まき●おう~。」

 

「うわぁぁぁぁぁ!?髪の毛がドリルになってるぅぅぅぅぅぅ!?」

 

「コースを逸れると刺さるよ~?」

 

「ああ……いじめるのいい!」

 

「生き生きしてますねレイナーレ様……まぁ私も楽しいですけど。」

 

「光の槍ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

 

校庭でギャスパーがルフトたちに襲われてます……。ゼノヴィアが健全な精神は健全な肉体に宿ると言い出してルフトがそれに同意してギャスパーを鍛えるために追い掛け回すことになった。つかレイナーレ達だけじゃなく小猫ちゃんまで……。ギャスパー……強く生きろよ。

 

「おーおーやってるな。」

 

「匙?どうした?」

 

そう祈ってるといつの間にか匙が来ていた。どうしたんだこいつ?

 

「三大勢力のお偉いさん方がここで会議をするもんだから。学園をきれいにするために花壇の手入れをしてんだよ。」

 

どうりでジャージ・軍手・スコップっていう装備なのか。でもそれ今関係なくね?

 

「で今休憩ついでに監禁から解放された引きこもり眷族がいるって聞いてな。そこでエースと合流して見に来たんだ。」

 

そうなのか……ん?

 

「エース……?いないぞ?」

 

「あれおかしいな?さっきまで後ろに……。」

 

「どうした?」

 

おかしいと思って匙の見たほうを見ると……。

 

「おれにもやらせろ!」

 

「ひいいいいいいいいいい!?炎が炎が!?熱いよおおおおおおお!!!」

 

ルフトたちと一緒になって追いかけていた。……大丈夫か?

 

「おいエース!つかルフトやゼノヴィア嬢まで……あんな金髪美少女をよってたかっていじめるなんて……!」

 

「残念、あれは女装野朗だそうです。」

 

それを聞き、心底驚き、そして心底落胆した匙。

 

「そりゃ詐欺だ。つか、女装って誰かに見せたいためにするものだろう?それで引きこもりって矛盾すぎるぞ。難易度高すぎるぞ。」

 

「だよな。意味のわからん女装癖だ。似合っているのがまたなんとも言えん。」

 

せちがらいな……。すると突然ルフトとエースが足を止めてこっちに向かう。どうしたんだ?

 

「どうした?鍛えるのはいいのか?」

 

「……こっちに真っ直ぐ向かってくる気配がある。しかも悪魔じゃなくてこの気配は……堕天使。」

 

!その言葉に俺たちは一気に緊張を高める。ここに近づいてくる堕天使の気配……俺にはひとつだけ心当たりがあった。すぐに俺は赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を発動させておく。匙は怪訝に思いながらも右手にデフォルメしたようなヘビの頭がくっついた手甲をだす。ギャスパー以外のみんなも何か気づいたのこちらに近づく。

 

「へぇ?悪魔さん方はここで集まってお遊戯してるわけか。」

 

!聞き覚えのあるこの声は……!その方向を見ると浴衣を着たちょいワル親父的な男。こいつは……!

 

「アザゼル……!」

 

「よー赤龍帝。あの夜以来だな。」

 

「ひょ、ひょひょひょひょ、兵藤、アザゼルって!」

 

「マジだよ、匙。俺はこいつと何度か接触している。」

 

「……っ!」

 

するといつの間にか小猫ちゃんとゼノヴィアもこちらにきた。俺はアーシアを後ろに庇うように立つ。堕天使メイドたちは驚愕して戦力にならないな……つかレイナーレに至っては泣いてる……。しかしアザゼルは戦う気がないのか手をひらひらさせてる。

 

「やる気はねぇよ。ほら、構えを解きなよ。そこの二人ならともかくお前らが全員かかってきても腕の1,2本が限度だよ。そこの二人は俺を殺す気はないだろうし。」

 

そう言われてルフトとエースを見ると二人はとくに戦う構えをとってない。なんでだよ!?

 

「ここでこいつを殺したら、三大勢力会議どころじゃないからな……。」

 

そういや今は会議が近かったんだ……エースもそれに気づいて……?

 

「Zzzzzzzzzz。」

 

寝てるよこの人……なにしきたの?

 

「豪胆だなそいつは。俺はちょっと散歩がてら悪魔さんのところに見学だ。聖魔剣使いはいるか?ちょっと見にきたんだが……。」

 

「今すぐ帰りなさい変態。」

 

「へ、変態!?」

 

リリスちゃんはアザゼルのことが気に食わないのか暴言を吐く。

 

「こりゃ手厳しいな……で?どこにいるんだ?」

 

「木場ならいないさ!木場を狙っているならそうはさせない!」

 

イケメンでもあいつは大切な仲間だしな!

 

「……いないのかよ?ちっ。つまんねえな。」

 

するとアザゼルはしぶしぶだが諦めた。

 

「おいそこのヴァンパイア!」

 

「ひぃ!」

 

すると何時の間にか木陰に隠れていたギャスパーに話しかける。

 

停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)か。強力な神器(セイグリット・ギア)だが、コントロールできずに暴走させると危険極まりない代物だ。かといって悪魔は神器の研究が進んでいないから補助具で制御もできてねえのか……おいそこの黒い龍脈(アブソーブション・ライン)の所有者!」

 

「お、俺!?」

 

匙は自分が呼ばれると思ってなかったのか身を震わせる。そして匙の右手の神器を指さす。

 

「練習するならそいつを使ってみろ。それで神器の余分な力を吸い取らせながら発動させれば暴走も少なくなるだろう。」

 

「お、俺の神器って相手の神器の力も吸えるのか?……ただ相手の力を吸って弱らせるのかと……。」

 

その言葉にアザゼルが呆れたように溜息を吐く。

 

「んなわけあるか。それは五大竜王の一匹、黒邪の龍王(プリズン・ドラゴン)と悪名高い龍の王、そんなチャチなもんで済むかよ?短時間の条件付きでなら他の奴や物体にもラインを繋げてパワーを流し込むこともできる。レベルも上がればラインの本数も増えて吸い取る出力も倍々ってわけだ。試すなら赤龍帝の血を飲ませてみろ。一番手っ取り早くパワーアップできるぞ。」

 

すげえ……こいつ神器のことにかなり詳しいな。やっぱり調べているだけのことはあるな。

 

「なかなか詳しいな。頭脳はべカパンク並み……か?」

 

「べカパンク?誰だそりゃ?」

 

聞いたことないな?

 

「おれのいた世界の最高の頭脳を持った科学者だ。奴の頭脳は当時の人間の500年先はいってると言われている。」

 

「へえ……?そりゃすげえな。」

 

500年って……!

 

「ま、それはまた聞かせてもらうとして……赤龍帝、ヴァーリ、うちの白龍皇が勝手に接触して悪かったな。まあかなり変わった奴だが今すぐに赤白ライバル対決するような奴じゃないさ。」

 

「正体明かさずに俺に接触してたのは謝らないのかよ?」

 

それに対してアザゼルはニっと笑った。

 

「謝らねえよ。ありゃあ俺の趣味だ。」

 

さいですか。そう言い残してアザゼルは去って行った。

 

「と、とりあえず俺の神器をそこの新顔くんにとりつけてやってみっか。その代わり、お前らには花壇の手伝いしてもらうからな。」

 

その言葉に俺たちは頷いて特訓を再開した。なんだかんだ言ってあいつは堕天使の総督なんだな……。

 

「あ、アザゼル様!わ、私は……あれいない!?」

 

……今まで呆けていたのかよ。

 

~エスへお一世sideout~


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