ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~   作:NCドラゴン

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今週は本当に忙しい……来週更新できるか分かりません。


第48話 開かずの教室のヘタレの後継者

~ルフトside~

 

公開授業の後何故かおれの家にエスへお一世の両親とサーゼクスとグレイフィアとリアスの父親が集まった。おれの家でビデオを見るらしい。親父はサーゼクス・ルシファーが来たとかでめっちゃ大慌てだ。お袋は気にも留めてないが。それでもビデオ鑑賞していくにはしゃいでいたが。その両親を見てめっちゃ恥ずかしかった。リアス、リリス、アーシア、エスへお一世もおなじようなもんか。そして翌日の放課後。おれたちは旧校舎の妙な場所にいた。例の全く気配を感じない部屋だ。聞いた話じゃここにもう一人の僧侶(ビショップ)がいるらしいが……それ以上のことは聞いていなかったな。昨日サーゼクスがここに来たのはここの封印を解くためでもあったらしい。リアスが転生させたのはいいが、そいつが持っている強力な神器(セイグリット・ギア)をそいつ自身扱いきれずに封印されたらしい。だがライザー・フェニックスとの戦いと聖剣を巡る激闘を得て、今のリアスなら使いこなせると上のお偉いさん方が判断して封印解除されることになったらしい。本来なら夜には一時的に封印が解除され、そいつは旧校舎内で自由になれるらしいが、本人が部屋から出ることを拒んでるらしい。引きこもりかよ……ただそれでも契約をとることに関して一番の稼いでいるやつらしい。コンピューターで。……悪魔もネット社会か。

 

「それじゃあ開けるわよ。」

 

おれが考え事している間に最終的な封印が解けたのか、リアスが扉を開ける次の瞬間!

 

「イヤーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

「ぬぐお!?」

 

いきなり叫び声が聞こえてきた。な、なんだ!?余りの叫び声におれ以外のやつらもほとんどやられたぞ!?しかしリアスと朱乃は分かっていたのか平然と部屋の中に入る。

 

「ご機嫌よう。取り敢えず元気そうで何よりだわ。」

 

「な、な、何!?何々!?何事なんですかぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

 

「あらあら、封印が解けたのですからもうお外に出られますよ。さあ、私達と一緒に出ましょう?」

 

「イヤですぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!外に行きたくないですぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!絶対に人に会いたくないですぅぅぅぅぅ!!!」

 

……重度の引きこもりだな。とりあえずおれたちも中に入る。するとそこには金髪の美少女?がいた。こいつ何だ?なんか違和感を感じるな。

 

「おおっ!女の子!しかも金髪外国人!」

 

……やはりエスへお一世はエスへお一世だ。しかしようやく違和感に気付いた。

 

「ちげえぞ。こいつ男だ。」

 

「……………………へ?」

 

「よく気付いたわねルフト。イッセー、見た目、女の子だけれど、この子は紛れもない男の子よ。」

 

「いやいやいやどう見ても女の子ですよ、……え? マジで?」

 

「女装趣味があるのですよ。」

 

「ええええええええええええええええええっ!?」

 

イッセーは驚愕の叫び声を上げた。うるせえ!?

 

「ヒィィィィィィィィ!ゴメンなさいゴメンなさぁぁぁぁぁぁぁぁい!」

 

「女装趣味ってのがさらに残酷だ!似合っている分、余計に真実を知ったときのショックがデカい!引きこもりなのに女装癖かよ!誰に見せるための女装ですか!?」

 

「だ、だ、だ、だって、女の子の服のほうがかわいいもん!」

 

「もん、とか言うなぁぁぁぁ!クソッ!野朗のクセにぃぃぃ!俺の夢を一瞬で散らしやがってぇぇぇぇぇえ!お、俺は、アーシアとおまえのダブル金髪美少女、僧侶を瞬間的にとはいえ、夢見たんだぞ!?返せよぅ!俺の夢を返せよ!」

 

「……人の夢と書いて、儚い。」

 

