ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~Noside~
「せ、聖魔剣だと?あり得ない。反発しあう二つの要素が混じり合うなんて事はあるはずがない。」
祐斗の聖魔剣を見て、バルパーは表情を強張らせていた。
「バルパー・ガリレイ。これで終わりだ。」
ゼノヴィアはバルパーにデュランダルを向ける。
「……そうか!分かったぞ!聖と魔、それらを司る存在のバランスが大きく崩れているとするならば説明がつく!つまり、魔王だけではなく、神もおおおお!?」
突然バルパーが髪に引っ張られバルパーがいた場所に光の槍が刺さる、どうやら髪の毛がバルパーから助け出したみたいだ。
「貴様……なんのつもりだ?」
助け出したのはルフトだった。
「き、貴様なぜええええ!?」
バルパーもルフトに聞き出そうとするが、その前に再び髪の毛に引っ張られ、祐斗の前に放り出される。
「祐斗!お前の手で終わらせろ!同志たちへの手向けだ!」
「ルフトくん……。」
どうやら祐斗の手でバルパーにとどめを刺させるつもりらしい。
「バルパー・ガリレイ……あの世で同志たちに詫びろ!」
「ま、待……。」
《ズパァ》
言い切る前に祐斗の手によりバルパーは真っ二つにされる。
「……復讐を終えた感想は?」
「……何もないね。」
「だろうな。」
そう言ってルフトは上の方を見つめる。その先にはコカビエルがいた。
「……ハハハ!カーハッハッハハハハハハ!俺の一撃より早く動くとは……面白いぞ。」
そう言いながら下りてくるコカビエル。しかしルフトの視線は上を見たままだ。
「……貴様どこを見てる?」
「……来たか。」
すると上から何者かが下りてくる。その男は……。
「ジンエ……。」
「……貴様か。なぜここに来た?」
「やっほールフトくん。また会ったね。」
しかしジンエはコカビエルを無視をする。
「おい貴様……。」
《ズバァアン!》
「邪魔ね。」
「がぁあああああ!?俺の腕が!?」
ジンエのたったの一太刀でコカビエルの右腕と翼5枚が切り裂かれる。
「だから消えるね。」
そのままもう一太刀横に薙ぎ払うが。
《ギィイン!》
「ぐおおおおお!?」
何故か斬られずに遠くへ吹き飛ぶ。
「嘘……コカビエルが……聖書にも載る強大な存在を一蹴するなんて……。」
リアスたちは驚いていた。自分たちが覚悟を決めて戦おうとしたコカビエル。それを簡単に一蹴してしまった男の実力を。
「へえ?ギリギリ光の槍を出して急所を防いだか。すこしは面白そうだったね。でも今は……。」
「こっちだろ!獣厳!」
「だね。」
《ギィイン!》
ルフトが一撃を繰り出すものの、それをジンエは刀であっさり防いでしまう。
「斬腕!」
「はぁあ!」
そのまま腕と刀が幾度なり斬りあう。しかしそのスピードは尋常じゃなかった。
「は……速い!目で捉えきれない!」
「じ、次元が違う!」
「斬脚!」
「せいや!」
たまに隙をついて足で切りかかるも、それすらもジンエは弾く。
「嵐脚‘龍線’!」
多少距離を置いて龍の形をした嵐脚を放つも。
「弾丸突き!」
ジンエは突きを飛ばしてそれと相殺する。
「……様子見はこれでいいか。」
「そうだね。」
「えっ……?」
二人の発言に周りで観戦していたものは驚いた。様子見。つまり二人はまだ本気ではないということだ。
「いくぜ……久々の全開だ!」
するとルフトの姿が大きく盛り上がっていく。
「またドラゴンに!?」
「なるのか!?」
しかしそれはドラゴンの姿ではなく、あくまで人の形をしていた。しかし全身は蒼い鱗で覆われ、爪はするどくなり牙や翼も尻尾も生えた。まるでドラゴンの姿をした人間だ。
「そ、その姿は……?」
「前にも言っただろ?
