ハイスクールD3~悪魔の実の能力者は転生する~ 作:NCドラゴン
~イッセーsideout~
イッセーだ。あの後俺も自分に何かできないかと考えて小猫ちゃんと匙と一緒にイリナたちに聖剣破壊の許可を貰えないか聞きに行った。幸いゼノヴィアの方が思考という信仰が柔軟だったので許可は貰えた。協力者として木場の方と連絡が取れなかったのでルフトの方に聞いたら今木場と一緒にいるらしいので来てもらった。驚いたことに木場の笑顔は先日までの不気味なものと違って普段のものに近くなっていた。どうやらルフトがなんとかしてくれたらしい。……と思っていたが、リリスちゃんと木場がお互いを見るたびに恥ずかしそうにしている。まさか?まさか……木場ぁぁぁぁ!?……なんて言っている暇はないな。うらやましいけど。それでもイリナ達を見る目は多少憎しみの混じったものだが、さっきに比べるましだったので何事もなく進んだ。お互いに情報を交換して連絡先を交換しようと思ったが、イリナは俺の連絡先を知ってた。母さんから教えたらしい……。母さん!息子の電話番号勝手に教えるなよ!
~数日後の放課後~
相手にいかれ神父が居て、神父を狙っているということだったので俺たちは神父やシスターの恰好をして、相手をおびき寄せることにした。本当なら見聞色の覇気で探す方が効率はよさそうなのだが、特殊な結界を使ってるのかうんたらかんたらで相手の場所がわからないらしい。
ルフトだけは別行動だ。一人でも大丈夫だし、見聞色の覇気で根気強く探すらしい。ルフト曰く、「結界で気配を隠しているのなら、逆にそこには何も気配がない。そこをしらみつぶしに探す。」とのことだ。
とりあえず神父服を着て俺たちは行動したものの……。
「ふぅ……今日も収穫なしか。」
匙が気落ちするように言った。そのとおりだ。もう数日は経っているが、さっぱりだ。 匙とは木場の過去を教えた後に仲良くなった。匙は主であるソーナ会長に惚れており、いつしかソーナ会長とデキ婚したいと言っていた。なんてすごいことを……!ただソーナ会長は自分の将軍を偉く気に入ってるらしく、自分の将軍のことになると笑みになるらしい。……どんな奴だ?聞いてみるか?
「そう言えばお前らの将軍ってどんな奴なんだ?こっそり教えてくれよ。」
「ああ、将軍か……俺も会ったこともねえんだな。」
「え?何で?」
「眷族なったのもまだ数カ月前の話だし基本、冥界にいるらしくてな。だから将軍は会長しか知らないんだよ。」
「何でだ?」
「何でも修行するには、冥界の方がいいとか。」
「ふーん。」
確かにルフトとか大きな力を使って特訓は出来ないって言ってたしな。。
「あと勉強がいやだから。」
「……俺はそっちのほうがメインの理由な気がする。」
「……私もです。」
「……僕も。」
なんか知らないけど分かった。俺たちがおかしいのか?
「安心しろ。俺もだ。」
どうやら全員一致の認識らしい。
「…………!」
「小猫ちゃん?どうしたの?」
突然小猫ちゃんが足を止めて、上の方を向いた。
「……来る。」
「ああ……近づいてきてる。」
まさかあのいかれ神父が……?
《PIRIRIRIIRIRIRIRI》
電話……?それに出ると。
『ルフトだ!そっちに高速で近づいてる奴がいる!おれも1分でそっちに向かう。それまでお前等だけでなんとかしろ!』
「え?いやそん……!」
そんなこと言ってる間に上の方からぞっとする気配が来た。
「神父の一団に加護あれってね!」
木場が素早く魔剣を取り出しいかれ神父少年、フリードの一撃を防いだ。
「……フリード!」
「その声はイッセー君かい?へぇぇぇ……これはまた珍妙な再会でござんすね!どうだい、ドラゴンパゥワーは増大しているかい?そろそろ殺してもいい?」
……相変わらず、いかれた奴。聖剣があるしこれは少しやばいか?
~キングクリムゾン!~
「あが……あがが。」
「悪いね。まずは君を無力化させてもらったよ。」
と思っていたが、フリードはあっさりとぼこぼこにされた。憎しみを全面に出した木場ならともかく、冷静な木場なら楽勝だった。
「腕はともかく君の残虐性は危険だ。奪われたエクスカリバーはまだ後二本もある。そちらの使い手の方に期待させてもらうよ。」
「冷静に判断できるようになってんじゃねえか。」
「なんだもう終わっていたのか?」
「やっほーイッセ―くん。」
そうこうしていたら、ルフトとイリナ達が来た。一緒に来たって事は途中で合流していたのか?