「まことにその通りだな小猫。」

 

「小猫ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!シャレにならんから!」

 

「と、ところで、この方は誰ですか?」

 

すると今頃気付いたかのようにおれたちを指をさす。

 

「新しい眷属で兵士(ポーン)のイッセーと、騎士(ナイト)のゼノヴィア、将軍(ジェネラル)のルフト、あなたと同じ僧侶のアーシアと、部員で唯一の人間のリリス、私たちオカルト研究部の顧問の黒歌と、堕天使でメイドのレイナーレ、ミッテルト、カラワーナよ。」

 

「い、い、いいいいいいぱぱぱぱぱぱぱいいいいいいひ、ひ、人がいるぅぅぅぅぅう!?」

 

「お願いだから、外に出ましょう?ね?もうあなたは封印されなくてもいいのよ?」

 

リアスはやさしく語りかけるが……。

 

「嫌ですぅぅぅぅぅぅ!僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁぁぁぁ!怖いお外怖い!どうせ、僕が出てっても迷惑をかけるだけだよぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

相当のへたれだな。よしこいつはへたれ二世だ。

 

「ほら、部長が外に出ろって……。」

 

「ひいいいいい!?」

 

すると一瞬でへたれ二世が部屋の隅まで移動する。こいつあの一瞬で移動したのか!?だがおれはここで違和感に気付く。

 

「……誰も動いていない?」

 

「ひいいいいいいい!?あなたもう動けるんですか!?」

 

こいつ何をした?一瞬とはいえおれが何もできなかった?

 

「おいへたれ二世何をした?。」

 

「へ、へたれ二世って僕のこと!?」

 

「何をしたと聞いてるんだ?」

 

「ごめんなさい!怒らないで!!!」

 

……だめだこりゃ。そうこうしている内にリアスたちも動き出す。

 

「あれ……なんだ?一瞬でルフトと女装野郎が部屋の隅に……?」

 

「すごいわねルフト。」

 

「あらあらさすがですね。」

 

どうやらなにをしたかリアスたちは分かってるみたいだな。恐らくこいつの能力は……。

 

「時を止める、か?」

 

「その通りよ。」

 

「へ?時を止める……?」

 

「その子は興奮すると、視界に映したすべての物体の時間を一定の間停止することができる神器を持っているのです。」

 

……なんでもありだな神器。

 

「彼は神器を制御できないため、大公及びサーゼクスさまの命でここに封じられてたのです。」

 

リアスはへたれ二世をやさしく抱きしめ、俺たちに言う。

 

「この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷属の僧侶。一応駒王学園の一年生なの。……そして、転生前は人間と吸血鬼のハーフよ。」

 

……吸血鬼の血も混じってるのか。

 

 

停止世界の邪眼(フォービトゥン・バロール・ビュー)……ですか?」

 

「そう。それがギャスパーの持っている神器の名前。とても強力なの」

 

「時間を停めるって、それ、反則に近い力じゃないですか?」

 

極めれば無敵に近い力だな。もっとも……。

 

「ええ、そうね。でもあなたの倍加の力も、白龍皇の力も反則級なのよ?」

 

確かにそうだ。10秒ごとに己の力を倍にしていく力。1分も貯めればその力は64倍にもなる。今はエスへお一世がしょぼいからわかりづらいが。

 

「問題は、それを扱えないところ。それゆえギャスパーはいままで封じられてきたのよ。無意識に神器が発動してしまうのが問題視されていたところなの。」

 

「しかし、当時そこまで強くなかったお前がよくそんな強力な神器を持った奴をよく下僕にできたな。しかも駒一つ、どんなインチキを使ったんだ?」

 

「インチキじゃないわよ。彼には変異の駒(ミューテーション・ピース)を使ったからよ。」

 

「ミューテーション・ピース……なんですかそれ?」

 

疑問に思ったエスへお一世に祐斗が説明を始める。リリス……いつまで引っ付いてるんだお前は?