「懐かしいね……前はその鱗を切るのを結構苦労したからね……じゃあ私の愛刀を見せようかね。」
そう言うとジンエは持っていた刀を腰の鞘に納め、何もない空間に手を突っ込む。先ほどのゼノヴィアと同じように別空間に仕舞っているようだ。
「あったあったね。」
そうして出てきた剣は、長い刀身に七つの光を持つ禍々しい剣だった。
「な、なんだありゃ……?」
「僕の作る魔剣より禍々しい……。なんだあの魔剣は!?」
「見た事も無い……あれは一体!?」
「そ、そんなバカな……信じられない……!?」
魔剣の正体が分からない中、ゼノヴィアだけが魔剣の正体にたどりつく。
「知ってるのゼノヴィアあの魔剣を!?」
「あれは魔剣じゃない……あの7星は……七聖剣だ!」
「聖剣ですって!?でもあれは……!」
「……どう見ても魔剣です。」
小猫の言う通り、剣はどう見ても魔剣にしか見えない。
「元々は聖剣だったんだけどね。悪魔と魔獣を切り続けてたら呪われてこんなんになった。まさしく呪われた聖剣だね。」
その言葉にゼノヴィアは驚きが隠せない。
「ばかな……邪を払う七聖剣が呪われているなんて……。」
「そりゃあ神がいないからね。バランスくずれてるんだよね。」
「……え?」
「だからさ、昔の三つ巴戦争でね、魔王だけじゃなく神も死んだって話だよ。」
その言葉にゼノヴィアだけではない。今も神に祈るアーシアや幼いころ教会にいた祐斗も衝撃を受ける。そして神の死にリアスたちオカルト研究部も少なからずショックを受ける。ショックを受けてないのはルフトぐらいのものだった。
「どうでもいいけどコカビエル曰く、知らなくて当然だ。神が死んだなどと、誰に言える?人間は神がいなくては心の均衡と定めた法も機能しない不完全な者の集まりだぞ?我ら堕天使、悪魔さえも下々にそれらを教える訳にはいかなかった。どこから神が死んだと漏れるか分かったものじゃないからな。三大勢力でもこの真相を知っているのはトップと一部の者達だけだ。ってね。」
コカビエルの声真似で喋るジンエ意外と上手い。
「戦後残されたのは、神を失った天使、魔王全員と上級悪魔の大半を失った悪魔、幹部以外のほとんどを失った堕天使。もはや、疲弊状態所じゃなかった。どこの勢力も人間に頼らねば種の存続が出来ない程に落ちぶれたのだ。特に天使と堕天使は人間と交わらねば種を残せない。堕天使は天使が堕ちれば数が増えるが、純粋な天使は神を失った今では増える事などできない。……正直に言えば、もう大きな戦争など故意にでも起こさない限り、再び起きないだろう。それだけ、どこの勢力も先の戦争で泣きを見た。お互い争い合う大元である神と魔王が死んだ以上、戦争継続は無意味だと判断しやがった。アザゼルの野郎も戦争で部下を亡くしちまったせいか、二度目の戦争はないと宣言する始末だ。耐え難いだよ!一度振り上げた拳を収めるだと!ふざけるな。ふざけるな!あのまま継続すれば、俺達が勝てたかもしれないのだ!それを奴は!人間の神器を招き入れねば生きていけぬ堕天使どもなぞ何の価値がある!?」
「主がいないのですか?主は死んでいる?では、私達に与えられる愛は?」
アーシアはジンエに質問しだす。
「さあ?そこは詳しく聞いてなかったから知らないけどね。多分ミカエルあたりがなんとかしてがんばってるんじゃない?もっとも神と魔王が死んでて完璧じゃないらしいから聖と魔のバランスが崩れて私の七聖剣やその君の聖魔剣みたいなことが起きてるみたいだよね。」
いきなり声真似をやめるジンエ。どうやらそこから先はあまり聞いてないようだ。
「そ……そんな。」
「嘘だ……嘘だ。」
「アーシア!?」
神が死んだという事実に耐えられなかったアーシアが崩れ落ちる。そのままイッセーが支えなければ倒れこんだだろう。
「せっかく、神ってやつと戦いたかったのに、神なんて死んでるって話だったしね。わざわざいい子のふりしてたのに無駄だったね。」
「それがお前が教会に入った理由か……だがコカビエルに協力していた理由はなんだ?」
「再び戦争を起こすのがあいつの目的だからね。それに乗じようと思ったんだが……わざわざ君と戦えるんだ。そっちのほうが優先されるね。戦争を起こす手段なんてほかにもあるしね。」
「そうか……ならお前はここで仕留める……リアス・グレモリー眷族の
するとルフトの体に蒼いオーラを纏う。
「な、なんだありゃ?」
「……あれは闘気です。」
「闘気?」
「生命エネルギーの一種です。高めた闘気は身に纏うことで、強力な武器にも、 あらゆる攻撃を弾く防具にもなります。ですが、闘気と覇気は併用して2重にしても効果は薄いと言ってました。何故……?」
「併用の効果が薄いなら、こうすればいい。武装闘気!!!」
突然ルフトを覆う闘気が両手両足以外消える。代わりに未だにルフトの両手両足を覆っていた闘気が蒼黒くなる。この現象は一体?
~Nosideout~
オリジナル技
嵐脚‘龍線’
龍の形をした嵐脚‘線’。威力が増している上に相手を自動で追尾する。
弾丸突き
ジンエが使う飛ぶ突き。その名の通り弾丸見たいに回転してるため貫通力は高め。