「せっかくのエクスカリバー……相手したかったのだがな。」
「まぁいいじゃないゼノヴィア……まずは一本回収ってことで……。」
そう言いながらゼノヴィアは落ちている聖剣に向かう。木場も横目で見るがフリードからは警戒を外さない。とりあえずまずは一本……。
「離れろ!!!!!!!」
「え?」
突然ルフトが叫んだかと思うと、突然イリナを抱きしめる!おいなにしてんだ!?
「ちょ、ちょっと何を……!」
《ズバァ!》
「…………え?」
……何が起きたか分からなかった。俺に見えたのは宙を舞う二つの腕と、刀と、髪の毛だった。
「ぐ、ぐぅぅぅぅ!?」
「いきゃああああああ!?」
「イリナ!?」
「イリルフナト!?」
「ルフトさん!?」
「ルフトくん!?」
「お兄ちゃん!?」
宙を舞っていたのはルフトとイリナの右腕とエクスカリバーと、イリナのツインテールの片方だった。
「せ、生命帰還、血止め!髪包帯!」
ルフトは自分の血を自力でとめ、髪の毛で自分とイリナの斬られたところを覆う。
「じゃららららら……。さすがにとっさじゃ防ぎきれなかったようだね。」
すると暗闇の奥から変な笑い方をしたちょんまげ和服の古臭い男が現れた。手には血に濡れている刀があった。こいつがルフトとイリナを……!
「そんな……何故あなたが!?」
ゼノヴィアは面識があるのか動揺を隠しきれずにいた。なんなんだこの男は……?
「だれなのこの人!?お兄ちゃんが斬られるなんて!」
「……神力を我らに指導してくれた方にして、教会史上最強の騎士!ジンエ・エッジ!」
教会史上最強だって!?でも、フリードの方が強そうな気が……。
「う、うううううう!」
「ふ、震えが止まらない!」
「恐い恐い恐い恐い!」
だけどみんなはこの男の方がやばいって分かるらしい。俺には分からない……どうしてだ?
「嘘だ……何故あなたがイリナを!?罪をない人を殺すことを良しとしなかったあなたが!?」
「どうでもいいからだろう?」
「ルフト!」
応急処置を終えたのかルフトがふらふらと立ちあがる。こいつを知ってるのか?
「だけど……てめえが他人を教授するとは思わなかったよ……。」
そう言ってルフトはジンエを睨みつける。
「懸賞金6億
こ、こいつもルフトと同じ転生者か!6億ℬって、円に換算とするといくらなんだ!?つーかそんだけやべやつなのか!?
「より強いやつと戦いたかったからね。それには覇気を教えた方がいいと思ってね。」
「ちっ……少しは変わったと思ったが、根っこは全然変わってねえな。変わったのは口調と他人への接し方だけか!」
「そりゃあんなところでずっとくらしてたら色々と変わるね。」
どうやらこの二人知り合いらしい。一体どんな関係なんだ?
「ストゥル・ルフト。君がこの世界に転生してたなんて嬉しいね。この私を殺した君と会えるなんてね……神とやらに感謝してもいいかもね。」
こいつ……前世でルフトと戦ったのか?
「……おれはむしろ罵倒してやるが……一つ訂正してやろう。」
「ん?」
「今のおれはストゥル・ルフトじゃない。……竜成ルフトだ!」
「そうか……とりあえず長話もなんだし聖剣は貰っていくね。」
そう言ってこの男はイリナの落とした聖剣を手に取る。それを見たゼノヴィアが止めようとするが……。
「ま……!」
「じゃあね。今夜までには腕は治しといてね。」
そう言って気絶したフリードを抱えその場を去る。速い!
「あの野郎剃を……見ただけで真似したのか?」
剃ってルフトが使ってる高速移動技!?あいつそんなものまで……。
「ルフト!?」
声をしたほうを見ると、そこには部長と会長が一緒にいた。部長のほうはルフトに取り乱したかのようにかけよる。当たり前か……片腕がないんだから。
「ルフト!?大丈夫なの!?腕が!?」
「落ち着け!腕の治療をしたいからすぐに部室に向かうぞ!」
「わかったわ!力の流れが変だと思ってたらこんなことになるなんて……!イッセー、小猫、祐斗!なにがあったか聞かせてもらうわ!」
「は、はい!」
やっべ……そういや許可を得てなかったんだ……大丈夫かな俺?
~エロス・スケベ・へたれ・お馬鹿一世sideout~
わざわざフルで出すな!!!
オリジナル技
生命帰還‘血止め’
文字通り出血を止める技。応急処置として使う。
生命帰還‘髪包帯’
髪の毛を包帯代わりに使う技。これも応急処置として使う。
イリルフナトは誤字じゃなくてわざとです。あまりの衝撃に二人の名前が混じってしまいました。