 

「通常の悪魔の駒(イーヴィル・ピース)とは違い、明らかに駒を複数使うであろう転生体がひとつで済んでしまったりする特異な現象を起こす駒のことだよ。」

 

「部長はその駒を有していたのです。」

 

「だいたい上位悪魔の10人に1人はひとつぐらい持っているよ。悪魔の駒のシステムを作り出したときに生まれたイレギュラー、バクの類らしいけど、それも一興としてそのままにしたらしいんだ。ギャスパーくんはその駒を使った1人なんだよ。」

 

10人に1人ね……確かに当時のリアスの才能は大したもんだったな。ごてごての原石ってかんじだったな。

 

「問題はギャスパーの才能よ。」

 

才能……身体は……可能性の塊だな。今はしょぼいが鍛えればイッセーに追いつくのは容易いだろう。ただそれだけじゃ問題視はされないだろうし……魔法とかそういった超常的才能か?

 

「部長、どういうことですか?」

 

「彼は類希な才能の持ち主で、無意識のうちに神器の力が高まっていくみたいなの。そのせいか、日々力が増していってるわ。……上の話では。将来的に禁手(バランス・ブレイク)へ至る可能性もあるという話よ。」

 

「ば、禁手……俺鍛えているのにいまだに禁手してないのに……。」

 

「そりゃ怖いその……長くてめんどい名前だな。フバビでいいや。フバビをコントロールできないってのは問題だな。」

 

「いやあああああああ!?僕の神器が変な名前に省略されるううううう!?」

 

面倒だからしかたないだろう?

 

「名前のことはおいといて……とりあえず問題なのだけど、私の評価が認められたため、いまならギャスパーを制御できるかもしれないと判断されたそうよ。私が祐斗を禁手にいたらせたと上の人たちは評価したのでしょうね。それと将軍であるルフトの加入もそれに一役買ってると思うわ。」

 

おれもかよ。

 

「……うぅ、ぼ、ぼ、僕の話なんてして欲しくないのに……。」

 

「…………。」

 

《ズバァア!》

 

「ええええええ!?斬られた!?今斬られた!?」

 

いつの間にか段ボールに入っていてうっとうしかったので段ボールの上4隅を斬脚で切る。

 

「魔法の能力的には朱乃に次いで3番目なんじゃないかしら。ハーフとはいえ、由緒正しい吸血鬼の家柄だし、強力な神器も人間としての部分で手に入れている。吸血鬼の能力も有しているし、人間の魔法使いが扱える魔術にも秀でているわ。とてもじゃないけど、当時の私じゃ本来僧侶の駒ひとつで済みそうにないわね。」

 

色々と万能なんだな……。そしてへたれ二世の紹介が始まった。

 

デイウォーカーで日の光が平気。ただし日の光は嫌い。

授業にでてない。自分の世界は段ボールの中。外の世界は嫌い。

吸血鬼なのに血が嫌いで飲むのも苦手。飲まないといけないそうだが、あんまり飲みたくない。レバーも大嫌い。

 

おい……吸血鬼ぃ。エスへお一世とは真逆の意味で才能の無駄遣いだな。

 

「……まさしくへたれ二世。」

 

「うわぁぁぁぁん!小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅう!」

 

「っていうかへたれ二世って……。」

 

「「へたれ一世はお前(先輩)でもある。」」

 

そう言っておれと小猫はエロス・スケベ・へたれ・おバカ一世を指をさす。

 

「うおおおおおおい!?」

 

「とりあえず、私が戻ってくるまでの間だけでも、祐斗と朱乃以外であなたたちにギャスパーの教育を頼むわ。私と朱乃は3すくみのトップ会談の会場打ち合わせをしてくるから。それと祐斗、お兄さまがあなたの禁手について詳しく知りたいらしいから、このあとついてきてちょうだい。」

 

「わかりました。」

 

「うう~。祐斗さん……。」

 

「リリス、またあとでね?」

 

「……はい!」

 

大分リリスの扱いになれたな祐斗。

 

~ルフトsideout~

 


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